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【3】「山縣(やまがた)商店」
同じく江戸通り沿いの、都営浅草線「蔵前」駅より徒歩1分の所にある「山縣商店」。通常夏の間は花火問屋、それ以外の時期はブリキのおもちゃなどを扱うお店です。
おすすめの花火
こちらでは、一度途絶えた国産の線香花火の復活版「大江戸牡丹」を販売しており、山縣商店の会長である山縣常浩さんはじつはその復活の立役者なのです。
もともと日本では三河(愛知県・岡崎)、北九州(福岡)、信州(上田)が線香花火の3大産地でしたが、中国からの輸入品に押されて徐々に作り手が減り、1998年には最後の製造所が廃業してしまったのだそうです。
そこで当時日本煙火協会の理事だった山縣さんが中心となって、たくさんの試行錯誤を重ね、2000年についに純国産の線香花火「大江戸牡丹」を復活させました。
中国からの輸入花火と比べると決して安くはありませんが、それもそのはず。「大江戸牡丹」はどれもひとつずつ、熟練の手で作られているのです。
線香花火と聞くと地味なイメージがありますが、しっかりとした技で丁寧に作られた国産線香花火は、火花の散り方にも「起承転結」があり、長い時間楽しむことができます。
山縣商店は問屋ではありますが、花火の小売りもしています。「大江戸牡丹」のほかに、九州の線香花火の名品「不知火牡丹(しらぬいぼたん)」や、手花火の原型といわれる「和火 江戸の墨火」なども買うことができるので、いろいろな種類の国産花火を楽しんでみるのもおすすめですよ♪
- 山縣商店
- 浅草・上野・谷根千 / その他ショッピング
- 住所:東京都台東区蔵前2-2-2地図で見る
- 電話:03-3862-3927
- Web:http://www.hanabiya.co.jp/home/top.html
【期間限定】すみだ郷土文化資料館~特別展「隅田川花火の390年」
期間限定の特別展のため3選には含みませんでしたが、最後に、東武伊勢崎線「とうきょうスカイツリー」駅より徒歩7分ほど、住宅街の中にある「すみだ郷土文化資料館」の開館20周年を記念した特別展「隅田川花火の390年」をご紹介しましょう。
もともと夏の時期は花火に関する展示をしているそうなのですが、実は平成30年という年は、隅田川で最初に花火があげられた記録からちょうど390年目にあたり、この特別展が開催されました。
特別展の開始日を「5月28日(月)」に設定したことにも意味があります。江戸後期にはちょうど川開きの日にあたったのだそうで、本来であれば資料館は月曜日は休館日なのですが、あえて開館したというこだわりよう。なんだか隅田川の花火に対する地元の深い愛と誇りを感じてしまいます。
特別展の記念として、3種類のデザインから選べる特製のクリアホルダーのプレゼントも。他では手に入らないレアなグッズですよ♪(配布は特別展期間中のみ、なくなり次第終了なのでご注意を!)
展示物の中でひときわ興味深かったのが、隅田川花火を題材にした浮世絵の数々!浮世絵というとなんとなく小難しいイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。そこには当時の江戸の人々が、両国の隅田川花火を両国橋や船の上から楽しむ様子が、生き生きと描かれています。
その姿はまさに現代の私たちが夏に花火大会を楽しむのと同じです。時代を超えて思わず江戸の人たちに親近感を抱いちゃいそうですね!
また、19世紀に描かれた浮世絵では、子どもたちが大はしゃぎしながら手持ち花火を楽しむ様子が描かれています。いつの時代も子どもって変わらないんだな、と感じさせられる1枚でした。
- すみだ郷土文化資料館
- 浅草・上野・谷根千 / 博物館
- 住所:東京都墨田区向島2-3-5地図で見る
- 電話:03-5619-7034
- Web:https://www.city.sumida.lg.jp/sisetu_info/siryou/k...
さいごに
現代の私たちにとって欠かすことのできない花火ですが、こんなにも長く日本人に愛されてきたんですね。地味なイメージの強い線香花火も、東と西で違いがあったり、復活への熱い思いが込められていたりと、身近にありながら意外と知らないことも多かったのではないでしょうか?
今年はぜひ、いつもとは一味違う花火の楽しみ方を見つけてみてはいかがですか?