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佃エリア
現在の佃エリアは、元々は佃島と石川島という島でした。2つの島は、江戸幕府による都市の整備が進む中、無人島や干潟を埋め立て造成して誕生しました。その後、石川島に人足寄場が建設され、佃島と地続きになりました。
現在、東京都のウォーターフロント開発を象徴する場所となった佃エリアは、近代化する街と、古くから引き継がれる人々の文化や生活が融合した姿を見ることができる、エキサイティングで心温まるノスタルジックな場所です。そんな佃の観光スポットを、ご紹介します。
その1. 住吉神社
佃に位置する住吉神社。物資の運搬を舟運に頼っていた江戸幕府が築港した江戸湊(えどみなと)の入口に位置していた事もあり、海運業や問屋組合など、海の安全や渡航の安全を願う多くの人々から守り神として親しまれてきました。
住吉神社では、毎年8月6日に例祭が行われます。また、3年に1度行われる本祭りには大勢の人々が参加し、月島一帯が熱狂に包まれる光景は見応えがあります。次回の予定は来年の平成30年ですので、興味を持たれた方は、是非サイト等で日程をチェックしてみてください。
- 住吉神社
- 月島・門前仲町・葛西 / 神社
- 住所:東京都中央区佃1丁目1−14地図で見る
- Web:http://www.sumiyoshijinja.or.jp/nenkan.html
その2. 佃堀(つくだぼり)
住吉神社がある掘割で、かつて隅田川から枝分かれして月島を流れていた佃川(つくだがわ)を埋立てた時に残った川の部分に当たります。朱塗りの鮮やかな佃小橋がかかる下町の風情が残る佃堀と、その背景にそびえ立つ高層マンション群の対比がユニークな風景で、フォトジェニックなスポットとしても人気があります。
佃堀の水辺は淡水と海水の混ざる豊かな環境で、貝や魚、カニや亀などの生物が生息しているほか、カモやサギなどの水鳥の姿も見かけます。堀の周りには、ベンチに腰をかけてのんびり過ごす人や、ハゼ釣りを楽しむ大人や子供などが集まり、和やかな雰囲気です。
その3. 佃天台地蔵尊
「天台地蔵比丘妙運」の刻銘がある佃天台地蔵尊は、平らな自然石に姿が刻まれたお地蔵様です。住宅地にあり、民家の間に立つ赤い旗が目印です。やっと1人が進める程の狭い通路で、はじめは「ここ、入っていいの?」と思うかもしれませんが、臆せず進んでください。奥に明かりの灯ったライトが見えたら、そこがお堂の入口です。
佃天台地蔵尊で印象的なのは、入口に大きな幹をのぞかせるイチョウの木です。木に接するお堂の壁や天井は、木を傷つけず守るように建てられています。お堂とイチョウの木を囲むように民家が並ぶ街の一角を眺めていると、この地で生活してきた人々のお地蔵様に対する親しみの深さを感じます。
その4. 佃源 田中屋
佃煮が生まれた佃には、今も多くの人が通う佃煮の老舗が残っています。そのうちの1軒である「佃源 田中屋」は、1843年頃に創業しました。木の引戸を入ると、ガラスケースの中に佃煮が並びます。1つ100g単位で販売され、数種類が入った贈答用の折り詰めもあります。東京のお土産にもオススメしたい商品です。
佃煮の味付けには醤油、砂糖などを配合したタレが用いられますが、店舗によって味わいが異なります。1種類ずつ買って、味比べをして見るのも楽しいですね。
その5. 佃公園と石川島公園
隅田川にかかる中央大橋に続く都道463号が佃の中心を通り、その南側には佃公園、北側には石川島公園があります。2つは、元々は佃島と石川島という別れた島でしたが、その間を埋め立てて造成した場所に人足寄場ができたことで、地続きの街へと発展することになりました。
佃公園は隅田川に沿って細長く位置し、遊具や池では子供が遊び、川沿いのテラスでは犬の散歩やジョギング、読書や釣りを楽しむ人の憩いの場となっています。川沿いのテラスには桜の木があり、春の花見スポットとしても人気の場所です。また、園内にある人足寄場跡には復元された石川島灯台が立っています。
石川島公園は中央大橋から相生橋(あいおいばし)まで伸びる細長い公園です。 公園は上段と下段の2層があり、人が水辺に近づけるよう親水性も考慮された下段の遊歩道には、満潮や雨の後の増水時に浸水する場所があります。東京湾に流れ込む隅田川が分流する地点が目前に広がり、水面を吹き抜ける風がクルージングさながらの気分を味わわせてくれます。
遊歩道にはスロープがかかっているので、車椅子やベビーカー、自転車でも楽しむことができる場所です。
その6. 石川島資料館
石川島には、現在IHIで知られる旧・石川島播磨重工業株式会社の母胎となる、石川島造船所という工場がありました。1876年に発足した石川島平野造船所は、蒸気船の造船を筆頭に蒸気機関車や蒸気軍艦、トラック、クレーン、偵察機の製造など、分野を広げながら発展を続けました。
IHIが運営するこの石川島資料館では、IHIの歩みを、縁の深い石川島や佃島、月島の歴史や文化と共に紹介しています。ジオラマや写真、映像などを駆使した展示物で、規模は小さいながらも見所が詰まった資料館です。
- 石川島資料館
- 月島・門前仲町・葛西 / 博物館
- 住所:中央区佃1-11-8 ピアウエストスクエア1階地図で見る
- Web:https://www.ihi.co.jp/shiryoukan/index.html