イタリア
イタリア観光
南北にブーツのような形をした国は世界遺産の宝庫

【イタリア】古都ラヴェンナで見るモザイク美術

取材・写真・文:

東京在住

2018年11月9日更新

4,051view

お気に入り

写真:まめこ

イタリアのアドリア海側に位置するラヴェンナは、国内外から多くの観光客が訪れる歴史ある街です。古代ローマ時代より主要な街として栄え、美しいモザイク画が多く残るラヴェンナの見所をご紹介します。

この記事の目次表示

モザイク画とは?

モザイク画とは、石やタイル、ガラスなどの小さな欠片を壁や床に埋め込んで模様が描かれているものです。フレスコ画などに比べ、モザイク画は凸凹があるので、光が反射すると金色の部分などがキラキラと輝き、なんとも言えない煌びやかな世界に包まれます。

  • 写真:まめこきらびやかなモザイク画

東ローマ帝国時代、総督府が置かれたラヴェンナには当時の優れたビザンティン美術のモザイク画が多く残っています。

ラヴェンナ観光5ヶ所共通券

美しいモザイク画が残る5世紀から6世紀の建物の数々は、1996年に「ラヴェンナの初期キリスト教建築物群」としてユネスコの世界遺産に登録されています。

これら世界遺産の建物のうち、主要な以下の5ヶ所には共通券があります。全施設が歩ける範囲にありますので、ぜひ全て観ることをオススメします。

  • 1. サン・ヴィターレ聖堂
  • 2. ガッラ・プラチーディアの廟
  • 3. サンタポッリナーレ・ヌオーヴォ聖堂
  • 4. ネオニアーノ洗礼堂
  • 5. 大司教博物館とサンタンドレア礼拝堂

チケットは共通券のみで、9.5ユーロ(約1,250円)です。サン・ヴィターレ聖堂の近く、サンタポッリナーレ・ヌオーヴォ聖堂、大司教博物館の3か所で購入することができます。

それではこちらの5ヶ所について、見どころを詳しくご紹介します。

1. サン・ヴィターレ聖堂

  • 写真:まめこサン・ヴィターレ教会外観

外観はレンガ造りの質素な雰囲気の建物ですが、中に入ると思わずため息が出てしまうほどの美しさです。窓から入る太陽光で金色のモザイクがキラキラと光り、時を忘れてうっとりとしてしまいます。

天井や壁面だけなく、何気なく歩いている床もモザイクになっているので、上下左右、上から下までぜひ見てください。

  • 写真:まめこサン・ヴィターレ教会内部
  • 写真:まめこサン・ヴィターレ教会内部
  • 写真:まめこ床もモザイク
サン・ヴィターレ聖堂
イタリア / 社寺・教会 / 教会
住所:basilica di san vitale地図で見る
Web:http://www.ravennamosaici.it/orari-e-prezzi/

2. ガッラ・プラチーディアの廟

  • 写真:まめこガッラ・プラチーディアの廟外観

サン・ヴィターレ聖堂と同じ敷地内にあるこちらの霊廟は、5世紀のローマ皇帝オノリオの妹ガッラ・プラチーディアによって建てられたものだそうです。中は光があまり入らず薄暗いですが、紺色の背景に金の星が輝く天井は、薄暗い中で見るとより幻想的なのではないでしょうか。

  • 写真:まめこガッラ・プラチーディアの廟内部

3. サンタポッリナーレ・ヌオーヴォ聖堂

ラヴェンナ駅の近くに位置するこちらの聖堂は、内部に入ると、正面に向かって左側に「22人の聖女」、右側に「26人の殉教者」のモザイク画がズラリと並んでいて圧巻です。

  • 写真:まめこサンタポッリナーレ・ヌオーヴォ教会内部
  • 写真:まめこ22人の聖女
  • 写真:まめこ26人の殉教者
サンタポッリナーレ・ヌオーヴォ聖堂
イタリア / 社寺・教会 / 教会
住所:Via di Roma, 53, 48020 Ravenna RA, イタリア地図で見る
Web:http://www.ravennamosaici.it/orari-e-prezzi/

4. ネオニアーノ洗礼堂

八角形の小さな建物のこちらの洗礼堂、ドーム型になっている天井には、キリストの洗礼と十二使徒がモチーフとなったモザイク画が描かれています。一見普通の絵のように見えますが、近くで見ると細かい破片で色の濃淡を出していたり、輪郭を作ったりしていることがわかり、その技術のすごさに感動してしまいます。

  • 写真:まめこネオニアーノ洗礼堂内部
  • 写真:まめこネオニアーノ洗礼堂内部
  • 写真:まめこネオニアーノ洗礼堂内部
ネオニアーノ洗礼堂
イタリア / 社寺・教会
住所:Piazza Duomo, 1, 48121 Ravenna RA, イタリア地図で見る
Web:http://www.ravennamosaici.it/orari-e-prezzi/

5. 大司教博物館とサンタンドレア礼拝堂

ネオニアーノ洗礼堂の隣に位置するこちらの博物館には、ビザンチン様式の美術品などが展示されています。博物館の中に入っているサンタンドレア礼拝堂もモザイク画で彩られていて、とても美しいです。

  • 写真:まめこ大司教博物館(左)とネオニアーノ洗礼堂(右)
サンタンドレア礼拝堂
イタリア / 社寺・教会
住所:Piazza Arcivescovado, 1, 48121 Ravenna RA, イタリア地図で見る
Web:http://www.ravennamosaici.it/orari-e-prezzi/
大司教博物館
イタリア / 博物館・美術館 / 博物館
住所:Piazza Arcivescovado, 1, 48121 Ravenna RA, イタリア地図で見る
Web:http://www.ravennamosaici.it/orari-e-prezzi/

