アイルランドのアートやクラフトの人気デザイナー・工房が多く散在する中部・キルケニー州。キルケニー市より程近い小さな村・ベネッツブリッジ(Bennettsbridge)にはアイルランドの人気陶器メーカー「ニコラス・モス(Nicholas Mosse)」の工房兼ファクトリーショップがあります。創業者のニコラス・モスは日本の山口県萩市で修行をし、アイルランドで陶器メーカーを作り上げました。日本の焼き物風の雰囲気の漂う陶器をご紹介します。
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お土産にもぴったり!ニコラス・モスとは?
ニコラス・モスは1976年に創業したアイルランドの人気陶器メーカーです。創業者のニコラス・モスはイングランドと日本(山口県萩市)で修業をし、アイルランドののどかな田舎にある小さな村に工房をつくりました。
18世紀から伝わるスポンジの判子で絵付けをする製作法で、現在でも一つひとつ手作業で絵付けが行なわれています。モチーフは、アイルランドの草花や動物たちが描かれており、はっきりとした模様と色使いが特徴的です。40年という比較的「新しい」陶器メーカーには今も新しいものを世に出すというカルチャーがあります。
現在の経営者のニック・モスさんの妻でアメリカ人のスーザンさんは園芸アーティストであり、工房周辺に咲いている草花をスケッチして新パターンを生み出しています。そうして伝統を守りながら毎年新しい図柄やキッチン用品等が発表され、年ごとに商品のラインナップも広がりを見せています。
川のほとりにある工房
羊や牛が緑の芝生に放し飼いにされ、川のほとりにたつ工房の建物内では窯や実際に作業をする人や工程全体を収めたビデオを見ることもできます。
ニコラス・モスの製品は、ベネッツブリッジ周辺で取れる土を数種類混ぜて陶器の原型が形作られています。成形や泥漿(でいしよう) 《陶土にうわぐすりを混ぜて水で溶いたものにつけること》、絵付け、数段階の焼成を含めて20工程もの製作段階があるようです。
仕上がりは日本の湯飲み茶碗のような赤土のどっしりとした製品となります。スポンジを使って手作業で絵付けがされているため1つとして同じものはなく、温かみのある仕上がりとなります。
ヴィンテージものもあるファクトリーショップで宝探し
街のお店では流通しない二級品を買い求められるのもファクトリーショップならでは。今やアイルランド全国各地の雑貨屋やお土産屋でよく見かけるニコラス・モスの商品。街の店頭で見るマグや皿、ミルクピッチャーだけでなくこちらのファクトリーショップでは写真立てや大皿、それにテキスタイルといった珍しい掘り出し物にも出会うことができます。
ファクトリーショップの一角には小さなカフェスペースもあり、買い物をしながら一息つくこともできます。
日本でも見つかる!
日本国内にも正規輸入店として登録されている小売り店舗がオンラインショッピングを中心に何軒かあるようです。食器洗い機や電子レンジにも対応していて使いやすいです。
また、温かみのある赤土色の器と、はっきりとしていてでも主張しすぎることのない模様が不思議と日本の食卓にもよく合います。やはりニコラス・モスが日本で修行をしたことで日本的要素が内包されているのかも知れません。食卓のアクセントにぜひ1つでもニコラス・モスの陶器を使ってみてください。
- ニコラス・モス
- アイルランド / 雑貨・インテリア
- 住所:Nicholas Mosse Bennettsbridge, Kilkenny, Co. Kilkenny, Ireland地図で見る
- 電話:+353 56 7727505
- Web:http://nicholasmosse.com/