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二子山
甘酒茶屋の裏にある街道に戻り、再び歩き始めます。甘酒のエネルギーがほどよく体に染みわたる感じで、街道歩きの休憩に本当にちょうどいいですね。
10分ほど山道を歩くと、また舗装路を交差します。
道路を渡ると、箱根旧街道の立て札が。元箱根まで1,200mの距離まで来ました。ここから40分ほどで芦ノ湖です。
今までよりも広くがっしりした石畳を歩いていきます。途中右側に二つの山をかたどった石碑があります。
この石碑は、この奥にある「二子山」をもしたもの。箱根は火山活動が活発な土地で、二子山は箱根の火山活動の一番最後にできた山です。
二子山の石碑からまたしばらく舗装路と石畳の交差が続きます。
芦ノ湖
いよいよ石畳の旧街道歩きも終わりに近づいてきました。右手に街並みが見下ろせるようなったら、あと少しで芦ノ湖です。
たっぷりとした水をたたえた湖が見えてきました。空と水面が同じように青くてまるで鏡のようです。
箱根旧街道(石畳)コースでは、この後さらに箱根関所跡まで歩きますが、ここでまたズルをして船に乗っちゃいましょう。
箱根の湖、芦ノ湖といえば「海賊船」が有名です。なんで海賊船?と不思議な感じがしますが、前回の東京オリンピックが開催された1960年代は、日本は急激にレジャー意識が芽生えた時代でした。それに呼応するように、日本各地で斬新なアイデアを観光産業に取り入れた時代でもありました。
箱根の観光船も、この時世に乗るような斬新なアイデアを探すために、米国ディズニーランドを視察し、この海賊船を就航するに至ったそう。その人気は子供たちから、現在では外国人観光客と幅広く、「箱根といえば海賊船」というふうに定着しています。
特に、船の上から見る富士山が大人気。九頭龍神社の赤い鳥居と富士山を同時に見ることができます。すごく日本的な景色で、外国人観光客に人気なのもうなずけますよね。箱根の海賊船は、芦ノ湖の3つの港(箱根町港、元箱根港、桃源台港)を結んでいます。この景色は、元箱根港から桃源台港の間で見ることができます。
- 箱根海賊船
- 箱根 / クルーズ / 絶景
- 住所:神奈川県足柄下郡箱根町箱根161(箱根町港)地図で見る
- 電話:0460-83-7722
- Web:http://www.hakone-kankosen.co.jp/
箱根関所
さて、箱根関所は箱根町港にあります。元箱根港→桃源台港(25分)、桃源台港で船を乗り換え、桃源台港→箱根町港(25分)とゆっくりと芦ノ湖の景色を堪能した工程で、箱根関所へ。箱根関所は箱根町港から歩いて5分程度のところにあります。
関所は、往来する人々や荷物の検査をする場所でした。江戸時代では特に、諸国の争いを抑えるために、大名の妻が人質として江戸に集められていましたが、その女性たちが逃げ出すのを防止するためと、鉄砲の持ち込みを取り締まっていました。
関所を通過するためには、通行許可証を発行してもらう必要がありましたが、この許可証を持たず関所を越えようとした人には、非常に厳しい処罰が与えられていました。
箱根関所には資料館があり、この厳しい処罰のお話が紹介されています。江戸のおじさんの家で働いていた「お玉」という女の子は、ホームシックにかかり実家に帰ろうとします。実家の伊豆に行くには、箱根の関所を越えないといけません。しかし通行証を持っていなかったお玉は、関所の近くの山を越えようと思いましたが、その途中で見つかってしまいます。
関所破りはとても重い罪で、その罰は死罪でした。お玉は捕まってから2か月間、暗い牢屋で過ごした後、処刑されてしまいます。箱根にはこのお玉にまつわる地名がいくつかあって、お玉が捕まったとされる坂、お玉の首を洗った池と、「お玉xx」がいくつかあります。
箱根関所で悲しい死を遂げたお玉ですが、現在では甦り、箱根関所のアイドル「おたまちゃん」として活躍しています…。この振り切った設定もスゴイので、ぜひ箱根関所を訪れてみてください。設定が幽霊なので、足が無いのがポイントです。
- 箱根関所
- 箱根 / 観光名所 / 一人旅
- 住所:神奈川県足柄下郡箱根町箱根1地図で見る
- 電話:0460(83)6635(箱根関所・箱根関所資料館)
- Web:http://www.hakonesekisyo.jp/
おわりに
いかがでしたかか?「はこねのやまは、てんかのけん♪ かんこくかんも、ものならず♪」と歌になってしまうほど、昔の人がとっても苦労した箱根八里。今回はちょっとズルして、そんな箱根八里を味わってみました。
箱根旧街道(石畳)コースのように箱根湯本駅から11km自分の足で踏破してみれば、もっとディープに箱根を知ることができると思いますよ。