全国にご当地麺があふれかえる麺好き国家、日本。南はソーキそばから北は札幌ラーメンまで県ごとに個性的な麺類がありますが、岩手県も多くの個性的な麺類を輩出しています。今回は、岩手県の誇る麺類、盛岡冷麺、盛岡じゃじゃ麺、そしてわんこそばについて、お勧めの店と一緒に紹介します。
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アクセス抜群!盛岡駅駅ビル内にある「明明家」の盛岡冷麺
まずは盛岡冷麺の紹介です。盛岡冷麺は麺職人の青木輝人氏が1954年に店を構えた際、朝鮮半島に伝わる冷麺を元に考案しました。
非常にコシが強くツルツルの麺、鶏ガラや牛肉で出汁を取った冷たく辛いスープ、きゅうりやゆで卵、カクテキといった具、さらに、つけ合わせとしてスイカなどの果物が入っているのが特徴です。
正直なところ、「麺がゴムみたい」などという理由で盛岡冷麺を苦手としている方も少なくないのではないでしょうか。しかし1度本場の盛岡冷麺を食べてみれば評価は変わるはずです。食べ応えのある太くてコシの強いツルツル麺とコクのある辛く冷たいスープの組み合わせは絶妙で、食欲をなくしがちな夏でも一気に平らげられます。
今回紹介するのは明明家(みょんみょんや)。盛岡駅の駅ビル、フェザン(岩手県盛岡市盛岡駅前通1-44)の地下1階にあります。帰りの新幹線の待ち時間の間にさくっと食べたい方や、新幹線で盛岡駅にやって来て「お腹すいた、早く岩手の名物を食べたい」という方にぴったりのお店です。
1皿で2度美味しい!盛岡じゃじゃ麺を考案した「白龍」
次は盛岡じゃじゃ麺です。中国の炸醤麺とは異なり、平たくやわらかいきしめんのような麺に肉味噌、きゅうり、紅生姜が乗せられた料理です。
ラー油やお酢、生姜、ニンニクなどを入れて自分好みに味を変えられるのが特徴ですが、さらに大きな特徴として、2度楽しめるという点があげられます。
じゃじゃ麺を食べる際は、完食せずに少しだけ残しましょう。近くに生卵がおかれているはずなので、それを入れて店員さんに返してください。すると店員さんが客の食べ残しに追加の肉味噌とゆで汁をかけてかき混ぜ、こちらに戻してくれます。
何と食べ残した麺が、肉味噌の旨味とふわふわとした卵がうれしいスープになって返ってきました。このスープは鶏蛋湯(チータンタン)という名前です。これも、盛岡じゃじゃ麺と同じように塩やコショウを入れて好きな味にできます。
店にもよりますが、無料だったり50円程度で鶏蛋湯にしてもらえるので、盛岡じゃじゃ麺を食べる時には勢いあまって完食しないようにしましょう。
ちなみにこの盛岡じゃじゃ麺、一時期満州にいた高階貫勝氏が、満州で食べた麺を元に考案しました。高階貫勝氏は盛岡駅近く(岩手県盛岡市内丸5-15)白龍(パイロン)という店を出しています。高階貫勝氏は1991年に82歳で亡くなりましたが、この白龍では、今でも元祖盛岡じゃじゃ麺を味わえます。
- 白龍・本店
- 盛岡 / 郷土料理 / 和食 / ご当地グルメ・名物料理 / じゃじゃ麺
- 住所:岩手県盛岡市内丸5-15地図で見る
- 電話:019-624-2247
- Web:http://www.pairon.iwate.jp/
わんこそばをゆっくり食べられる「芭蕉館」
岩手の麺類の頂点と言えば、わんこそばでしょう。客の横に給仕がつき、一口サイズのそばを次々とお椀に投入していくのが特徴のそばです。このわんこそばですが、起源に2つの説があります。
今から400年前、南部家藩主の利直が江戸へ向かう途中花巻城に立ち寄りました。その際漆器の器に一口だけ盛って出したところ利直が気に入って、評判になったというのが1つめの説です。
2つめの説として、昔岩手には大勢の人が集まる際にはそばをふるまう風習があったのですが、盛るそばの量を少なくして1度に多くの人に食べてもらえるようにしたそうです。食べている間に追加のそばをゆで、何度もお代わりをしてもらうようにしたのが始まりという話もあります。
前述したように、一口サイズのそばを休まず次々と食べていくというのがわんこそばの特徴ですが、あわてずに自分のペースで食べたいという方も少なくないのではないでしょうか。
そんな方にお勧めなのが、平泉駅前(岩手県西磐井郡平泉町平泉字鈴沢3-1)にある芭蕉館です。ここのわんこそばは初めからたくさんのお椀に一口ずつ盛られて出てくるのが特徴であり、落ちついて食べることができます。マグロの山かけやかつお節、のり、なめこおろし、ねぎ、いくら、紅ショウガなど様々な薬味がついており、味を変えながら食べられるのも魅力です。
- 芭蕉館
- 平泉町(西磐井郡) / 和食 / ご当地グルメ・名物料理 / わんこそば / そば
- 住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉字鈴沢3-1地図で見る
- 電話:0191-46-5155
- Web:http://www.bashokan.co.jp/
個性豊かな岩手の麺たち
今回紹介した3店舗はいずれも観光エリアからアクセスの良いところにあります。岩手県に訪れた際には、観光だけでなく個性派ぞろいの麺類も楽しんでみてくださいね。