オーストラリアを代表する食べ物は、オージービーフやラムのバーベキュー、パンに塗って食べる真っ黒な「ベジマイト」だけではありません。今回は「これぞオーストラリア人の国民食!」とも言えるミートパイをご紹介します。
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ミートパイとは
日本ではパイと言えばアップルパイのような甘いものを想像しますが、オーストラリアの「ミートパイ」は、パイ生地の中にいろいろなお肉や野菜をソースで煮込んだ具が入っています。
ランチとしてまたスナックとして、手軽に買って食べられるオーストラリアのソウルフード。日本人にとっての「コンビニのおにぎり」のような存在です。値段は5〜8ドル(400〜650円)ぐらい。
ミートパイはどこで買える?
ガソリンスタンド、競技場など人が集まる場所にある売店、週末に各地で行われるマーケット、街のコンビニで買うことができます。またスーパーの冷凍食品コーナーでもいろいろな種類のミートパイを売っています。
日本にも支店をもつ「Pie Face」、クイーンズランド州に数多くの支店がある「Beefy's」といったミートパイ専門のチェーン店もあります。
一番のおすすめは、街のパン屋さん(Bakary)です。ふつうミートパイはこんな風に保温用のショーケースに並べられています。
パイが看板商品というお店も多いので、街でパン屋さんを見かけたら、ぜひ覗いてみてください。
ミートパイの種類
基本のパイ
定番は牛肉をグレービーソース(牛肉を焼いたときに出る肉汁にブイヨンなどを加えたソース)で煮込んだものです。
店によって名前はいろいろですが、もし、Meat Pie(ミートパイ)とか Mince Pie(ミンスパイ)とあったら、写真のような牛のひき肉を煮込んだものが入っています。
Steak Pie(ステーキ パイ)というのも牛肉なのですが、この名前の場合、ひき肉というより、粗切りにした牛肉が入っていることが多いです。
基本のミートパイを基本にして、具や味を変えたパイ
上の牛肉に他の具を加えたり、ソースに香辛料を入れたものもあります。
- Chunky Steak(チャンキー ステーキ):ひき肉ではなく、角切りの牛肉が入ったもの。「Brisket(ブリスケット)」という名前の店もあります。
- Pepper Steak(ペッパーステーキ):グレービーに粗挽きの黒胡椒をたくさん入れたもの。
- Steak & Bacon(ステーキ&ベーコン)
- Steak & Mushroom(ステーキ&マッシュルーム)
- Steak & Kidney(ステーキ&キドニー):キドニーというのは腎臓のことで、牛や子羊の腎臓が入っています。オーストラリアというよりイギリスの伝統的なパイで、これが苦手なオーストラリア人もたくさんいます。
基本のミートパイとは違ったパイ
- Chicken(チキン):チキン、または野菜がメインのパイには、グラタンのようなホワイトソースや、ホワイトソースにチーズを加えたチーズソースが使われます。
- Corn Beef(コーンビーフ):オーストラリアのコーンビーフは日本の缶詰とは違い、塩漬けにした牛肉の塊を茹でたポトフのようなもので、ふつうチーズソースで和えてあります。
- Curry /Curried〜(カレー):カレーソースを使ったパイ。タイカレーや、インドカレー、まろやかなオージースタイルカレーなど、店によって使うカレーソースはそれぞれ違います。
オーストラリアならでは!のパイ
- Ned Kelly(ネッド・ケリー):オーストラリアでは知らない人がいない歴史上の人物「ネッド・ケリー」の名前を冠したパイ。店によって具はいろいろですが、パイの中に目玉焼きが入っているのが特徴です。
- Sausage Roll(ソーセージ ロール):パイと同じように人気なのが、このソーセージ ロール。ミートパイにはグレービーソースを使った具が入っていますが、こちらは汁気の少ない具をパイ生地で包んだものです。日本のソーセージとは違い、ハンバーグのような具が入っています。
パイのソース、トッピング
バーベキューソース、トマトソース
パイの具にはソースが使われていますが、ケチャップやバーベキューソースを加えて味変を楽しみましょう。
表面のパイ生地をおもむろにはぎ取り、それにケチャップやバーベキューソースをつけて食べてから、具と底の部分の生地を食べていくのがオージー流。
無料ではなく、使い切りサイズのものを注文するのが普通です(別料金ですが、20円ぐらい)。ケチャップはオーストラリアでは「トマトソース」というので、ケチャップを注文するときは「トマトソース、プリーズ」と言って注文しましょう。
具に使われているグレービーソースを別売りにしている店もあります。
Mushy Peas(マッシーピー)
Mushy Peas(マッシーピー)というのは乾燥したグリーンピースを重曹で戻して茹でたもので、炭酸せんべいのような風味をもったグリーンピースのソースです。
あらかじめパイの具として使い「Steak&Mushy Peas」というようにして売っている店もありますが、トッピングとして別売りにしている店が多いです。
「<自分の注文したいパイの名前>、アンド、ピー、プリーズ」と言って注文しましょう。
南オーストラリアのPie Floater(パイフローター)
南オーストラリアのアデレードなどの都市では、このMushy Peasをスープ状にして、そのスープにパイを浮かべて食べる「Pie Floater(パイフローター)」というのがあります。
- 出典:www.flickr.comPhoto by Craig Anderson, CC BY-SA 2.0
他の場所では食べることができないので、南オーストラリアに行くチャンスがあれば、是非試してみてください。
Mushy Peas(マッシーピー)のほか、Mushed Poteto(マッシュポテト)や、Hot Chips(ホット・チップス=フライド・ポテト)を置いている店もあるので、自分の腹具合と相談して注文しましょう。
パイを食べるなら!おすすめのお店
地元民が太鼓判を押すお店を2つご紹介します。どちらもパイ専門店ではなく、パン屋さん+カフェ的なお店なお店なので、パイ以外のメニューも楽しめますよ。
Meldrum's Bakery Cafe (メルドラムス・パイ)/ケアンズ
ケアンズ地元民なら知らない人はいないこの店、日本の旅番組でも取り上げられたこともあります。街のど真ん中にあるので、とっても便利です。
- メルドラムス・パイ
- ケアンズ / ミートパイ
- 住所:97 Grafton St, Cairns City QLD 4870 Australia地図で見る
- 電話:07-4000 9391
- Web:https://www.meldrumscairns.com.au
Buck's Bakery(バックスベーカリー)/サンシャインコースト
サンシャインコーストで一番と評判のこのお店は、Landsborough(ランズブロー)という田舎町にあります。
オーストラリア動物園やマレーニーなどの内陸部に行く途中にあるお店なので、そちら方面へ行くときに寄ってもいいですね。
- バックス ベーカリー
- オーストラリア / パン・サンドイッチ / パン屋 / ミートパイ
- 住所:26 Cribb St, Landsborough QLD 4550地図で見る
進化を続けるオーストラリアのパイ
パイ生地と具の組み合わせは千差万別!ということで上記でご紹介した以外にも、ラム肉、シーフードなどの具、チリコンカルネ、プルドポークなどのメキシカンな具、ピザ風の具、野菜にフェタチーズを加えたベジタリアン風の具など、紹介しきれないぐらいの種類があります。いろいろ試して自分好みのミートパイを見つけてください。