フィレンツェのシンボルといえば、そう!あのルネサンスの巨匠ミケランジェロの作品ダビデ像です。実はフィレンツェ市内にはこのダビデ像を見られる場所が3ヶ所あります。ダビデ像をメインにしたフィレンツェの巡り方をご紹介します!
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ミケランジェロのダビデ像とは?
ミケランジェロのダビデ像と言えば、美術の教科書などにも載っていて一度は皆さんも目にしたことがあるのではないでしょうか。全裸の男性像で、リアルに表現された筋肉はとても美しく、その猛々しさに惚れ惚れしてしまいます。
ところでダビデって誰?
ダビデは旧約聖書に登場する、紀元前1000年頃の古代イスラエルの王だった人です。ミケランジェロのダビデ像は、王になる前の若かりし頃のダビデで、鎧を身につけず槍や剣などの武具も持たずに、敵の巨人ゴリアテに対し、石だけで立ち向かう様子を表しています。
中世の時代、侵略してくる諸外国から街を守ろうとするフィレンツェ共和国の人々にとって、強大な敵に勇敢に立ち向かうダビデは市民のシンボルとなり、現在でもフィレンツェの人達にはとっては大きな意味を持つ重要なものだそうです。
どこにあるの?
ルネサンスを代表する芸術家ミケランジェロのダビデ像、実はフィレンツェ市内3ヶ所で見ることができます。
- アカデミア美術館(本物)
- シニョーリア広場(レプリカ)
- ミケランジェロ広場(レプリカ)
こちらの記事では、ダビデ像をメインにこの3ヶ所の見どころをご紹介します。
見るべきものがたくさんあるフィレンツェ、どこへ行こうか迷う方も多いと思いますが、何か一つにテーマを絞って街を巡ってみるのも面白いのではないでしょうか。
【1】アカデミア美術館
元々は、シニョーリア広場に本物のダビデ像が置かれていましたが、1873年、ミケランジェロの生誕400年祭の時に、作品の保護のためアカデミア美術館に移設されました。
アカデミア美術館のメインはやはりこのダビデ像。世界各国からこのルネサンスの最高傑作(人類史上最も美しい芸術作品と評されることもあります)を見るために多くの観光客が訪れます。
...でも、最高傑作と言われる割には、なんだか頭と手が大きすぎて全体で見るとちょっとアンバランスな気がする…と思われた方、そうなんです!実は、元々ドゥオモのクーポラのところに設置される予定でミケランジェロは仕事を依頼されたのだそう、そのため、ミケランジェロは人々が下から見上げた時にちょうどバランス良く見えるように計算して作ったのではないか、と言われています。ミケランジェロが想定していた見方でぜひ見てみたいものですね。
ちなみに美術に精通したイタリア人曰く、展示されているダビデ像は真正面から見るよりも、像に向かって右側にある柱と壁の間から見る角度がベストだそうです(写真参照)。
アカデミア美術館には、ダビデ像の他にもルネサンス期の絵画など色々な作品がありますが、ウフィッツィ美術館ほど大きくなくこじんまりしているので、ゆっくり見ても1時間半ほどで回れると思います。
- アカデミア美術館(フィレンツェ)
- イタリア / 美術館
- 住所:Via Ricasoli, 58/60, 50122 Firenze FI, イタリア地図で見る
- Web:http://www.galleriaaccademiafirenze.beniculturali....
【2】シニョーリア広場
こちらのシニョーリア広場は、ウフィッツィ美術館に程近く、広場の周りにはオープンカフェが立ち並び、朝から晩まで観光客で賑わっています。
広場に面して建っているヴェッキオ宮の前、元々は本物が設置されていた場所にダビデ像のレプリカが置かれています。レプリカといえど観光客に大人気で、像の周りは常に写真を撮る人でいっぱいです。
ダビデ像だけでなく、このシニョーリア広場では多くの彫刻作品を見ることができます。ヴェッキオ宮の向かいのロッジア・ディ・ランツィには多くの作品が立ち並び、まるで美術館のようです。また、広場の真ん中にはネプチューンの噴水や、コジモ1世の騎馬像が並んでいます。
広場にはシャネルやグッチなどのお店も面していてウインドーショッピングも楽しめますよ。
またヴェッキオ宮の塔から見る街並みもとても美しく、ドゥオモもその全体を綺麗に見ることができます。ドゥオモのクーポラやジョットの鐘楼に登るのも良いですが、ヴェッキオ宮の塔もオススメです。
- ロッジア・ディ・ランツィ
- イタリア / 遺跡・史跡
- 住所:Piazza della Signoria, 50121 Firenze FI, イタリア地図で見る
【3】ミケランジェロ広場
フィレンツェの中心部からアルノ川を渡り、高台を登ったところにあるのがミケランジェロ広場です。ここのダビデ像はブロンズでできたレプリカです。
ここでは、ダビデ像が主役というよりも、ダビデ像が見つめる先の景色に皆さん目を奪われています。
フィレンツェの街並みが一望できるこの場所は、朝、昼、夜、それぞれに違ったフィレンツェの魅力を見せてくれます。
街を見下ろすこの広場にその名前を使うだけあり、ミケランジェロと彼の作品であるダビデ像が、フィレンツェの人々にどれだけ愛されているかがわかりますね。
時間があるなら…
もし時間があるようなら、ミケランジェロとダビデ像関連ということでこちらの2つも行ってみてはいかがでしょうか。
バルジェロ美術館
こちらの美術館には、ミケランジェロよりも先に作られたダビデ像が展示されています。ドナテッロの作品とヴェロッキオの作品です。
どちらもブロンズ像で、ミケランジェロのダビデより少し若く、まだ少年のようなダビデです。また、こちらは戦いが終わった後を表していて、打ち取ったゴリアテの首がダビデの足元にあります。
- バルジェロ美術館
- イタリア / 博物館・美術館 / 美術館
- 住所:Via del Proconsolo, 4, 50122 Firenze FI, イタリア地図で見る
- Web:http://www.bargellomusei.beniculturali.it
カーザ・ブオナローティ(ミケランジェロの家)
ミケランジェロの家がのちに美術館として公開されるようになった場所です。
観光地としてはあまり有名ではないため、観光客も割と少なく、ゆっくり観ることができます。有名な作品があるわけではないですが、ミケランジェロのデッサン画や、他の画家が描いたミケランジェロの肖像画なども観ることができ興味深いですよ。
- カーザ・ブオナローティ
- イタリア / 博物館・美術館 / 美術館
- 住所:Via Ghibellina, 70, 50122 Firenze FI, イタリア地図で見る
- Web:http://www.casabuonarroti.it/it/
お土産
最後はお土産ですが、フィレンツェの街中のお土産物屋さんにはダビデ像をモチーフにしたものが多くあります。定番のマグネットやキーホルダーから、身につけるのはちょっと恥ずかしいエプロンまでいろいろなグッズが揃っています。ダビデ像と巡るフィレンツェの旅の締めくくりに探してみてはいかがでしょうか?