東京駅から車を使って約1時間でアクセス可能な茨城県境町(さかいまち)。町内には、世界的に有名な建築家・隈研吾(くまけんご)氏の建築物が自治体最多となる6棟あります。建築物にはそれぞれ異なったコンセプトがあり、サンドイッチ店、カフェ、美術館、研究開発施設、レストラン、資料館、として使われています。この記事では6つのスポットを巡りつつ、境町観光を楽しめるプランをご紹介しています!
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境町ってどんなところ?
東京駅から1時間で行ける
境町は、埼玉県と千葉県に隣接する町で、利根川と江戸川の分岐点に位置しています。かつてはこの水運を活かした「河岸(かし)のまち」として、人や物が交流し栄えました。圏央道の境古河ICを利用すれば、東京駅まで約1時間という好立地です。
2019年にはふるさと納税の寄付受入件数が全国16位と大人気で、県内一と言われています。米や豚肉など多様な農畜産物が揃いますが、なかでも「さしま茶」は名物と言っていいでしょう。日本から初めて海外輸出されたお茶として有名です。
スローガンは「自然と近未来が体験できるまち」
エネルギッシュな境町を牽引するのは橋本町長です。町長が掲げるスローガンは「自然と近未来が体験できるまち」で、実際に境町を旅すると、そのスローガンに向けて着実に進んでいることが伺えます。
例えばスローガンにある「自然」については、地産地消の取り組みを至るスポットで感じられ、食の豊かさを体感できます。「近未来」については、自治体初となる自動運転バスの定常運行や、今回ご紹介する世界的な建築家・隈研吾氏設計による建物が6棟あることが表しているでしょう。
隈研吾氏ってどんな人?
世界的な建築家
隈研吾(くまけんご)氏とは、高輪ゲートウェイ駅をはじめ、話題となるさまざまな建築物を手掛ける建築家です。これまで20カ国以上の国々で建築を設計し、国内外で多数の賞を受けています。
その土地の環境や文化に溶け込む建築を目指し、コンクリートや鉄に変わる素材の探求を通じて、工業化社会後の建築の在り方を模索しているのだとか。特に木材を使った「和」の建築物に定評があるそうです。
境町との関わり
隈研吾氏は境町の橋本町長と交流があるそうで、町内には隈氏設計の建物が6棟も点在しています(2021年7月現在)。サンドイッチ店、カフェ、レストラン、美術館など使われ方は様々で、建築物を見て楽しむだけでなく、一般的な観光スポットとしても人気です。
町内に散らばる6つのスポットを全て巡ると、境町オリジナルグッズがもらえるスタンプラリーも随時開催中です(2021年7月現在)。筆者が参加した際のグッズは、ポストカードセットでした。スポット同士は近くに位置していますので、ぜひ気軽に参加してみては。
それではさっそく以下より、境町にて隈研吾氏が手がけた6つのスポットをご紹介していきます!
【1】さかいサンド(道の駅さかい内)
「境町のおいしいものを丸ごとサンド」をコンセプトにした、具沢山系のサンドイッチ店です。人気のためオープン前から行列します。店外や店内には、格子状に組まれた木材があちこちに。初めて見るユニークなデザインに注目です。
サンドイッチの材料は、とことん地元産にこだわっています。例えばパンの原料となる小麦粉には、境町産の「ゆめかおり」を使用。サンドされる野菜も地元で採れたもの。ふわふわのパンに、ぎっしり詰まったサンドイッチが絶品です。
メニューはお食事系からデザート系まであります。またタルトも購入可能です。注文した「さかいのお野菜たっぷりサンド(432円)」の断面にはあふれんばかりのお野菜が。ボリュームたっぷりです。
さかいサンドの店舗は、「道の駅さかい」の敷地内にあります。直売所も併設されていますので、ここで各種お土産もゲットできます。おすすめは、境町の地ビール「さかい河岸ブルワリー」のビール(550円~/本)。さしま茶の香りが楽しめる、珍しい商品もあります。
- さかいサンド
- 茨城 / パン・サンドイッチ
- 住所:茨城県猿島郡境町1341-1地図で見る
- 電話:0280-81-3101
- Web:https://www.sakaimachi.co.jp/michinoeki/sand/
- 道の駅さかい
- 茨城 / 道の駅・サービスエリア / おみやげ屋 / レンタサイクル / 納豆
- 住所:茨城県猿島郡境町1341番地1地図で見る
- 電話:0280-87-5011
- Web:http://www.town.sakai.ibaraki.jp/page/page000596.h...
【2】HOSHIIMONO 100 Café
読み方は「ホシイモノヒャッカフェ」。地元産の干し芋と、干し芋を使ったスイーツやドリンクが楽しめる「干し芋カフェ」です。本記事でご紹介中の6つのスポットのうち最も新しく、2021年5月末にオープンしました。
杉の木をふんだんに取り入れ、イモの繊維を表現したデザインの建築なのだとか。確かに外観をよく見ると、細長い木材が豊富に使われていますね。店内は、木のナチュラルカラーと白でまとまった配色です。でこぼこした立体的な空間となっています。
「HOSHIIMOミルク(650円)」は砂糖不使用とのことで、干し芋の優しい甘さとトロトロとした滑らかな飲み心地が魅力です。ハンドドリップコーヒー(550円~)もあります。各種ドリンクには一口サイズの干し芋が付いてきました。
お土産にぴったりな干し芋ですが、実は品種がたくさんあります(紅はるか、シルクスイート、玉豊、など)。もし迷われたら「玉豊(たまゆたか)」にチャレンジしてみては(540円/120g)。近年生産者が減ってしまい手に入りにくくなった、昔ながらの歯ごたえある貴重な品種です。
- HOSHIIMONO 100 Café
- 茨城 / カフェ・喫茶店
- 住所:茨城県猿島郡境町坂花町1459-1地図で見る
- 電話:0280-33-3118
- Web:https://www.hoshiimono100ka.com/
【3】S-Gallery 粛粲寶美術館
「孤高の画家」と呼ばれた、粛粲寶(しゅくさんぽう)の絵画作品が展示された美術館です。このスポットは、芸術に触れられる文化振興の拠点、地域活性化を目的として設立され、2020年8月に開館しました。
建物には木材を多用し、白色を基調としていることから、柔らかな空間を堪能できます。細長い設計のおかげで、美術作品の見学がスムーズに行えます。窓も多く、明るく清潔感たっぷりの館内です。
粛粲寶(しゅくさんぽう)は新潟県出身ですが、晩年を境町で過ごし91歳で生涯を終えました。彼の絵画は、おおらかで文人画調の独特の画風を構築したことで高い人気を集めました。確かに絵を見ていると、文字が添えられていることが多く、何かしらのメッセージを伝えていることが分かります。
館内の展示品は写真撮影不可となっています(建築物の様子など、絵が写らない範囲であれば撮影可能)。館内では、トートバッグやTシャツなど、オリジナルグッズの販売も行っています。
- S-Gallery 粛粲寶美術館
- 茨城 / 美術館
- 住所:茨城県猿島郡境町坂花町1455-1地図で見る
- 電話:0280-23-4148
- Web:https://www.instagram.com/s.gallery_shukusanpo/