石垣島含め、八重山諸島でよく見かけるのは【八重山そば】。こちらの八重山そばが美味しく食べられる人気店が、石垣市街にある【来夏世(くなつゆ)】さんです。ゆったりとした時間が流れる空間、沖縄そばとの違いや、名前の由来などもご紹介いたします!
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「八重山」とは?
「八重山ってどこにあるの?」という言葉をたまに耳にしますが、実際にある「山」のことではないんです。「石垣島」から南西にある、日本の小さな島を総称して「八重山諸島」や「八重山列島」と言い、この島々の文化や食などを表現するときに略して「八重山」と呼ぶんですね。
よく聞く島であれば「石垣島」、「西表島」、「与那国島」、「波照間島」、また、たびたび国際ニュースで問題になる「尖閣諸島」も八重山諸島の1つです。MAPを見れば一目瞭然ですが、八重山諸島は、台湾のすぐ隣。沖縄本島よりも台湾の方が近いんです。
歴史的に見ても、日本でもなく、台湾でもなく、中国でもない独自な文化を持っています。現代では「八重山 = やえやま」と標準語で表記しますが、地元では「ヤイマ」、沖縄方言では「エーマ」、与那国島では「ダーマ」などなど色んな発音があるのも面白いです。
また歓迎の言葉も「めんそ〜れ」ではなく「お〜りと〜り」。八重山諸島ならではの方言もいっぱいあります。
そんな八重山諸島には、独自の食文化もあり、その1つが今回ご紹介する【八重山そば】です。
「沖縄そば」と「八重山そば」の違い
沖縄で「そば」と言えば 小麦粉100%! 蕎麦粉を使用する「蕎麦」とは違うのが、沖縄ならではの「そば」ですね。
沖縄本島や宮古島で食べられている所謂「沖縄そば」は、「ソーキそば」や「てびちそば」など色々ありますが、八重山諸島で食べられている「八重山そば」は、これまたちょっと違うんです。
主な違いは麺。「沖縄そば」は平べったかったり縮れていたり、そして太いのですが、「八重山そば」は丸くて細め。縮れ麺ではなくストレートです。
では、もっと八重山そばの魅力について、筆者オススメの八重山そば専門店とともにご紹介します。
石垣島でオススメ!【八重山そば処 来夏世】
南ぬ島石垣空港や離島ターミナルからも近い石垣市街にある、八重山そばが美味しいと評判のお店が【八重山そば処 来夏世】です。
石垣市街とは言え、小学校が目の前という住宅街のど真ん中。外観も派手な看板はなく、周囲が青々と茂った木で囲まれているので、「お店」と気づかずに通り過ぎてしまうような雰囲気なのですが、ここの「八重山そば」が絶品なのです。
【来夏世 くなつゆ】の意味
正直、筆者は最初は読めませんでした、「来夏世」。この「来たる夏の世」と書いて「くなつゆ」という言葉は、地元ならではの発音としては「くなちぃゆー」。
その意味は、「次に来る夏も豊作であれ」と言う、島人たちの願いや祈りが込められている、昔から石垣島では馴染み深い言葉なんだそう。
時が止まったかのような空間
人気店と聞いて到着したものの、なんとも言えない、まったりとした空間。これぞ「島時間」と言うんでしょうか。
パッと見は一軒家。古民家を改築したのかな?と思います。オープンに開かれた入口の雰囲気も「お〜りと〜り」と言われているかのような感じ。
駐車場につながっている中庭にもテーブル席があり、この木陰で食べるのもまた良さそうです。
店内は、カウンター席、テーブル席、小上がりとありますが、全体的な席数は少ない…それがまた、良いんです。フロアで接客してくれるスタッフさんは3〜4人かいますが、 “地元のお母さん” という、垢抜けていない素朴な方ばかり。なんだか癒されます。
筆者が座った小上がりの席からは、外のテーブル席が。子供達がきゃっきゃ♪と楽しそうにしています。
シンプルなメニュー
「八重山そば処」なので、メニューはいたってシンプル!
八重山そばセット 650円(中サイズ)+ じゅーしー or 赤米
以上!
単品で、じゅーしー(200円)や、赤米(200円)、大根の漬物(250円)もありますが、あくまで付け合わせ的なもののみです。
ちなみに、「じゅーしー」も沖縄ならではの料理。豚のだし汁を使った炊き込みご飯や雑炊のことですが、「来夏世」さんのじゅーしー はパラパラっとした食感の炊き込みご飯です。早い時間に売り切れちゃうくらい人気らしいですよ〜。