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【5】ひっつみ
旧南部藩の領地だった青森県南東部から岩手県北中部にかけて伝わる郷土料理。水でこねた小麦粉の生地を手で薄く延ばしながらちぎり、鶏肉、ごぼう、にんじん、きのこなどが入った醤油ベースの汁に加えて煮込む、具だくさんの汁物です。「手で引きちぎる」ことを岩手の方言で、「ひっつむ」と言うことから「ひっつみ」と名付けられました。
すいとんと近い味わいですが、ひっつみは生地をうすーく引き伸ばしていることもあって、幅広い麺のような滑らかさとモチモチした食感の両方が堪能できます。お店の味というよりは、家庭で作って食べられることがほとんどで、地域によって具材なども変化します。
ひっつみのおすすめ店:神子田朝市
「盛岡の台所」として親しまれている神子田(みこた)朝市。地元産の新鮮な野菜や果物などがメインですが、お惣菜や和菓子の販売があったり、コーヒーやラーメンなどの軽食も味わうことができます。中でも、地元で高い人気を誇るのがひっつみの出店。油揚げやニンジン、ゴボウを具に、品の良い煮干し出汁が効いた癒される味わいで、早朝にぴったりです。
朝市は毎朝5時からスタートし、年間300日以上も営業しているため比較的立ち寄りやすいですが、8時過ぎくらいで閉めるお店も多いため、とにかく早めに行くことが肝心。ぜひ早起きして、盛岡ならではの一杯を味わってみてください。
- 神子田朝市
- 盛岡 / 市場・朝市 / 穴場観光スポット
- 住所:岩手県盛岡市神子田町20-3地図で見る
- 電話:019-652-1721
- Web:http://www.morioka.jp/mikoda/
【6】瓶ドン
一度聞いたら忘れないネーミングのこの食べ物は、宮古市オリジナルの体験型ご当地グルメです。獲れたてのウニを海水と一緒に牛乳瓶に入れて販売する、という以前からある瓶詰めスタイルをヒントに、刺身を入れたバージョンとして生み出されたもの。宮古市内の10の飲食店で、メニューとして登場しています。
店ごとに具は違いますが、基本的には、具が詰められた瓶とご飯が盛られた丼がセットで提供されます。その瓶を開けてごはんの上に具をドン!と盛ると、海鮮丼の完成!同じ瓶ドンでもお店によって具が違うので、食べ比べも楽しいはず。宮古市を訪れたら必ず食べたいご当地グルメです。
瓶ドンのおすすめ店①:おかめ
- 出典:tripnote.jp
- 出典:tripnote.jpここでは税込¥1,296。店により異なります。
宮古駅からも徒歩5分ほどと、中心部に位置する割烹店です。おかめの瓶ドンには、ホタテ、タコ、まぐろ、カンパチなどその時の旬の魚介のほか、龍泉洞たまごが入っているのが特徴で、濃厚な味わいが楽しめます。瓶ドン以外にも、海鮮丼や刺身定食などもあり、地元の新鮮な魚介を堪能できます。
瓶ドンのおすすめ店②:浄土ヶ浜レストハウス
- 出典:tripnote.jpトラウトサーモン瓶ドン(税込1,500円)
浄土ヶ浜の目の前にある商業施設「浄土ヶ浜レストハウス」。その1階にある食事処「浜処 うみねこ亭」では、三陸の海の幸を使った料理や浄土ヶ浜にちなんだオリジナルの料理を提供しています。
こちらで味わえるのは、宮古産のトラウトサーモンを使用した「トラウトサーモン瓶ドン」。名産のめかぶもたっぷり入っています。最初は海鮮丼として味わいつつ、ご飯が半分程度になったところでお茶漬けにすることも可能。特製の醤油タレと絡み合って絶品です。
- 浄土ヶ浜レストハウス
- 宮古市 / 定食・食堂 / ご当地グルメ・名物料理 / ランチ
- 住所:岩手県宮古市日立浜町32地図で見る
- 電話:0193-62-1179
- Web:https://jyodogahama.jp/
瓶ドンのおすすめ店③:山口屋
- 出典:tripnote.jp
宮古市の飲食店で提供している瓶ドンですが、盛岡駅ビルのフェザンではお土産として購入することもできます。1階にある「三陸海産暖簾 山口屋」では、めかぶやホタテ、いくらがぎっしり入った「海鮮ミルフィーユ」(1本・税込1,620円)と、鮭とイクラの醤油漬けがたっぷり入った「鮭といくらの紅葉漬け」(1本・1,728円)の2種類を販売。贅沢な瓶ドンをお土産にして、自宅で楽しんでみては?
