東京に伝わる郷土料理をくわしく解説!東京へ旅行に行ったら一度は食べてみたい、名物の食べ物・料理をまとめてご紹介します。旅行ツウのトラベルライターおすすめのお店情報もお見逃しなく!
この記事の目次表示
【1】江戸前寿司
- 出典:commons.wikimedia.orgcc-by-sa-2.0
「江戸前寿司」とは、名前の通り江戸時代に生まれたお寿司のことで、江戸の前、つまり東京湾で水揚げされた魚介類を使ったものを呼んでいました。せっかちな江戸っ子が素早く食事をできるようにと、シャリとネタを一緒に握って提供したのが始まりです。
当時は冷蔵庫がなかったため、生魚を酢や塩で締めたり、タレにつけこんだりして保存したものがネタの主流でした。それが今でも残り、江戸前寿司には煮穴子や蒸しエビ、玉子焼きといったネタが含まれています。
【2】どじょう鍋(どぜう鍋)
- 出典:tripnote.jp
丸鍋にどじょうを入れ割下で煮込んだ料理で、江戸時代から東京の下町を中心に食べられてきました。庶民の味としても親しまれ、江戸っ子たちのソウルフードとも言える郷土料理です。
まずは、生きたどじょうを酒に入れ、酔わせた状態にしておとなしくさせます。それを鍋に入れて煮込み、ネギをたっぷりかけたらできあがり。滋養強壮に効果があり、夏場は特に好まれたそうです。似たようなものに「柳川鍋」というものがあり、こちらはどじょう鍋にささがきごぼうを入れ、卵でとじた料理のことを言います。
どじょう鍋のおすすめ店:駒形どぜう
- 出典:gauchan.xyz画像:がぅちゃんのブログ
東京の浅草にある、どじょうとくじら料理のお店。1801年創業で、江戸時代のグルメガイド本『江戸名物酒飯手引草』にも記載されている老舗です。
名物「どぜうなべ」は、どじょうが敷き詰められた丸鍋に12匹ほどのどじょうと割下、ネギのみが入ったメニュー。どじょうはすでに下ごしらえがされており、それを味噌風味の甘めの割下が入った鍋で煮込みます。どじょうはかなり柔らかく、箸でつかむと崩れるほど。臭みなどは一切なく、骨ごと食べられます。山椒と七味を使用して、好みの食べ方で食べ進めましょう。
- 駒形どぜう
- 浅草・上野・谷根千 / 和食 / 郷土料理 / ご当地グルメ・名物料理
- 住所:東京都台東区駒形1丁目7−12地図で見る
- 電話:03-3842-4001
- Web:https://www.dozeu.com/
【3】深川めし
- 出典:tripnote.jpあさり蒸籠めし(税込1,210円)
「深川めし」とは、「貝を炊き込んだ、または、煮てぶっかけたご飯」のことです。東京はもちろん、日本を代表する郷土料理のひとつで、「日本五大銘飯」や「農林水産省郷土料理100選」にも選ばれています。
深川めしのルーツは、江戸時代の深川の漁師の生活に関係しているそう。漁師が貝の味噌汁をご飯にぶっかけて食べていたのが始まりと言われています。一方、大工さんは貝を炊き込みご飯にいれてお弁当にしていたそうです。その名残から深川めしには、あさりとネギを味噌で煮込み汁ごとご飯にかけたものと、あさりの炊き込みご飯の2種類あります。
深川めしのおすすめ店:深川宿 本店
- 出典:gauchan.xyz画像:がぅちゃんのブログ
絶品の深川めしを味わえるお店として評判なのが「深川宿」。上記で紹介した2種類の深川めしを提供しており、両方食べられるセットメニューも用意されています。
ぶっかけタイプの深川めしは、あさりのダシが効いた味噌味ベースの熱々の汁がご飯にたっぷりとかけられており、これぞ漁師飯という雰囲気。一方で炊き込みご飯の方は醤油風味の優しい味付けで、トッピングの海苔が良いアクセントになっています。
- 深川宿 本店
- 錦糸町・両国・清澄白河 / 郷土料理 / 和食 / ご当地グルメ・名物料理
- 住所:東京都江東区三好1丁目6−7地図で見る
- Web:http://www.fukagawajuku.com/
【4】羽根つき餃子
- 出典:www.flickr.com羽つき餃子@鎌田 photo by yosshi
蒲田名物として知られる「羽根つき餃子」。考案されたのは、約30年前と比較的新しい郷土料理です。餃子の周りに大きく付いた羽根が特徴で、パリパリ&もちっとした食感が楽しめます。羽根つき餃子発祥の店として知られる「你好(ニイハオ) 恵馨閣」をはじめ、蒲田には餃子を提供するお店がたくさんあります。
羽根つき餃子のおすすめ店:歓迎 本店
- 出典:www.flickr.comphoto by Yusuke Kawasaki CC BY-SA 2.0 from flickr
「羽根つき餃子」のなかでも、蒲田餃子御三家と呼ばれる3店舗が有名で、そのひとつが「歓迎」です。場所はJR「蒲田駅」の南口から歩いて3分ほど。オープン直後から多くのお客さんが訪れます。
中華料理のメニューが豊富なのはもちろん、餃子も、一番人気の「羽根つき焼き餃子」をはじめ「エビ入り水餃子」「豚肉水餃子」「エビ入り揚げ餃子」「エビ入り蒸し餃子」などが揃います。
【5】もんじゃ焼き
