スターバックス1号店やアマゾンの本社があり、産業都市であるシアトル。そんなシアトルの発祥地とされる「パイオニアスクエアの地下」には、かつてのシアトル市街地がひっそりと眠っており、この地下都市に潜入できる「アンダーグラウンドツアー」というものがあります。今回は、シアトルの歴史を知ることができる、このミステリアスなツアーをご紹介します。
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シアトルはどんな都市?
- 出典:unsplash.com
シアトルは、アメリカ北西部のワシントン州最大の都市です。IT企業の本社が多数あり、航空宇宙産業の中心地でもあります。日本でもお馴染みのスターバックス・コーヒーの発祥地でもある他、イチロー選手がかつてプレーしていたシアトルマリナーズの本拠地でもあります。
そんなシアトルの街のパイオニアスクエア地下には、かつての市街地だった都市がひっそりと眠っています。そしてそんな地下都市を巡る、アンダーグラウンドツアーが毎日実施されています。
なぜ、忘れられた地下都市となった?
シアトルが創造期を迎えていた1889年、街の中心部が大火事に見舞われました。幸い、一人の死者も出ませんでしたが、街のほとんどの建物が木造だったため、31ブロックに及ぶ広大な範囲で、商業施設や住宅が焼失してしまいました。
街を再建する際、地上よりも高い位置に、道路や建物が建設されました。シアトルはもともと海抜が低く、下水のトラブルが続いていたので、それを防ぐ目的だったとのことです。結果、残っていた建物の多くは、地下に残されたまま、忘れられた存在になってしまいました。
シアトルの歴史保存に活躍した、ビル・スパイデル氏
ビル・スパイデル氏は、シアトルの歴史的価値の保存に貢献した人物です。1960年代、パイオニアスクエアは、都市開発予定地となっていましたが、ビル氏の働きかけにより、歴史的建造物保護地区となりました。地下に残る都市を歴史を学べるツアーとして、1965年にアンダーグラウンドツアーをスタートさせました。
シアトルアンダーグラウンドツアーに潜入!
早速、ツアーに参加! ツアーは、パイオニアスクエアからスタートします。日本人であることを伝えると、日本語の解説プリントをもらえます。
ツアーの冒頭は、レクチャー室のような部屋で、ガイドからシアトルの歴史について20分程のレクチャーを受けます。
ツアーでは、地下の3箇所をめぐる
実際に地下へおりていき、ガイドとともに地下の都市を歩きます。ガイドの解説を聞きながら進み、1時間程度かけて3箇所を巡ります。
地下は薄暗く、なんとも不気味な雰囲気です。壁には、まだ地下都市が地上にあった時の写真が展示されています。
こちらは、当時この辺りにあったビルの写真です。地下に眠る入り口は、もともと地上にあり、店への入り口でした。海抜を上にあげたことで、新たに2階部分に入り口を作ったそうです。
こちらは、当時のトイレです。かつてのシアトルは排水の技術が進んでおらず、下水トラブルが相次いでいたそうです。トイレ使用時の面白いエピソードをガイドが紹介してくれます。
こちらは、紫の天井です。今の地上は、当時の1階から3m底上げしているので、地下の天井が地上の地面となっており、光が差し込みます。昔のガラス素材は、化学素材が入っているので、紫色に見えるのだそうです。
地上からみるとこのような形です。
地下の天井は、重みに耐えられるように、アーチ状になっています。
他にも当時の痕跡を伝える様々な看板や生活用品が残っています。
- 出典:www.flickr.com当時の水道管
- 出典:www.flickr.com当時のバスタブ
シアトルアンダーグラウンドツアーのチケット購入方法
チケットは、現地で直接購入することもできますが、公式サイトから事前に購入することも可能です。
実施時間:4-9月 9:00am-7:00pm / 10-3月 10:00am-6:00pm
- シアトルアンダーグラウンドツアー
- アメリカ / 体験・アクティビティ
- 住所:614 1st Avenue, in Pioneer Place Park, Pioneer Square地図で見る
- Web:http://www.undergroundtour.com/
この記事を書いたトラベルライターから一言
今回は、シアトルの地下に眠る都市をめぐる、ミステリアスなツアーをご紹介しました。シアトルの歴史を知ることができる貴重なツアーです。足元が滑りやすく、薄暗いので、動きやすい靴での参加をお勧めします。シアトル旅行の際は、ぜひ参加をしてみてはいかがでしょうか。(SF_logbook )