石絨毯のドムス

上記の場所以外にもモザイク画が見られる場所がいくつかあります。こちらのドムス(ラテン語で家屋、邸宅などの意味)は近年発見されたもので、教会の地下3mのところに綺麗な状態で、モザイク画の床が残っています。

  • 写真:まめこドムスのモザイク石絨毯

5、6世紀頃のビザンチン様式の邸宅だったようです。何気ない普通の教会の下に、このような千年以上も前の世界がそのまま残っているかと思うと不思議な気分になりますね。

この街の地下にはまだまだ発見されていないモザイク美術が眠っているのかもしれません。

  • 写真:まめここの何気ない教会の下にドムスが広がる
  • 写真:まめこドムス入り口
石絨毯のドムス
イタリア / 建造物
住所:Via Gian Battista Barbiani, 16, 48121 Ravenna RA, イタリア地図で見る
Web:http://www.domusdeitappetidipietra.it

ダンテ所縁の地

ラヴェンナは、モザイクの街としてだけでなく、イタリアで最も有名な詩人ダンテの終焉の地としても有名です。

街の中心部にはダンテのお墓があります。小さな墓所の隣にはこんもりと緑に覆われた塚があり、第二次世界大戦中、戦火を逃れるためこの塚にダンテの遺骨が埋められていたそうです。

  • 写真:まめこダンテのお墓
  • 写真:まめこダンテの塚
ダンテの墓
イタリア / その他スポット
住所:Via Dante Alighieri, 9, 48121 Ravenna RA, イタリア地図で見る

行き方

一番近い主要都市はボローニャです。ボローニャから電車で1時間から1時間30分ほどの距離になります。駅から市街地までは歩いていけるので、半日もあれば街の主要なところは見ることができます。

ぶらぶらと街中の散歩を楽しみながらモザイク美術を堪能できる素敵な街、ラヴェンナへぜひ訪れてみてください。

ラヴェンナ
イタリア / 町・ストリート
住所:Ravenna ラヴェンナ県 イタリア地図で見る

イタリアの旅行予約はこちら


イタリアのパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

イタリアのホテルを探す

イタリアの航空券を探す

イタリアの現地アクティビティを探す

イタリアのWi-Fiレンタルを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


【2024】ヨーロッパの人気観光スポットTOP56!旅行好きが行っている観光地ランキング

ローマのコロッセオやトレビの泉、パリのエッフェル塔などヨーロッパの観光名所を、トリップノートの9万2千人を超える旅行好きトラベラー会員(2024年1月現在)が実...


イタリアのおすすめ観光スポット28選!一度は行きたいイタリアの観光名所ガイド

水の都・ベネチアや、ローマ、フィレンツェ、ミラノ、ナポリといった人気都市の観光名所、アマルフィ海岸に青の洞窟、アルベロベッロなど、イタリアで一度は行きたい、おす...

【2024】ヨーロッパの人気のお城・宮殿TOP33!旅行好きが行っているお城&宮殿ランキング

バッキンガム宮殿やノイシュバンシュタイン城などをはじめとするヨーロッパの城・宮殿を、トリップノートの9万2千人を超える旅行好きトラベラー会員(2024年1月現在...

【イタリア】ポンペイ観光の2大裏名所!「売春宿」と「男根」

世界遺産&イタリアの観光名所、ポンペイ。ヴェスヴィオ火山の噴火によって滅ぼされた古代都市として有名ですが、今回は、数あるポンペイ見所の中でも裏名所として人気な「...

『ローマの休日』ロケ地を巡って街歩き

映画『ローマの休日』は、オードリー・ヘプバーンが主演で1953年に制作された映画ですが、今でも世界中の人々を魅了し続けている有名な映画です。この映画によってとて...

この記事を書いたトラベルライター

好奇心旺盛!
好奇心旺盛で、日々新しい体験を求めて街を歩き回っています。なぜか子どもの頃から自分の前世はイタリア人だと思っていて、1年間のイタリア留学後帰国。見ることも、食べることも、体験することも大好きです。

イタリアで何食べる?各都市で食べ逃せない代表料理

美食の国イタリア。そんなイタリアを訪れる際には、ご飯をメインに旅行される方も多いのではないでしょうか。ですが「イタリア料理」とひと口に言っても、各地域で育まれて...


レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を2倍楽しむ!【ミラノ】

レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」と言えば、世界でも有名な絵画の一つではないでしょうか。みなさんも歴史や美術の授業、またはテレビなどで一度は見たことがある...


【フィレンツェ】ダビデ像と巡るフィレンツェの街

フィレンツェのシンボルといえば、そう!あのルネサンスの巨匠ミケランジェロの作品ダビデ像です。実はフィレンツェ市内にはこのダビデ像を見られる場所が3ヶ所あります。...

【トリノ】1日で回る北イタリアのトリノ〜見どころからお土産まで〜

イタリアの北部に位置するトリノは、冬季オリンピックが開催された地としても知られた街です。イタリアの中でも比較的裕福な地域で治安も良い方だと言われていて、実際に訪...

【イタリア】北イタリアの可愛い街ベルガモを1日で楽しむ!

ミラノから電車で約1時間の距離にある、ベルガモ。丘の上に立つ旧市街地チッタ・アルタ(高い街)とその麓に整備された市街地チッタ・バッサ(低い街)の二つの街からでき...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります