オーストラリアでは欠かすことのできない文化の一つ「パブとビール」。「パブへ行ってみたいけど、ちょっと不安」という人も多いのでは?ということで今回は、パブの楽しみ方についてご紹介します。
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パブって何?
パブはオージーの「居酒屋」
仕事が終わってちょっと一杯、友達と集まって飲み会、どんなところへ行きますか?オーストラリア人だったら「パブ」と答えます。そう、オーストラリアの「パブ」は、日本の「居酒屋」に近い感覚です。
人々の集会所として、各街で発展してきたパブ
パブ(Pub)は、パブリックハウス(Public House)の略です。イギリスがオーストラリアに入植した当時、新しい街をつくる時にはまずパブを建て、そのパブを中心として街を広げていくことが多かったそうです。
ですから、パブはお酒を提供する場としてだけではなく、宿泊施設、レストラン、人々の集会所としての機能も持っていました。今でもオーストラリアにはどんな小さな街にもパブがあり、人々の社交場になっています。
パブの名前が「〜ホテル(Hotel)」や「〜タヴァン(Tavern)」という理由
「〜Hotel」と名乗るバブが多いのは、夜遅くにアルコール類を提供してはいけないという法律があった時代に、宿泊施設であれば、夜遅くまでアルコール類を出すことが許されていたためだ、と言われています。
「タヴァン(Tevern)」もアルコール類を提供する場を指す言葉ですが、ほとんどのタヴァンも宿泊施設を備えたものだったそうです。
パブの雰囲気は様々、年齢確認を求められる場合も
ひと言でパブと言っても、近所のおじさん達のたまり場的なローカルパブ、ファミリーフレンドリーなパブ、歴史を感じさせる重厚なパブ、すっごくオシャレなパブなど、いろいろです。お気に入りのパブを見つけましょう。
若い人が集まるパブでは(特に夜8時以降)入り口で止められ、年齢確認のためにIDを見せろと言われることがあるので、年齢を証明できるものを持っていきましょう。日本人はオーストラリアの人よりかなり若く見えるので、アラサーの人でもID提示を求められることがありますよ。
- 出典:commons.m.wikimedia.org西オーストラリアのKalgoorlieというところのヨークホテル。開業は1901年!Photo by Nachoman-au CC BY-SA 3.0 from Wikipedia Commons
- 出典:commons.m.wikimedia.orgシドニーのパディントンにあるインペリアルホテル。ここも100年以上の歴史を持ちます。Photo by Sardaka CC BY-SA 3.0 from Wikipedia Commons
ビールのサイズと各州での呼び方の違い
「スクーナー(Schooner)」が最もポピュラー
下の写真の右側のグラス(手が添えられているほう)のサイズを「スクーナー(Schooner)」と言います。量は425mlです。日本の「生中」ぐらいの感覚です。
ちょっと大きいのが「パイント(Pint)」
上の写真の左側にあるグラスのサイズが「パイント(Pint)」です。量は570ml、日本の「生大」よりは、かなり少な目です。メルボルンのあるビクトリア州やパースのある西オーストラリア州では「スクーナー」を扱うパブは少なく、扱いがあってもサイズが少し異なるようなので、この「パイント」を注文するといいかもしれません。
南オーストラリアのパブでは、各サイズの呼び方が違う
アデレードが州都の南オーストラリア州では、上記で紹介した「スクーナー(Schooner)」のことを「パイント(Pint)」、「パイント(Pint)」のことを「インペリアルパイント(Imperial Pint)」と呼び、それぞれ量も微妙に違うそうです。アデレードのパブに行ったら、「生中」は「パイント」、「生大」は「インペリアルパイント」で注文しましょう。
最小サイズの285mlグラスも州によって呼び方が様々
日本の小ジョッキぐらいのサイズは通常「ハーフパイント(Half Pint)」と呼び、容量は約285mlですが、これも州によって呼び方が異なります。それぞれの州での呼び方は以下の通りです。
- ポット(Pot): クイーンズランド州、ビクトリア州
- ミディ(Middy):ニューサウスウェルズ州(シドニー)、キャンベラ、西オーストラリア州
- ハンドル(Handl):ノーザンテリトリー(ダーウィン)
- テン(Ten):タスマニア州(ホバート)
パブでのビールの注文のしかた
バーカウンターで注文
一般的にパブの中には、お酒を注文するバーカウンター、食事を提供するビストロ、スロットマシーンや競馬などを行うギャンブルエリアなどがあります。
まずは、バーカウンターに直行しましょう。混んでいるときは、カウンターの前に人が群がっている時もありますが、自分より前にいた人の注文が終わったら、バーのスタッフに存在感をアピールして、気づいてもらいましょう。
- 出典:commons.wikimedia.orgphoto by Victor Dam CC BY-SA 3.0 from Wikipedia Commons
バースタッフと目があったら、飲みたいビールのビアサーバーを指差して、「Can I have (a Schooner of ) this beer, Please?」と言って注文します。サイズを言わずに「このビールください」とだけ言ったら、たぶんスクーナのグラスで出してくれると思います。
10ドル札を準備しておけば安心
ビールを受け取るとき、バースタッフに「〜ドル、Please」と言われますので、お金を渡します。いくらか聞き取れなかったら、10ドル札を出して、お釣りを受け取るといいですよ。オーストラリアにはチップの習慣はないので、お釣りは全部もらってください。
席を確保してゆっくりビールを飲もう
ビールを受け取ったら、ビール片手にパブ内をウロウロして空いている席に座って飲みましょう。スロットマシーンや競馬のコーナーに座って運を試すのもよし、もちろん立って飲んでもOKです。
食事をする際にはビストロ席の確保を
「ビールだけでなく、食事も一緒に」という人は、ビストロの席を確保して、メニューを手に入れましょう。ビストロの使い方は以前ご紹介したサーフクラブの記事を参考にしてください。
喫煙は屋外で
オーストラリアでは屋内は禁煙で、屋外に喫煙専用の場所があるので、タバコを吸う人は外にある喫煙席を探して座りましょう。灰皿があったり、タバコを吸っている人がいたりするので、すぐわかると思います。
最後に
オーストラリアのビールについては、「【オーストラリア】州別徹底比較!王道ビール8選」という記事でご紹介しています。いろいろ試して是非お気に入りのビールを見つけてください。
では、「チアーズ(Cheers)!=乾杯!」