美しい日本の原風景を思わせる光景、それが棚田です。佐賀県にはそんな「日本の棚田百選」に選ばれた見事な棚田が6ヶ所もあります。今回はその中から、唐津市と玄海町にある「浜野浦の棚田」と「大浦の棚田」について紹介します。
この記事の目次表示
水平線に沈む夕日と棚田の絶景が素晴らしい!浜野浦の棚田
まず最初に紹介する棚田百選の一つは、玄海町にある「浜野浦の棚田」です!ご覧の通り、深い入り江のような地形を成している浜野浦の斜面に、総数283枚の田んぼが連なっていることで生み出されたのがこちらの絶景。
まさに日本の原風景を思わせるかのような素晴らしい光景が広がる浜野浦の棚田ですが、棚田の一番奥に海がチラッと見えるのもポイント高し!農閑期である早春の頃には、上の写真にもあるように、田んぼを埋め尽くす程に咲く菜の花の景色もまた長閑で風情があります。
もともとは、かの有名な豊臣秀吉が朝鮮出兵の為に築かせた名護屋城に携わった石工集団がこの地に定着し、長い年月をかけて代々築かれたことが由来とも言われている浜野浦の棚田。地形を活かした見事な作りになっている棚田の光景も圧巻ですが、真に浜野浦の棚田が美しくなるのは、ちょうど田植えのシーズンとなる4月中旬から5月上旬にかけての季節です!
ご覧くださいこの素晴らしい絶景を!開けている海の向こうにちょうど夕日が落ち、田植えの為に水が張られた田んぼがまるで空を映す水鏡のような役割を果たして、辺り一面がオレンジの夕焼け色に染まる光景は、お見事としか言いようがありません。
このロマンチックな光景ゆえに、浜野浦の棚田は「日本の棚田百選」でありながら、「恋人の聖地」にも認定されています。一度見たら決して忘れることはないであろう素敵な夕景を、浜野浦の棚田に訪れてぜひ感じてみてくださいね。
いろは島と棚田の絶妙なコラボレーション!大浦の棚田
続いて紹介するのは、浜野浦の棚田がある玄海町のお隣・唐津市にある、こちらも「日本の棚田百選」に選ばれた「大浦の棚田」です。隣町と言ってはいるものの、浜野浦の棚田からは車でおよそ20分程。そこまで離れた所にある訳ではありませんので、ぜひ浜野浦の棚田とセットで訪れてみると良いでしょう。
大浦の棚田で感じてもらいたい棚田の魅力は、なんと言ってもそのスケールの大きさです。大浦岡、大浦浜、満越の3つの集落にまたがる田んぼの総数はおよそ1,000枚を数えます!最盛期の昭和30年代には棚田の総数が1,200枚を超えていたそうですが、今でも尚30ヘクタール以上の面積を有する棚田の光景は、まさに圧巻の一言。
海へと落ち込む斜面に築かれた大浦の棚田の向こうに見えるのは「いろは島」です。その名の通り48の島々から成る景観から“いろは”島と呼ばれるようになりました。筆の達人であった弘法大師ですら、このいろは島の絶景を目の前にして思わず筆を落としたという伝説が残る程見事な景色が広がります。それに加えて大浦の棚田の絶景までも目に入るのならば、もはや何も言うことはないでしょう。
浜野浦の棚田とはまた違った、開放感ある海のパノラマとともに、大浦の棚田の景色をぜひお楽しみください!
【おまけ】橋の向こうは長崎県!?鷹島と九州本土を結ぶ「鷹島肥前大橋」!
こちらは棚田ではありませんが、沖合に浮かぶ「鷹島(たかしま)」と九州本土とを結ぶ「鷹島肥前大橋」。上で紹介した浜野浦の棚田と大浦の棚田のちょうど中間地点にあります。平成21年(2009年)4月18日に開通した全長1,251mの斜張橋です。
橋の周辺は地形が入り組んでおり、入り組んでいるがゆえに美しい風景が見られます。そして橋を渡った先にある鷹島は、なんと長崎県!鎌倉時代に大陸から侵攻して来た元軍を追い返した終焉の地でもある鷹島には、道の駅や鷹島モンゴル村等の観光スポットがありますので、棚田巡りに華を咲かせるドライブスポットとして併せてぜひ立ち寄ってみてくださいね!