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「昌徳宮」について詳しく解説!
「昌徳宮」では、自由に観覧できる一般観覧と、ガイド付きの制限観覧である後苑特別観覧の2つがあります。
一般観覧は基本的に自由に見学できますが、言語別のガイドツアーもあります。無料で受けられますので、古宮について全く知識がないという人はこのツアーに参加すると良いでしょう。すでに知識がそれなりにあるという方でも、より深く知るという意味では時間が許す限り参加することをおすすめします♩
一般観覧と後苑特別観覧の詳細は後述の「昌徳宮の基本情報」でご確認ください。今回の記事では「一般観覧エリア」の見どころを皆さんにご紹介します。
【見どころその①】敦化門
「敦化門(トンファムン)」は、昌徳宮の正門にあたります。ソウル市内にある宮殿のうち、現存するものとしては最古の正門です。
朝鮮王朝時代には、2階に時間を知らせる鐘と太鼓があったとされていますが、現在は残念ながら残っていません。また、この門は、日本でも放送された韓国ドラマ『屋根部屋の皇太子(プリンス)』のロケ地ともなっています。
【見どころその②】錦川橋
正門を入り右側に位置するのが「錦川橋(クムチョンギ)」です。
1411年に造られたもので、ソウル市内に残る最古の石橋です。この橋の下には、小さな川が流れていました。この川は、神聖な宮廷の中と外を分け、体を清める意味を持っていたとされています。
【見どころその③】仁政殿
「昌徳宮」の正殿が国宝にも指定された「仁政殿(インジョンジョン)」です。
王の即位式・臣下の朝礼・外国使臣の接見などの数多くの重要な行事が行なわれました。
「仁政殿」の内部の中心には、御座(王の座席)があります。
また、1900年代に導入された西洋式のシャンデリアもあり、朝鮮王朝末期の建築を見ることができます。
「仁政殿」の前広場には、石のようなものがずらっと並んでいますが、これをよく見ると文字が掘られています。例えばこれ。
これは臣下の品階(身分)のことで、この品階に応じた位置に臣下たちはついたのです。朝鮮王朝時代の歴史ドラマでは、臣下の名前以外にもこういった身分で呼ばれることが多いので、歴史ドラマを見る際はこういった部分にも注目してみると面白いですよ。
【見どころその④】宣政殿
1804年に建てられた「宣政殿(ソンジョンジョン)」は、王が日常的に政務を行なった「便殿(ピョンジョン)」と呼ばれる場所です。
「宣政殿」では、月と日が描かれた「日月五峰図(じつげつごほうず)」と呼ばれる絵を背景にして王が中心に座り、臣下と共に国政を議論しました。また、国政を議論した以外にも、学者や官僚の勉強、儒者の試験、宴などが開催されたこともあったそうです。
「宣政殿」は、韓国国内の現存する宮殿の中で唯一青い瓦屋根をもつ大変貴重な建物です。
【見どころその⑤】大造殿と熙政堂
「大造殿(デジョジョン) 」と「熙政堂(ヒジョンダン) 」は、王と王妃が生活した場所です。王の寝殿と執務の場であった「煕政堂」は何度も火災に遭い、現存する建物は1920年と比較的新しいものになります。
「大造殿」は、朝鮮が日本の植民地支配下に置かれることが決まった御前会議が開かれた場所であり且つ、朝鮮王朝(大韓帝国)最後の王である純宗(スンジョン)が1926年に崩御した場所でもあることから、朝鮮の近代史を語る上では大変重要な場所となっています。
【見どころその⑥】楽善斎
「楽善斎(ナッソンジェ) 」は、1847年、憲宗(ホンジョン:朝鮮王朝第24代国王)が後宮(フグン:側室/王の妾)を迎え入れるために建築した建物です。
王朝末期の皇族たち、特に後宮や女官が余生を送った場所として知られています。先述した梨本宮家から嫁いだ李方子(り・まさこ/イ・バンジャ)もここ「楽善斎」で晩年を過ごしました。
広〜い古宮を散策後はカフェで一休み♩
昌徳宮を見学した後はおそらく歩き疲れていると思いますので、昌徳宮内にあるカフェで一休みしましょう。
写真のように外観も古宮の雰囲気に合わせています。こちらでは、伝統的な雑貨などのお土産が売っている売店とカフェが併設されています。特に冬に韓国へ訪れる方は本当に寒いので、暖かい飲み物はとても有り難いですよ。
2019年上半期も開催!夜間特別観覧「月灯り紀行」
「夜の昌徳宮の美しさを伝えたい」という思いから、2010年より始まった夜間特別観覧「月灯り紀行」。4月〜6月の上半期と8月〜10月の下半期に分けて、期間中の満月の時期に開催されています。
ガイド付きで昌徳宮を見学するほか、茶菓子付きで伝統芸術公演を楽しむことできます。事前予約且つ外国人対象の日程はかなり限られていますが、タイミングよく旅行へ行かれる方は、日中とは異なる姿を見せる「昌徳宮」を見学してみてはいかがでしょうか。なかなか見られない貴重な体験ですよ。