江戸時代に東京の下町で生まれた料理。お好み焼きより水分量が多く、鉄板の上に広げてグツグツと煮ながら焼き、ヘラの形をした小さい「はがし」ですくいながら食べます。お好み焼きと違って、ソースなどの調味料は具材と一緒に混ぜて焼くのが特徴です。
もんじゃ焼きのおすすめ店①:おかめ ひょっとこ店
- 出典:tripnote.jpおかめ ひょっとこ店でいただいた、もち明太子もんじゃ。明太子のプチプチ感ともちの相性がいい!1,300円。
月島にある、多彩なメニューと明るい雰囲気が人気のもんじゃ店。海鮮の他、モツや牛スジなどのホルモンを入れるもんじゃメニューがあります。ベビースターもんじゃは遊び心満載で、現代版の駄菓子屋もんじゃといった様相の楽しい一品です。デザートメニューには、あんこ巻きもあります。
- おかめ ひょっとこ店
- 月島・門前仲町・葛西 / 和食 / ご当地グルメ・名物料理 / もんじゃ
- 住所:東京都中央区月島3-8-10地図で見る
- Web:http://www.monjya-okame.jp/
もんじゃ焼きのおすすめ店②:もへじ 渋谷スクランブルスクエア店
- 出典:tripnote.jpペスカトーレもんじゃ(税込1,980円)
月島で人気のもんじゃのお店「もへじ」の渋谷店。明太子やあさりなどを使った伝統的なもんじゃのほか、クラムチャウダーやフォアグラ、オマール海老といったオリジナルのもんじゃも味わうことができます。
オリジナルのもんじゃでおすすめの一品が、「ペスカトーレもんじゃ」。ホタテやタコ、イカなど、パスタのペスカトーレで使う魚介類がたっぷりと入っており、キャベツやだしとの相性も抜群です。店員さんに目の前で作ってもらえるので、出来たてを熱々のうちにいただきましょう。
- もへじ 渋谷スクランブルスクエア店
- 渋谷 / 和食 / ランチ / ご当地グルメ・名物料理 / もんじゃ
- 住所:東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア12階地図で見る
- 電話:03-6805-1518
- Web:https://www.shibuya-scramble-square.com/shops_rest...
【6】ちゃんこ鍋
- 出典:tripnote.jp
「ちゃんこ」とは、もともとは力士の食事を指す言葉で、ちゃんこ鍋自体は明治時代に両国にある出羽海部屋で誕生しました。具材に決まりはなく、魚介や肉類、野菜など様々なものを入れた寄せ鍋という位置づけです。スープの味も自由に決められるという幅の広さが特徴で、お店独自の味わいが楽しめます。
ちゃんこ鍋のおすすめ店:ちゃんこ霧島 両国江戸NOREN店
- 出典:tripnote.jp
JR両国駅直結の複合施設「両国江戸NOREN(のれん)」に入る、ちゃんこ鍋屋さん。元大関・霧島で、陸奥部屋(みちのくべや)の陸奥親方がプロデュースしたお店です。
名物の「ちゃんこ鍋」は、鶏肉やつみれ、エビなどを、自慢の鶏ガラ豚骨スープで煮込んだ一品。あっさりとしたスープは、具材との相性も抜群です。〆は雑炊、またはうどんを食べてみて。
- ちゃんこ霧島 両国江戸NOREN店
- 錦糸町・両国・清澄白河 / 和食 / ご当地グルメ・名物料理
- 住所:東京都墨田区横網1-3-20 両国江戸NOREN地図で見る
- 電話:03-3621-0075
- Web:http://www.j-kirishima.com/
【7】島寿司
八丈島から伝わった伊豆諸島の伝統的なお寿司で、独自のタレに漬けた白身魚がネタとなっています。冷蔵庫が流通する以前の伊豆諸島で保存食として広がり、現在では伊豆諸島の郷土料理として愛されています。
島寿司のおすすめ店:栄寿司
- 出典:tripnote.jpお吸い物とセットになった島寿司(税込1,900円)
伊豆諸島のひとつ、新島の中でも最も飲食店が多い本村に位置するお寿司屋さん。地元の人だけでなく、観光客にも大変人気のお店です。ネタは、写真の上からメダイ、カンパチ、金目鯛となっています。島寿司は、わさびではなくネタの上にちょこんとのっているカラシが特徴的。島寿司とカラシとの相性が良く、口の中であっという間に溶けてしまいます。
【8】うなぎ
うなぎが広く食べられるようになったのは、江戸時代。嘉永5年に発行されたうなぎ店のランキング『江戸前大蒲焼番付』には、200店舗以上のうなぎ屋さんが載っていたほど、江戸っ子に愛されてきた料理です。老舗のうなぎ店が使う秘伝のタレは、継ぎ足されながら今でも受け継がれていることも。江戸の味を、現代の東京でも味わえる、貴重な郷土料理です。
うなぎのおすすめ店:赤坂ふきぬき 新宿タカシマヤタイムズスクエア店
- 出典:tripnote.jpランチうな重 1,980円(税込)
新宿高島屋のレストランフロアにある老舗鰻屋の「赤坂ふきぬき」は、東京赤坂で大正12年に創業した鰻専門店。ランチタイムには、うな重がリーズナブルな値段で味わえます。創業以来継ぎ足されている秘伝のたれがたっぷりかかった、ふっくらとした食感の鰻は、一度食べたら虜になること間違いなし!