- 瓶ドン「浜ノ宝」(三陸海産暖簾 山口屋)
- 盛岡 / お土産
- 住所:岩手県盛岡市盛岡駅前通1番44号 フェザンおでんせ館1階 三陸海産暖簾 山口屋地図で見る
- Web:http://www.fesan-jp.com/fesan/news/2020/06/16/1051...
【7】磯ラーメン
岩手県三陸沿岸地方の飲食店で提供されているご当地ラーメン。鰹節や昆布といった和風出汁をベースとした塩味のスープに、三陸の名産であるワカメやマツモなどの海藻と魚介類がふんだんに盛り付けられた、その名の通り、磯の恵みが詰まった一杯です。
三陸沿岸沿いの食堂や道の駅には、必ずと言っていいほどあるメニューなので、ドライブ途中などにぜひ味わってみてください。
磯ラーメンのおすすめ店:北山崎白花しゃくなげ荘
三陸の景勝地・北山崎にある、民宿に併設した食堂「白花しゃくなげ荘」。こちらの磯ラーメンは、さっぱりとした塩味のスープに細い麺が相性抜群!名産のワカメやメカブに加え、ホタテやエビも贅沢にトッピングされていて、磯の香りをたっぷり感じられる仕立てとなっています。
- 北山崎白花しゃくなげ荘
- 田野畑村(下閉伊郡) / 魚介・海鮮料理 / ご当地グルメ・名物料理 / うに
- 住所:岩手県下閉伊郡田野畑村北山129−7地図で見る
- Web:http://a92.pandora.nu/kitayamazaki/shyakunage.html
【8】釜石ラーメン
沿岸南部・釜石市のご当地ラーメンで、極細の縮れ麺と琥珀色の透き通った醤油スープが特徴。市内の中華料理店や食堂など、33店舗で提供しています。味わいやトッピングなどは各店舗ごとに違いがあり、食べ比べをするのも楽しいです。
釜石ラーメンのおすすめ店:三重食堂
- 出典:tripnote.jpミニ豚丼セット 580円(税込)
釜石市内中心部から少し外れた場所にある三重食堂は、味良し・コスパ良しの昔ながらの雰囲気が漂う食堂。麺類はもちろん、定食やカレーなどもいただく事ができます。こちらの釜石ラーメンはシンプルながら、透き通ったスープの美味しさが際立ちます。ラーメンとご飯もののセットメニューも多く、ボリューム満点なのも嬉しいです。
【9】もち膳
岩手県南部・一関地方に根づく「もち食」は、江戸時代にまでさかのぼることができる伝統と歴史ある食文化です。もち膳は、その代表格とも言える料理で、さまざまな味付けをしたもち料理を、一口ずつお膳にずらっと並べたもの。お正月や冠婚葬祭などのあらたまった席で提供される、もてなし料理の一つとされています。
もちの味付けは、あんこ、ごま、きなこ、くるみ、大根おろし、しょうが、沼エビなど、そのバリエーションは300種類以上とも言われています。現在では、一関市内の和食店などを中心に、各店で工夫を凝らしたもち膳を味わうことができます。
【10】いちご煮
名前から想像すると「苺」を煮たものかと勘違いしやすいですが、「いちご煮」はウニとアワビの切り身をあっさりした塩味で仕立てた贅沢なお吸い物です。ウニの身を汁に入れると野いちごのように丸くなることから、この名が付けられました。青森県南から岩手県北にかけての沿岸に伝わる郷土料理で、もともとは漁師の浜料理だったとも言われています。
県北沿岸部の食堂や道の駅で味わうことができるほか、土産物店では缶詰やレトルトも販売されているので、お土産にもオススメです。
【11】まめぶ汁
- 出典:tripnote.jp
NHK連続テレビ小説『あまちゃん』に登場したことで、一躍有名になった久慈市山形町の郷土料理。昔は冠婚葬祭の際に提供されるご馳走という位置付けでしたが、現在では一年を通して家庭で食べられています。
「まめぶ」は、小麦粉を練って丸めた2〜3センチ大くらいのお団子のことで、中には黒糖とくるみが入ります。「まめぶ汁」は、煮干しと昆布で出汁を取った醤油ベースの汁に、人参、ごぼう、キノコ類、油揚げや豆腐と、この「まめぶ」を入れたものになります。しょっぱい汁物の中に、甘い黒糖入りのお団子が入っているということで、ほかにはないちょっと不思議な味わいです。
久慈市内の飲食店や道の駅などで食べることができるほか、産直や道の駅の売店では冷凍の手作りまめぶやレトルトも販売されています。
