鳥取県中部に位置する、豊かな自然や温泉地に囲まれた倉吉市。南北朝時代には、現代でも市民にとってシンボル的存在である打吹(うつぶき)山に城が築かれ、城下町として栄えていきました。今でも玉川沿いに連なる白壁土蔵群や商家など、町の随所に当時の面影が色濃く見られます。歴史を感じさせる建物や風景を楽しみながらの街歩きは、どこか懐かしく、心を穏やかにしてくれます。そんな白壁土蔵群の見どころスポットをご紹介します。
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江戸時代の情緒漂う!玉川沿いの白壁土蔵群
倉吉に到着したら、まず見てほしいのが、やはり玉川沿いの白壁土蔵群です。
倉吉市打吹玉川伝統的建造物保存地区に指定されており、県民の建物100選にも選ばれている景色です。
伝統的な町家づくりの商家と白壁の土蔵が玉川沿いに連なり、風情ある街並みを感じさせます。
玉川に架かる、ゆるやかな反りを持つ一枚石の石橋も特徴的で、倉吉ならではの景観をつくりだしています。
歴史ある家屋や土蔵が建ち並ぶ玉川沿いを、時間を忘れてゆっくり歩いてみてはいかがでしょう?
歴史ある外観に魅かれる!「赤瓦」の蔵巡り
町を歩いてみると、赤い石州瓦の屋根が特徴的な建物をよく目にします。これは歴史ある古い蔵などを改装して作られた「赤瓦」と呼ばれる施設です。
巡れる赤瓦の蔵は十四蔵あり、お土産屋さんや工房、ご当地グルメ、創作体験など、どこのお店にもこだわりがあり、楽しむことができます。その中の何店かを厳選してご紹介します。
赤瓦一号館
大正時代に建てられた、醤油の仕込み蔵を改装して作られた一号館。
一階には地元の特産品などのお土産があり、二階には地元の工芸品などのこだわりあるお店が並んでいます。
五重構造からなる小屋組の建物自体にも非常に見応えがあるので、ぜひ、じっくり見てみて下さいね。
赤瓦二号館「ワイン蔵」
赤瓦二号館は主に西日本産のワインを取り揃えた「ワイン蔵」。
和の白壁の雰囲気を壊すことなく、絶妙なバランスで溶け込む洋風な入り口はとても魅力的です。
オーナー自らブドウを栽培し、ワイン造りをしているこだわりのお店。店内では試飲(有料)もできるので、自分好みのワインを探してみてはいかがでしょう?
- 赤瓦二号館「ワイン蔵」
- 鳥取 / 建造物 / 歴史的建造物
- 住所:鳥取県倉吉市東仲町2583地図で見る
赤瓦五号館「久楽」
白壁土蔵群近辺には数多くの人気の喫茶店がありますが、「久楽」の二階の喫茶店もその一つ。
石臼で挽く特製珈琲に小豆餡を添えた「石臼珈琲」や、おだんごを自分で焼いて小豆・梨餡・みたらしなどをつけて食べる「蔵だんご」が大人気です。一階は雑貨店となっているので合わせて見てみて下さいね。
赤瓦六号館「桑田醤油醸造場」
県保護文化財に指定されている赤瓦六号館は、明治九年創業の造り醤油屋さんです。倉吉でただ一つの京風町屋で、その外観にも目を奪われます。
店内では醤油をはじめ、醤油アイスクリームや醤油ゼリーなど甘いものも販売されています。
老舗の醤油と甘味のコラボレーション!ぜひ召し上がってみて下さいね。
- 赤瓦六号館「桑田醤油醸造場」
- 鳥取 / 建造物 / 歴史的建造物
- 住所:鳥取県倉吉市東仲町2591地図で見る
赤瓦八号館
一階の「お菓子の館 寅蔵」では、鳥取県の銘菓やキャラクターグッズなどが販売されています。お土産選びにオススメです。
また二階では、大山山麓で採れたそば粉を使った手打ちそばが食べられる「手打ちそば処 打吹庵」があります。倉吉に伝わる天女伝説に由来したメニューが多く、地元ならではの料理が楽しめます。
赤瓦十号館「倉吉白壁土蔵群観光案内所」
「サイダー」や「ラムネ」と書かれた味のある外壁が魅力的な赤瓦十号館は、元ラムネ工場の建物。
コインロッカー(有料)があり、傘や車椅子の貸出、観光ガイドの受付などが行われています。なにか不便があった際はこちらを訪ねてみるとよいでしょう。
- 赤瓦十号館「倉吉白壁土蔵群観光案内所」
- 鳥取 / 建造物 / 観光サービス / 手荷物預かり / 観光案内所・ビジターセンター / レンタサイクル / 歴史的建造物
- 住所:鳥取県倉吉市魚町2568地図で見る
- 電話:0858-22-1200
- Web:http://www.chizukyu.co.jp/chizukyu/guide/kurayoshi...
