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アンティグア島の西側・ジョリー・ハーバー(Jolly Harbour)
今回は、数あるビーチの中から、島の西側にあるジョリー・ハーバーへ行ってみることにします。
ウエスト・バス・ステーションからバスに乗り、曲がりくねった道に揺られること20分。
バスを降りてジョリー・ハーバーへ向かう入口を抜けると、これまでのプランテーション畑の景色がガラリと変わります。
マリーナ
ジョリー・ハーバーのマリーナに、数々の自家用クルーザーが整然と停泊しています。ここでも人を見ませんが、たまに歩いているのは欧米人ばかり。所有者は地元の人ではなさそうです。
高級住宅街とホテル
マリーナのそばには高級住宅が立ち並びます。ここだけ見ていると、まるで欧米にある閑静な住宅街という感じですね。
ここに来るまでにバスから見えた家々とは明らかに雰囲気が違います。
運河に面した家では、各家庭からすぐに乗れる場所にクルーザーがあり、いつでも海にでることができます。
ちょっとしたお買い物はカートで。
ジョリー・ビーチ(Jolly Beach)
ジョリー・ハーバーにあるジョリー・ビーチは、島の西側の海に面した静かなビーチです。
夕方になると夕陽を見に来る人がチラホラいるものの、昼間はほとんど人がおらず、穏やかでゆっくりとした時が流れます。
波もほとんどないため、サーフィンなどのマリンスポーツをする人もおらず、ただただ静かな波音だけが聴こえる落ち着いたビーチ。優雅ですね。これぞバカンスと感じられる素敵な雰囲気です。
マリーナモール
マリーナの手前には、小規模のモールがあります。コンビニやレストラン、セレクトショップ、小さな企業事務所が並んでいます。
タックスヘイブン(租税回避地)
いっとき、世界に衝撃を与えた「パナマ文書」に見るタックスヘイブン(租税回避地)は、パナマだけにあるわけではありません。カリブの島々は、ほとんどがタックスヘイブンです。パナマの場合、とある法律事務所管理の企業や個人の情報が、ハッキングされたのか、故意によるものなのか漏洩(ろうえい)してしまい、その存在が世界中に知られるところとなりました。
この時は、パナマ文書に名前の載った複数の国の大統領さえ辞任に追い込まれるなど、世界中がパニックとなりました。しかし、本来であればそれらの情報が世に出ることは、まずありません。
タックスヘイブンの国は、あえて税金を下げることで世界各国から企業を集めます。カジノやゴルフコースまであるこちらのジョリー・ハーバーは、まさに欧米人のために作られた地域のようです。このモール内に、ちょっと驚くものが!ペーパーカンパニー(実態のない会社)用ポストです。管理する代行業者が、それぞれの会社へ届く手紙などを確認するため、一定時間ごとに全てのポストを開けて回っていました。
タックスヘイブンに会社を持つことは、法律に反しているわけではありません。自国で正しく納税していれば、問題はないです。しかし、お金の流れが不透明となり、脱税やマネーロンダリングの温床になることが少なくありません。
パナマは中米地域では最も大きな国ですので、この国で起業するのはまだ分かるのですが、プランテーションや観光以外に目立った産業もないようなこれらのカリブの島で、これほど多くの企業が起業して何かをするというのもおかしな話で、ほぼ間違いなく、租税回避目的と思ってよいでしょう。
島に点在するマリーナ周りは、どこもこのような感じで高級ホテル、高級住宅街にペーパーカンパニーを管理する会社がセットで存在し、その周辺は富裕層の欧米人ばかりが集っています。特にアンティグアは、外国人投資家の金銭的貢献により市民権を得られる「経済的市民権プログラム」を2013年より発行していますので、彼らはここへ居を構え優雅に暮らしているようです。思わぬ場所で、思わぬ社会見学をしてしまいましたが、筆者もいつか、お世話になることがあるといいなぁと願っております。
カリブ海のお土産
メキシコに限らず、ホットソースはカリブの島々でもかなりの種類が作られ販売されています。極辛のチリソースは、ほんのちょっと舐めただけで全身から汗の噴出する、この世の物とは思えない痛さですが、話題作りにはいいかも?
日本からバルバドス・アンティグアへの行き方
空から
日本からの直行便はなく、欧米各都市を経由していきます。
海から
両国共、カリブ海クルーズの寄港地となっていますので、ツアーにて直接フェリーで入国できます。
小アンティル諸島各国間の移動
フライト
カリブの島間を結ぶフライトは、カリブ各国のナショナルフラッグおよび、カリブ海全般をカバーした航空会社が運航しています。
もし、アイランドホッピングされる場合は、カリビアン航空や、LIAT航空を使うと便利です。
何れもよく遅れますので、アイランドホッピングされる方は時間に相当の余裕をもってスケジューリングされると良いと思います。
クルーズ
バルバドスとアンティグア含めた小アンティル諸島の島々は、米国フロリダや大アンティル諸島から出発する大きなクルーズ船で回ることもできます。時間がかかりますが、美しい海を眺めながらのんびり回るのも良いと思います。
ここまで違う二国の雰囲気
両国、いかがでしたでしょうか。バルバドスとアンティグアは人種も宗教も歴史背景も同じですが、どこまでも陽気でちょっぴりクレイジーなバルバドスと、どこまでも静かでちょっと影のあるアンティグアと、極端に島民の雰囲気は違います。
今回は小アンティル諸島より、両極にあると思われる二国を選びましたが、カリブ海には他にも特長のある島々が多く点在していますので、お好みの島を探訪するのも良いかもしれませんね!