【12】新巻鮭
- 出典:tripnote.jp
秋鮭の水揚げ量が本州一を誇る岩手。鮭漁がピークの初冬になると、魚屋などの軒先に保存用に加工した「新巻鮭」がずらりと吊るされる様子は、岩手の風物詩となっています。
新巻鮭は日本各地で食べられているものですが、岩手沿岸の大槌町がその発祥の地とも言われています。沿岸で獲れた新鮮な鮭を塩に漬けて保存し、冬の冷たい潮風にさらす「寒風干し」をすることで、旨味がじっくりと凝縮され、最高のご飯のお供に。新巻鮭は11月から1月くらいまでの期間、沿岸はもちろん岩手県内の鮮魚店、道の駅などで購入できます。
【13】豆腐田楽
田楽といえば豆腐田楽をさすほど、岩手では馴染みのある食べ物。手作りした固めの豆腐を串に刺し、炭火で表面を焼きながらニンニク入りの味噌をつけて、さらに香ばしく焼き上げています。岩手県全域の道の駅や産直をはじめ、県北の沿岸などでは専門店による販売もあります。また、朝市や屋外イベントなどでは必ずと言っていいほど出店がありますので、ぜひ味わってみてください。
【14】南部せんべい
岩手県盛岡市と青森県八戸市でよく食べられている、シンプルなお煎餅。一般的におせんべいといえばうるち米が原料ですが、この南部せんべいは小麦粉が原料で、それを水で練って円形の鉄板に入れ堅く焼き上げたものです。表面にはゴマやピーナッツなどがまぶされていますが、生地自体はごく薄い塩味のみの淡白な味わいが特徴。個包装されたものもあり、ばらまき用のお土産にも人気です。
南部せんべいのおすすめ店:巖手屋 フェザン盛岡店
- 出典:tripnote.jp
南部せんべいの専門店「巖手屋(いわてや)」は、盛岡駅ビルのフェザンに店舗が入っています。黒ごまや落花生などの定番の南部せんべいが人気ですが、チョコと南部せんべいを組み合わせた「チョコ南部」もおすすめ。落花生のせんべいをクラッシュしたものにチョコレートをコーティングしたクランチで、サクサクとした食感とチョコの甘さの組み合わせが絶妙です。
- 南部せんべい乃 巖手屋 フェザン盛岡店
- 盛岡 / せんべい
- 住所:岩手県盛岡市盛岡駅前通1番44号 フェザンおでんせ館1階地図で見る
- 電話:019-654-7160
- Web:https://www.iwateya.co.jp/
【15】けいらん
民話の里として知られる遠野地方に昔から伝わる甘味。お椀の白湯に餡の入ったお団子が浮かんでおり、そのお団子の形が鶏の卵に似ていることから「けいらん」と呼ばれるようになりました。
岩手では、ちょっと小腹が空いたときに食べるおやつのことを「こびる(小昼)」と呼びますが、けいらんも遠野の代表的なこびるのひとつです。遠野市内にある菓子店や観光施設などで提供しているほか、冷凍のお土産品なども販売しています。
【16】豆すっとぎ(豆しとぎ)
豆すっとぎ(豆しとぎ)は、青豆と米粉を使った岩手県沿岸に伝わるお菓子。かつては、秋の収穫の後や山の神様のお祭りの際に、感謝の意味を込めて作りお供えするものでした。現在では各家庭で日常的に作られているほか、道の駅などのお惣菜コーナーなどで販売されています。豆のような餅のような、なんとも素朴な味わいが魅力です。
【17】がんづき
雁(がん)の肉に似ていることからその名がついたといわれる「がんづき」。小麦粉、ベーキングパウダー、黒砂糖、水だけでつくるシンプルな蒸しパンで、生地の表面にはクルミやエゴマなどがトッピングされます。ふんわりしつつもモチッとした食感と、黒糖の優しい甘さがくせになる味わいで、岩手の人には欠かせない郷土菓子です。岩手県全域の道の駅や産直、スーパーなどでも購入できます。
【18】お茶もち
盛岡を中心としたエリアで、よく食べられている串だんご。うるち米の米粉を使用した平たいお餅に、クルミを擦って作る「クルミ醤油」を塗って焼いています。その丸く平たい形状から「うちわ餅」と呼ばれていたのですが、それが訛っていつの間にか「お茶もち」という呼び方になったそう。「がんづき」と同様に、岩手の人には欠かせない定番のお茶うけとなっています。
盛岡市、花巻市、北上市周辺で、団子屋さんや産直などでの販売が多いです。ただし、日持ちがしませんのでお土産に持ち帰るというよりは、買ってすぐに食べるのが良いでしょう。