青谷上寺地遺跡(あおやかみじちいせき)展示館は、鳥取県鳥取市の青谷町にある遺跡展示館です。国史跡にも選ばれていて、「地下の弥生博物館」といわれている青谷上寺地遺跡の出土品が300点以上も展示されています。弥生時代の遺物の展示以外にも、判りやすい資料の数々や最新技術を用いた展示などが注目されており、遺跡好きにはもちろん、歴史を学び始めたばかりの子供の関心にもこたえてくれます。今回は、そんな貴重な出土品の数々から蘇った弥生の世界を垣間見ることができる青谷上寺地遺跡展示館についてご紹介します。
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青谷上寺地遺跡とは?
青谷上寺地遺跡展示館では、青谷上寺地遺跡からの出土品を数多く展示しているわけですが、そもそも青谷上寺地遺跡とはどのような遺跡かご存知でしょうか?
「地下の弥生博物館」と呼ばれている青谷上寺地遺跡について簡単にご紹介します。
青谷上寺地遺跡は、かつて大きな入り江があった青谷平野のほとりに形成された集落です。
周囲を海や山に囲まれ、舟を使って遠方の地と交易をしていたことが出土品の数々から判っています。
交易を示すもの以外にも、生活用具や精巧な木製品などの大量の遺物が発見されています。
奇跡的に発見された豊富な遺物の数々から、平成20年には国指定の史跡に選ばれた大変貴重な遺跡です。
グッと身近に感じられる工夫がいっぱい!
「出土品」や「遺跡」なんて聞くと、「ちょっと難しそう」「見ても判らなそう」と敬遠してしまいがちですよね。
ですが、青谷上寺地遺跡展示館では判りやすい資料と最新の技術を使って、弥生の世界や遺跡をグッと身近に感じさせてくれる趣向が数多く感じられます。
館内には子供でも判るようにまとめられた解説シートや、大人の探求心にも応えてくれるカラーで写真が豊富な資料が数多く置かれ、自由に持ち帰ることができます。
また展示室内にはコンピュータで復元された弥生人の顔や、AR機能を使って館内~館外で発掘体験を楽しむことができたりと、最新の技術が豊富に用いられています。
弥生時代から現代まで進化してきた人類と同様、現在の遺跡展示館も進化しており、「ただ出土品をみて難しい説明を読むだけ」ではなく、面白い要素がいっぱい詰まっているのです。
3つのテーマから見えてくる弥生の世界
展示室内では大きく3つのテーマに沿ってエリアが分かれており、そのテーマに合った出土品や資料を見学することができます。
弥生の世界を垣間見ることができる、3つのテーマについて簡単にご紹介します。
【1】青谷上寺地遺跡のくらし
入り口を入ってすぐのところから始まる1つ目のテーマは、青谷上寺地遺跡のくらしです。
米作りの広まっていった過程や、生きていくことに欠かせない食料となった海や山の恵み、土器など、当時の生活が伝わってくる様々な出土品を見ることができます。
【2】青谷上寺地のものづくり
2つ目のテーマである青谷上寺地のものづくりでは、主に日頃の生活で弥生人が使っていた道具について紹介されています。
出土した骨角器や木器、また道具そのものを作ったり加工したりしてきた歴史などを見ることができます。
大陸からもたらされた新しい技術などについても知ることができる貴重な出土品も、数多く展示されています。
【3】語りかける弥生人骨
展示室内の中央にある3つ目のテーマ、語りかける弥生人骨では、青谷上寺地遺跡から見つかった100人分以上の人骨について紹介されています。
出土した人骨の中から、ほぼ完全な頭蓋骨を選び、コンピュータを使用して復元された弥生人の顔や国内初の古代人の脳の発見についてなど、貴重な展示や資料を見ることができます。
他にも当時の人々が書いた絵画や文洋を見ることができます。
魚をモチーフとした絵画やコンピュータ技術を用いて復元した弥生人の顔など、関心を抱きやすく、興味津々に見学できるエリアです。
おわりに
出土品の数々から蘇った弥生の世界を垣間見ることができる、青谷上寺地遺跡展示館はいかがだったでしょうか?
豊富な出土品の展示や判りやすい資料、最新技術を用いた発掘体験など、弥生時代について習ったばかりの子供の関心から大人の探求心までをも満たしてくれます。
お1人様につき1つもらえる「やよいの里の古代米」など嬉しい無料の記念品などもあるので、ぜひ青谷上寺地遺跡展示館を訪れてみて下さいね!
- 青谷上寺地遺跡展示館
- 鳥取 / 博物館
- 住所:鳥取県鳥取市青谷町青谷4064地図で見る
- 電話:0857-85-0841
- Web:http://www.tbz.or.jp/kamijichi/