全国のJR線普通列車で使える「青春18きっぷ」。ハードな長距離旅のイメージですが、実は日帰りの近場旅にもぴったりのきっぷなんです。本記事では、青春18きっぷをもっと気軽に自由に楽しむためのヒントと、筆者が1枚のきっぷ(5回分)を実際に日帰り旅でどのように使ったのか、その具体的な内容をご紹介します。
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「青春18きっぷ」の基本の「き」
「青春18きっぷ」は、全国のJR線の普通列車・快速列車に5日間乗り放題の格安なお得きっぷ。鉄道旅好きの大定番アイテムなので、名前を知っている人も多いでしょう。でもハードな長旅のイメージだし、使い方もよく分からない・・。そんな人におすすめなのが、近場の日帰り旅です。
ではまず、青春18きっぷの基本を押さえましょう。
「青春18きっぷ」の販売期間と使用期間
青春18きっぷは春・夏・冬と年に3回、学生の長期休暇の時期にあわせてJRで発売されるきっぷで、シーズンごとに発売期間、利用期間が設定されています。
〈発売期間〉
春:2021年2月20日~2021年3月31日
夏:2021年7月1日~2021年8月31日
冬:2021年12月1日~2021年12月31日
〈利用期間〉
春:2021年3月1日~2021年4月10日
夏:2021年7月20日~2021年9月10日
冬:2021年12月10日~2022年1月10日
「青春18きっぷ」の料金とその使い方
青春18きっぷの値段は12,050円です(2021年7月現在)。1枚で5回(人)まで利用することができます。きっぷには5か所の空欄があり、乗車日にJR改札口で日付印を押してもらうと、その日は一日乗り放題。つまり1日あたり¥2,410以上の区間を移動すればお得、ということになります。
自動改札機を通ることはできないので、途中下車の場合は駅の改札で駅員にきっぷを見せて通ってください。
「青春18きっぷ」を買える場所
青春18きっぷは全国のJRの「みどりの窓口」のほか、指定席券売機でも買うことができます。
「青春18きっぷ」で乗れる列車
きっぷを使うことができるのは、全国のJR線の快速・普通列車の普通車自由席のほか、BRT及びJR西日本宮島フェリーとなります(「BRT」とは「バス高速輸送システム」のこと。この場合、気仙沼線BRTと大船渡線BRTを指し、東日本大震災の影響で不通となったJRの一部区間をバスが代行しています)。
青春18きっぷではたとえ特急券などを買ったとしても、新幹線や特急・急行・グリーン車には乗ることができないので気をつけましょう。もし乗りたい場合は、特急券・急行券・グリーン券などのほか、普通乗車券も別途必要になります(ただし例外もあり)。
「青春18きっぷ」に年齢制限はあるの?
「青春18きっぷ」という名前ですが、利用するのに年齢制限はなく誰でも使うことができます。子ども用の設定はないため、もしお子さんと使う場合、行き先によっては子ども料金で通常のきっぷを買ったほうが安い場合もあるので注意が必要です。
「青春18きっぷ」を5回分使いきるには?
青春18きっぷを使用できるのは、購入したシーズンの利用期間内のみ。次のシーズンに持ち越すことはできません。でも5回分ってなかなか使いきるのが大変そう・・と思う方もいるかもしれませんよね。じつはこのきっぷ、1人で5回使わなければいけないわけではありません。複数(5人まで)で一緒に使うこともできるんです。
たとえば筆者の場合、息子が友だちと2回日帰り旅で使ったあと、最後の1回分を筆者が譲り受けてひとり旅で使ったことも(もし複数人で利用する場合は、同一行程で使うことが前提となり、入出場には必ず青春18きっぷ本券が必要です)。
もしきっぷを使いきれない場合、金券ショップで買い取ってもらうという方法があります。ただし使用期限が近いと、買い取りがむずかしい可能性もあるのでご注意を。逆に5回分も必要ないのであれば、金券ショップで使いかけのきっぷを買うというのもひとつの手です。
「青春18きっぷ」はハードルが高いのか
「青春18きっぷ」=長時間のハードな鉄道旅というイメージでしょうか?遠くまで足を延ばして、格安で鉄道旅を楽しむというのは、たしかに青春18きっぷの醍醐味ではあります。でもその分、旅のルートや乗り継ぎの方法を考えたり、連休を確保したり・・。それに加えて普通列車の長旅となると体力も必要ですし、思いがけない事態に直面することだってあります。そういったものも含めて旅を楽しめる人には最高のきっぷですが、慣れないとちょっとハードルが高いですよね。
そんな人は近場の日帰り旅を満喫してみてはどうでしょう?
「青春18きっぷ」で日帰り近場旅をおすすめするワケ
近場の日帰り旅ならではのよさとして、以下のようなことが挙げられます。
- 【1】青春18きっぷ初心者にもハードルが低い
- 【2】日帰りだと計画がたてやすく、気軽に行ける
- 【3】泊まり旅に比べて友人を誘いやすい
- 【4】近場でもこれまで気づかなかった新しい発見があるかも
青春18きっぷって、旅のルートを難しく考えなくても、もっと自由に気軽に日帰りでも使えるきっぷなんです。乗り放題なので、気になる場所があれば途中下車だってもちろんOK!1日の乗車料金が¥2,410以上であれば、それで十分お得なんですから。
もちろん遠くに行けば行くほどお得感はアップしますが、それでクタクタに疲れきってしまっては本末転倒。やっぱり旅は楽しみたいですからね。例えば夏休みなどで帰省した際に実家を起点に日帰り旅をしてみる、なんていうのも新しい発見があっておもしろいかもしれません。
日帰り旅の行き先選びのポイント
では日帰り旅の行き先を選ぶ際に、参考にしたいポイントをいくつか挙げてみます。
【1】「気になってはいるけど、ふだんわざわざ行くことがないような場所」に行ってみる
自宅から中途半端な距離にある場所って、案外足を延ばすことがないと思いませんか?「いつか行ってみよう!」なんて思っていても、わざわざそこまでのきっぷを買って出かけることはなかなかないのでは?
でもせっかく乗り放題の青春18きっぷがあるなら、そんな「ちょっと気になっている場所」に足を向けるまたとないチャンスです。思いきって行ってみたら、なにか新しい発見があるかも?!
【2】運行本数が多めの路線を選ぶ
列車の本数が極端に少ないと、乗り遅れるなどのハプニングが起きたときにも慌ててしまいがち。限られた1日の時間を有効に使うためにも、運行本数が多い路線が安心です。
【3】現地を楽しむなら、ほどよい移動時間で行けるスポットへ
列車に乗ること自体が目的であれば話は別ですが、せっかく日帰り旅に出るなら、旅先での時間も満喫したいですよね。それには列車の移動時間が長すぎず、ほどほどの距離感の場所を選ぶのも大事なことのひとつ。
これは筆者の個人的な感覚ですが、移動時間は片道2~2時間半くらいまでに収めるのが、程よい様に思います。
【4】その日の気分で行き先を決めてみる
首都圏などの都市部の場合、同じJR線でも様々な路線が走っています。青春18きっぷは全国のJR線で使うことができるのが最大の強み。遊びゴコロを取り入れたい人は、事前に行き先を決めずその日の気分で乗る列車を決める、というのもアリかもしれません。