赤瓦十二号館「久和」
店長こだわりのお土産や雑貨が並ぶ「久和」は、玉川に面した土蔵にあります。
連なる白壁土蔵群の中にあり、景色が美しいスポットの1つです。
- 赤瓦十二号館「久和」
- 鳥取 / 建造物 / 歴史的建造物
- 住所:鳥取県倉吉市東仲町2582地図で見る
赤瓦十六号館「お茶処 淡雪」
心地よいカプチーノの香りが漂う「淡雪コーヒー」が人気の「お茶処 淡雪」。
ここは囲碁好きにはたまらない、囲碁を打ちながらコーヒーなどを楽しめる珍しいお茶処です。旅の思い出に、淡雪コーヒーと共に一局していってはいかがでしょう?
- 赤瓦十六号館「お茶処 淡雪」
- 鳥取 / 建造物 / 歴史的建造物
- 住所:鳥取県倉吉市東仲町2589地図で見る
街歩き中にさりげなくレトロを感じさせるスポット
赤瓦や白壁土蔵群ほどのインパクトはありませんが、それらの魅力を引き立てているのはさりげない景色だったりするものです。
倉吉白壁通り周辺で見逃してほしくない、「倉吉らしさ」や「レトロ」を感じさせるスポットも合わせてご紹介します。
第五十三代横綱 琴櫻記念館
倉吉市出身の第五十三代横綱・琴櫻の顕彰碑が目印の、琴櫻記念館。
化粧まわしや優勝額など、貴重な品々が展示されています。入場無料なので、気軽に見学することができます。
- 第五十三代横綱 琴櫻記念館
- 鳥取 / 博物館 / 穴場観光スポット
- 住所:鳥取県倉吉市魚町2518地図で見る
- 電話:0858-22-4608
- Web:http://www.city.kurayoshi.lg.jp/kotozakura/
ぎゃらりぃ和
昭和6年に日本産業貯蓄銀行倉吉支店として建てられた、倉吉で初めての鉄筋コンクリート造りの擬洋風建築物である「ぎゃらりぃ和」。店内では雑貨が販売されていたり、カフェスペースなどもあります。
倉吉の街並みには珍しい鉄筋コンクリート造りに、思わず目が魅かれます。
玉川沿いの愛嬌ある石像たち
散策中にふと目線を下にずらすと、玉川沿いの道に可愛らしい石像がちょこちょこと現れます。
愛嬌ある石像達に、川には美しい鯉。道の奥には打吹山が見え、ちょっとしたビュースポットです。
街のあちらこちらで出会える福の神
白壁土蔵群周辺を歩いていると、あちらこちらで木彫りの福の神に出会えます。
白壁土蔵群の火災からお店を護った福禄寿や、子宝を授かったとする福狸など、道脇にちょこんといるにしてはなかなかのご利益がある福の神ばかりです。
街に溶け込んでいる数々の景色
特にパンフレットにも載ってない、逸話があるわけでもない、ほんのちょっとしたところにまで倉吉市ではレトロ感が漂います。
街並みに溶け込む、レトロさ漂うポストや昔から変わらずに残る道標。
昭和の香りを感じさせ、子供時代を思い出さずにはいられない、心をときめかせる看板。
おわりに
紹介しきれないほどの古き良きスポットで溢れている倉吉市。倉吉の町を歩いてみると、あなただけの胸にグッとくるような「レトロさ」や「懐かしい」景色と出会えます。