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駅そばファンの聖地、JR我孫子駅「弥生軒」
千葉県我孫子市は、千葉県北西部に位置し、利根川と手賀沼に挟まれた水豊かな東京のベッドタウンです。同市の中核となるJR我孫子駅を一躍有名にしたのが、同駅で駅そばを展開する「弥生軒」の「唐揚げそば」。B級グルメブームの只中、様々なメディアに取り上げられ、今や駅そばの代表格として挙げられます。
店舗は1・2番ホーム柏方の6号店と、同取手方の8号店、4・5番ホームの5号店の3店舗。もちろん、どこの店舗にも「唐揚げそば」がラインナップされています。
まず、店内で食券を購入し、カウンター越しから、オーダーします。店頭のおばちゃんが優しくオーダーを聞いてくれます。店舗はいつも混み合っていますが、冷静に空いているスペースを探しましょう。中には丼を持って、外で食べている人もいますが、この行為は原則NGです。
JR我孫子駅名物、「唐揚げそば」
その巨大な唐揚げを見れば、誰もが驚くこと間違いありません。まるで、唐揚げが主役でそばは脇役のようです。唐揚げ、ひとつ入りのそばが410円。2つ入りでも540円という安さです。唐揚げの鶏はもも肉。
柔らかでジューシーな唐揚げの肉汁がそばつゆに溶けていきます。「弥生軒」のそばはつゆが濃い目でやや粗めのかえし。その相性はよくて、箸が止まりません。なお、「弥生軒」ではお弁当なども製造・販売しており、放浪の天才画家、山下清画伯がかつて勤めたことのある会社としても有名です。
常磐線で上野へ
常磐線は東京から宮城県まで結ぶ、営業キロ351kmに及ぶJR最長の路線です。現在は上野・東京ラインの開業で、常磐線はJR品川駅まで乗り入れとなりました。
JR我孫子駅からJR上野駅まで車窓の見どころは川。まずは江戸川を渡り、東京都に戻ってくると、中川、荒川、隅田川の順に相次いで川を渡ります。西日を受けながら見える川沿いの風景は少し寂しく水面を照らします。
常磐線も総武線と同様、各駅停車と快速線がありますが、前者が通勤スタイルのクロスシートであるのに対し、後者はボックスシートがあり、快速電車はいっそう旅情をかきたててくれます。
かつて、東北方面に向かう玄関口であったJR上野駅を降りると、非日常的な旅をしてきた満足感に満たされます。
本格そばを楽しめるJR上野駅「国産二八蕎麦 蕎香(きょうか)」
JR上野駅にはいくつもの駅そばがあります。7・8番ホーム、11・12番ホームにある「爽亭」。9・10番ホームにある「大江戸そば」。いずれも立ち食いスタイルのオーソドックスな駅そばです。両者とも、安くておいしい駅そばですが、実はJR上野駅には、本格そばを楽しめる駅そばがあります。
構内にある商業施設「エキュート上野」にテナントするそば屋さんで、おしゃれな雰囲気を醸し出しています。お店の外に食券の券売機があり、ここで食券を購入し、店内に入ります。
「駅そば」の基本はセルフの立ち食いですが、「蕎香」は店員さんがサービスを提供してくれるとともに、全席座席が用意されています。やや暗がりの照明と和のインテリアが落ち着いた雰囲気を演出します。お冷やは、水ではなく、冷たい緑茶というのも嬉しいです。女性のお客が多いのもうなづけます。
本格そばを味わえる「蕎香」の「国産二八蕎麦」
「蕎香」のそばは国産のそば粉を使用した本格そば。しかも上野駅構内にある製麺所で打っている手打ちそばです。二八とはうどん粉2:そば粉8のそば比率のこと、「駅そば」とは思えないこだわりようです。そばは細打ちの挽きぐるみ。おすすめは「国産 二八蕎麦」です。そばの強い腰と喉越し、香りを僅か550円で楽しめます。そばつゆはじっくりと寝かせたどっしり系、そばとの相性は抜群です。これはもう「駅そば」とはいえないクオリティです。
- エキュート上野
- 浅草・上野・谷根千 / ショッピングモール・デパート
- 住所:東京都台東区上野7-1-1地図で見る
- 電話:03-5826-5600
- Web:http://www.ecute.jp/ueno/
JR上野駅でゴール
「蕎香」にて絶品のそばをいただいた後、JR上野駅にて下車しました。JR御徒町からJR上野駅を約4時間で巡る大回り乗車。たった140円の鉄道旅と絶品の駅そばはいかがですか。