「茨城といえば納豆だけど、おすすめってどれ?」そう思っている方に、茨城在住ライターが本気でおすすめしたい納豆屋さん「舟納豆(ふななっとう)」をご紹介します。人気バラエティ番組『マツコ&有吉かりそめ天国』でも紹介された、国産大豆納豆の魅力に迫ります!
この記事の目次表示
舟納豆とは?
茨城県北に本店を置く納豆屋さん
舟納豆と書いて「ふななっとう」と読みます。福島県と栃木県に隣接する、常陸大宮市(ひたちおおみやし)に本店を置く納豆屋さんです。国産大豆にこだわり続け、創業60年を誇る老舗です。
舟納豆で販売している納豆は名前の通り、舟のような長細いパッケージに入れられているのが特徴です。スーパーで見かける、白くて四角いパックの納豆に慣れている多くの方にとっては、とても新鮮なパッケージなのではないでしょうか。
舟納豆の由来は、市内を流れる久慈川(くじがわ)にあるそうです。1957年、二代目社長が川を流れる渡し舟にヒントを得て、舟納豆が誕生したのだとか。
ちなみに久慈川は、福島県と茨城県にまたがる八溝山を水源としています。山のなかには、「八溝川湧水群」と呼ばれる名水も存在し、良質な水で知られています。舟納豆では、すべての納豆製造に、この名水を活用しているそうです。
松の木が器代わりに
形の他に、もう一点大きな特徴があります。それは、パッケージの内側に、松の経木(きょうぎ)を使用していることです。経木とは、材木を紙のように薄く削ったものを指し、食品を包むものとして使われます。
納豆を包む、たこ焼きを載せる容器にする、おにぎりをくるむ等、幅広い使われ方をしていますので、見たことがある方も多いのではないでしょうか。
なぜパッケージに経木を使うのでしょうか?実は経木には、水分の調整をしてくれる働きがあるのだそうです。水分が多ければ吸収し、素材本来のおいしさを保ちます。
舟納豆ではかつて、経木も地産地消で、地元のものを使っていたそうです。しかし、経木づくりの職人が減ったこと、原材料の松の入手が難しくなったことにより、現在は和歌山県産の経木を使用しています。
経木独特の香りは、納豆の臭みを和らげる働きがあるのも特徴です。舟納豆で購入する納豆は、気になる臭いが少ないです。また、日にちが経ってもお豆がしっとりしたままですので、経木の効果が表れているのかもしれません。
素材へのこだわり
舟納豆が素晴らしいのは、原材料の大豆を国産でまかなっていることです。舟納豆で取り扱うこだわりの国産大豆は、8種類程度もあります。茶色い豆、緑の豆、黒い豆、赤い豆とカラフルで、色とりどりな納豆が用意されています。
ちなみに農林水産省公式ホームページによると、平成27年の大豆自給率は7%です。そのうち主要な用途では、多い順に豆腐(56%)、納豆(17%)、煮豆総菜(9%)、味噌醤油(8%)となっています。舟納豆がいかに貴重な大豆を使っているのかが分かりますね。
大豆づくりは土づくりから始まるという考え方のもと、農家の方と協力し、こだわりの大豆を維持し続けています。大豆は水はけがよく、弱アルカリ性の土壌で育ちます。タネを蒔く前に、石灰などを土に混ぜ耕します。11月頃になると葉や茎が茶色になり、収穫の時期を迎えます。大切に育てられた大豆が使われているのです。
どんなお味?
さてここからは、舟納豆の気になるお味をレビューします。ご紹介するのは、代表的な商品4種類です。
1種類目「舟納豆(プレーン)」は、茨城県産大豆のみを使用しているという定番商品です。小粒のお豆で、ほどよく歯ごたえがあります。
添付タレがありますが、お好みにあわせて、梅干しやお醤油で味付けを変えて頂いても、さらに美味しくなります。超定番のため、一度は味わっておきたい一品です。
2種類目「黒船(くろふね)」は、茨城県産黒大豆(くろこじろう)小粒を使用した珍しい商品です。大豆の皮がしっかりしていて、むっちりしたような食感がクセになります。粘りは少なめです。見た目が艶やかで縁起よく、高級感あふれる一品です。ギフトに最適です。
3種類目「そばの実入り舟納豆」は、舟納豆プレーン&奥久慈名産「常陸秋そばの実」をブレンドした商品です。そばの実独特のプチプチした食感が楽しめます。柔らかい納豆にアクセントを加えたものに挑戦してみたい!という方におすすめです。
4種類目「大むぎ入り舟納豆」は、舟納豆プレーン&大むぎをブレンドした商品です。大むぎは食物繊維が大変豊富なことで知られています。ぷるぷるっとした食感が納豆に混ざっています。大豆と大むぎ、二種類の穀物の柔らかさを堪能してみたい方におすすめです。