レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」と言えば、世界でも有名な絵画の一つではないでしょうか。みなさんも歴史や美術の授業、またはテレビなどで一度は見たことがあるはず。この有名な絵を一目見ようと、世界中から多くの人たちが今日もイタリアのミラノを訪れています。実はミラノでは、ダ・ヴィンチ以外にも複数の芸術家が描いた「最後の晩餐」の作品が見られます。せっかくならば「最後の晩餐」を旅のメインに回ってみるのはいかがですか?ダ・ヴィンチ以外の作品の紹介と併せて「最後の晩餐」を2倍楽しむ旅をご提案します!
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有名な「最後の晩餐」って…?
ルネサンス期を代表する芸術家で、万能の人と称されるレオナルド・ダ・ヴィンチによって描かれた作品。キリスト教聖書の中の一場面、イエス・キリストが、「この中の一人が私を裏切る」と予言しているところを描いたとされています。
イエスを裏切ったのは、「イスカリオテのユダ」と言われていて、この絵の中では左から4番目に顔が位置する少しのけぞった人物がユダだとされています。
手には裏切りの対価として得た銀貨の入った袋を持っています。後から紹介する他の「最後の晩餐」でも、このユダがいろいろな表現で描かれているので、ぜひ注目して見てみてください!
イタリア語では「最後の晩餐」は「Cenacolo チェナーコロ」や「Ultima cena ウルティマ・チェーナ」と言います。ダ・ヴィンチの作品は「Cenacolo Vinciano チェナーコロ・ヴィンチャーノ(「ダ・ヴィンチの最後の晩餐」という意味)」と呼ばれています。
どこにあるの?
ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の食堂として使われていた建物の壁に描かれています。額縁に入った絵画ではなく、壁画(420×910cm)であり、展覧会などに貸し出すことは不可能、つまり、ここに来ないと本物を見ることができないのです!
厳重に管理されていて、15分毎に見学時間が設定されており、1回に見学できる人数は25人と決まっています。
チケットは?
入館は完全予約制です。通常2,3ヶ月前から予約開始のようですが、月によって違うので予約専用サイトで確認が必要です。このサイトから日時を選んでチケットを購入することができます。土日は人気なので早めの予約が必要です。
予約専用サイトはこちら
<予約開始日の過去例>
・2017年11月、12月分の予約開始日 → 2017年9月28日
・2018年1月、2月分の予約開始日 → 2017年11月7日
予約専用ダイヤル: +39 02 92800360
当日は…?
無事予約ができれば、登録したメールアドレスに確認番号が送られて来るので、当日はそれを持って予約時間の30分前に受付に行き、チケットをもらいましょう。予約時間の15分前になったら、教会に向かって左手にある入り口から入り待機します。
15分という限られた時間ではありますが、一つの部屋の中をじっくり見るには十分な時間かと思います。遠くから見たり近くから見たり思う存分楽しんでください!
- サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会
- イタリア / 社寺・教会 / 観光名所 / 教会
- 住所:Piazza di Santa Maria delle Grazie, 20123 Milano地図で見る
- Web:http://www.vivaticket.it/?op=cenacoloVinciano
ミラノ市内の「最後の晩餐」を巡る!
さて、ここからが「最後の晩餐」を2倍楽しむ方法です!ミラノ市内にはダ・ヴィンチ以外の「最後の晩餐」の作品もたくさんあります。この際いろんな「最後の晩餐」を見比べて見るのはいかがでしょう。
アンブロジアーナ絵画館
こちらの絵画館では、17世紀前半にミラノで活動していた画家ヴェスピーノによる、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の模写が展示されています。人物の上半身部分(テーブルより上)のみを描いていて、きれいに色も残っているので、本物よりも表情などがはっきりとしています。
開館時間:10:00-18:00
入館料:15ユーロ(約2,000円)
- アンブロジアーナ絵画館
- イタリア / 博物館・美術館 / 美術館
- 住所:Piazza Pio XI, 2 - 20123 Milano, Italy地図で見る
- Web:http://www.ambrosiana.eu/cms/pinacoteca/2-pinacote...
ブレラ絵画館
こちらのブレラ絵画館には「最後の晩餐」がなんと3点もあるんです!
ルーベンス作の絵は、ダ・ヴィンチのものとは構図が違いますが、悪びれる様子もなくこちらを見るユダに少しドキッとさせられます。
ダニエーレ・クレスピ作のものもユダだけこちらを見ていて、手には裏切りの対価として得た銀貨を持っているようです。肉やら魚やらフルーツやら、なかなか豪華なお食事ですね。
ヴェロネーゼ作のこちらも、どの「最後の晩餐」とも構図が違いますね。イエスがパンをあげようとしている人がユダでしょうか。
開館時間:8:30-19:15(毎月第1木曜日は8:30-22:15)
入館料:10ユーロ(約1,330円)
- ブレラ絵画館
- イタリア / 博物館・美術館 / 美術館
- 住所:Via Brera, 28 20121 Milano地図で見る
- Web:http://pinacotecabrera.org
サン・マウリツィオ教会
フレスコ画で埋め尽くされた内部がとても素晴らしいこちらの教会にも、奥の部屋の一番突き当たりに「最後の晩餐」が描かれています。構図はダ・ヴィンチのものと似ていますが、ユダの位置が違うようです。向かって一番右に座り、手に銀貨の袋を持っている人物がユダでしょう。
開館時間:9:30-19:30
入館料:無料
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- サン・マウリツィオ教会
- イタリア / 社寺・教会 / 教会
- 住所:Corso Magenta,13 milano地図で見る
ミラノ記念墓地
ミラノ記念墓地の中にあるこちらは、リキュールのカンパリで有名なカンパリ社の創業者一族のお墓です。
こちらは絵ではなく像の「最後の晩餐」。立体的なので、横からも後ろからも見ることができとても興味深いです。右から4番目の前かがみになっている人物がユダ。足元には銀貨の袋が隠されているので、ぜひ探して見てください。
開館時間:8:00-18:00
入館料:無料
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いろいろな「最後の晩餐」
同じ場面を描いているのに、いろいろな表現があって面白いですね。「最後の晩餐」を見にミラノへ行かれる際は、ぜひいくつか見比べて見てください。