日本最大の面積を誇る湖、滋賀県の琵琶湖。県の面積の6分の1にも及ぶ広大な湖には、有人島が1つだけ存在します。今回は日本で唯一、そして世界でも数少ない湖上の有人島である、沖島を訪ねてみましょう。
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素朴な島の風景
沖島は近江八幡市に属しており、琵琶湖の中央南寄りの、沖合から1.5キロのところに浮かんでいます。人口約300人、周囲6.8キロの小さな島です。
フェリーで10分程度のところにある湖の島ながら、島らしい素朴な風景が広がっています。
船がびっしりと並ぶ港。
家の密集する住宅街。
三輪自転車がメインの交通手段となっている細い路地。住宅は島の港周辺に集中しています。
港から離れて東に向かうと畑の並ぶ未舗装のエリアに入ります。
道の代わりに木の橋がかけられている場所も。
手作り感のある桟橋。
海水ではなく真水のため、波打ち際ぎりぎりまで植物が生い茂っています。海を見慣れていると逆に少し違和感のある光景です。
このように、フェリーで10分の湖上の島とは思えない、離島のような風景が沖島の最大の魅力といえます。
歴史ある神社を訪ねる
島内にはいくつか神社が建っているので、お参りしていきましょう。
奥津島神社
和銅5年(712年)に、勅命を受けた藤原不比等により創建されたと伝わる神社です。
奥津島比売命(オキツシマヒメノミコト/須佐之男命の娘で大国主神の妻)を祀っており、沖島の氏神でもあります。
ちなみに横道にそれてさらに登っていくと、山神神社にたどり着きます。沖島に石工が渡ってきて採石が盛んに行なわれていた時、作業に伴う死傷者が出ないよう建立されたと伝わります。
厳島神社
島の東にあります。琵琶湖の船の往来や災害よけ、雨乞いの神様です。宮島の厳島神社と同じく、水の上に鳥居が建てられています。
天台宗の寺院があったところに、彦根藩士の戸次権左衛門と源新平が、京の仏工が作った天女像を安置したという由緒が伝わっています。
境内からは鳥居と琵琶湖を望めます。
沖島へのアクセス
湖に浮かぶ沖島へのアクセスは、フェリー一択です。
近江八幡駅の北口から「あかこんバス」で50分、「近江バス」で30分ほどの堀切港で下車し、そこからフェリーに乗って10分ほど。フェリーの運賃は500円で、1時間に1本程度のペースで出ているため利用しやすいです。
反面、港を訪ねるためのバスの本数は少ないため、時間に余裕がほしければ港から徒歩5分ほどのところにある駐車場まで車で行く方がいいかもしれません。
なお港にある駐車場は、島の方など関係者以外は停めてはいけないので注意しましょう。
- 沖島来島者専用駐車場
- 滋賀 / 駐車場
- 住所:沖島観光客用駐車場地図で見る
- Web:https://montekite.com/access/
- 沖島
- 滋賀 / 島・離島 / 穴場デートスポット
- 住所:近江八幡市沖島町地図で見る
- Web:https://www.biwako-visitors.jp/spot/detail/15188
この記事を書いたトラベルライターから一言
2時間もあればざっくりと観光が可能な沖島。ですが、目立つ観光スポットがあるわけではなく独特な島の雰囲気を楽しむのこと自体が醍醐味のため、人により所要時間は大きく異なってくるのではないかと思います。
私は、住宅街の細い路地を何度も往復してじっくり眺めていたら4時間もかかりました。人によっては丸一日必要かもしれませんね(やまざきにんふぇあ)。