青森県にある田代平湿原。八甲田山麓の北東に位置する湿原で、約200万年前の八甲田山の火山活動によって形成されたカルデラ湖が長い年月をかけて湿原化したものです。雪解けが進むグリーンシーズンには、「田代平湿原植物群落」として青森市の天然記念物に指定されるほどに豊かな植生を誇る田代平湿原ですが、美しい秋の紅葉風景も実に見事!今回は、そんな田代平湿原の散策コースをぐるっと巡る秋の紅葉狩りツアーをご紹介します。
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田代平湿原の入口すぐ近くにある龍神沼が神秘の絶景!
山麓に数多くの湿原を有する八甲田山系の中でも、最大規模の面積を誇るのが今回紹介する田代平湿原。標高およそ550mと、比較的高所に位置する湿原ですが、青森市内からアクセスする場合には、八甲田の山をずーっと登って行く国道103号線や県道40号線などを用いてアクセスすることが出来ます。
八甲田温泉の目の前、県道242号線のすぐ向かいにある駐車場に車を停めて、早速田代平湿原へと出発していきましょう!湿原は、森の中を抜ける散策路をしばらく歩いた先にあるのですが、まずは散策路の入口からすぐの所にある龍神沼に立ち寄ってみてください。
こちらがその美しい水面の様子を捉えた龍神沼の写真です。本当に小さな沼なのですが、水面はまさにエメラルドグリーンと言う表現がピッタリくるほど実に神秘的な色をしています!
透き通った沼の底に腐敗せず溜まった落ち葉の様子も実に見事ですので、ぜひとも田代平湿原の散策に出かける前に、まずはこちらの龍神沼の神秘的な水面の様子を写真に収めていくと良いでしょう。
広がる秋の風景!田代平湿原の紅葉!
さて、龍神沼で美しい水面の様子をカメラに収めた後は、森の中の散策路を抜けて、いよいよ田代平湿原へと向かいましょう!湿原に設けられた散策コースは北側ルート、中央ルート、南側ルートの3つがあり、それぞれ延長558m、560m、432mの合計約1,600mの散策コースとして整備されています。
所要時間はおよそ1時間。森の中を進む散策路を抜けると、パァーっと目の前一面に広がるのは、開放的な秋の空の景色とどこまでも向こうまで続く美しい湿原の様子です!特に湿原一面に生い茂る低草がみな一様に黄金色に輝く様子は、本当に素晴らしいですし、見事の一言。
それに相まって、ちょうど田代平湿原を囲む周囲の山々も赤やオレンジなどといった美しい秋の装いに景色を変えるので、とても素晴らしい紅葉の風景を私たちに楽しませてくれます。
ちなみに、遊歩道を歩いていると見られる無数の湖沼群は、「池塘(ちとう)」と呼ばれる湿原独特なもので、池の水は雨水や雪解け水などにより供給されています。
美しい八甲田山と秋の田代平湿原のコラボレーション!
田代平湿原の紅葉狩りで、もう1つ楽しみな景色と言えば、こちらの紅葉と八甲田山の素晴らしいコラボレーションです!湿原の中を抜ける遊歩道をしばらく進んで振り返ると、このような見事な八甲田の山を眺めることが出来ます。
冬期は厳しい寒さと積雪量で知られる八甲田の山。そんな八甲田山の初冠雪の平年値は10月17日です。秋と冬の季節のせめぎ合いである紅葉のシーズンは、運が良ければ雪の被った八甲田の山の様子と素晴らしい田代平湿原の紅葉の風景を同時に楽しめる可能性もあります。
夏の高山植物が咲き乱れる田代平湿原もおススメ!
皆様、素敵な田代平湿原の秋の景色を感じる今回の旅はいかがでしたでしょうか?八甲田周辺の山とともに田代平湿原が美しい黄金色に輝く季節は、例年9月の下旬~10月の中旬ごろ。
また、6月~8月にかけての夏のシーズンには、初夏の田代平湿原を彩る一面のワタスゲやレンゲツツジなどに代表されるように、高山植物の宝庫でもありますので、これらの季節の散策も非常におススメです!