店内からは新宿の風景も見渡せて、明るく落ち着いた雰囲気の中、ゆったりとお食事を楽しめます。ランチタイムは行列の絶えないお店なので、開店時間直後の早めの時間帯の来店がオススメです。
- 赤坂ふきぬき 新宿タカシマヤタイムズスクエア店
- 新宿 / 鰻(うなぎ) / ひつまぶし
- 住所:東京都渋谷区千駄ケ谷5丁目24 新宿高島屋 14階地図で見る
- 電話:03-5361-6511
- Web:http://www.fukinuki.jp/
【9】江戸前天ぷら・江戸前天丼
- 出典:tripnote.jp天丼(えび2、かきあげ1 税込1,800円)
江戸前天ぷらとは、東京湾でとれた新鮮な魚介類を、たまごを入れた衣をつけ、ごま油で揚げたもの。たまごを使わない関西風の天ぷらと区別されています。衣はこんがりキツネ色をしており、塩ではなくつゆを付けて食べるのが江戸風。江戸時代は、江戸っ子のファーストフード的存在でした。
そんな江戸前天ぷらを、ご飯と一緒にさっと食べられるようにしたものが江戸前天丼。濃い目の丼つゆに揚げたての天ぷらをくぐらせ、衣にタレをしっかりしみこませるのが江戸前天丼の特徴です。
江戸前天ぷらのおすすめ店:天ぷら船橋屋 新宿本店
- 出典:tripnote.jp花コースの普通サイズのかき揚
- 出典:tripnote.jp花コースの天ぷら(海老2つ、魚介2つ、野菜2つ)
明治19年創業、新宿にある老舗天ぷら店「船橋屋」は、行列の絶えない名店として知られています。厳選された旬の食材をこだわりの胡麻油でサクッと揚げた天ぷら。胃にもたれることなく、いくらでも食べられてしまいそうな軽くて上品な食感です。
船橋屋名物と言えば、いか、貝柱、エビ、三つ葉がたっぷり入って食べ応えのあるジャンボかき揚げが有名。こちらはかなりボリュームがあるので、このかき揚げの普通サイズがいただけるコースメニューも人気があります。
- 天ぷら船橋屋 新宿本店
- 新宿 / 和食 / 天ぷら
- 住所:新宿区新宿3-28-14地図で見る
- 電話:03-3354-2751
- Web:https://www.tempura-funabashiya.com/
江戸前天丼のおすすめ店:天丼 金子半之助 日本橋本店
- 出典:tripnote.jp江戸前天丼(税込980円)
日本橋室町に本店を構える江戸前天ぷらの老舗「金子半之助」。浅草出身で、日本料理の紹介案内所「一心会」の会長を務めた金子半之助が考えた「秘伝の江戸前丼たれ」を孫が受け継いだ人気店です。
看板メニュー「江戸前天丼」は、新鮮なアナゴやエビ、イカ、半熟卵が豪快に盛りつけられたボリューム満点な一品。高温で揚げた天ぷらのサクサクとした食感に加え、秘伝のたれとご飯の絶妙なバランスを楽しめます。
- 天丼 金子半之助 日本橋本店
- 東京駅・丸の内・日本橋 / 和食 / 天ぷら
- 住所:東京都中央区日本橋室町1-11-15地図で見る
- 電話:03-3243-0707
- Web:http://kaneko-hannosuke.com/
【10】蕎麦
- 出典:tripnote.jp生粉打ち・海老天せいろ(税込2,376円)
こちらも江戸前天ぷら同様、江戸っ子のファーストフード的な位置づけで江戸中期に人気を博した蕎麦。江戸には、蕎麦御三家と呼ばれる「藪」「更科」「砂場」の蕎麦屋があり、それぞれ暖簾分けして現在に至ります。蕎麦つゆも「真っ黒」と表現されるほど濃く、関東独自の蕎麦文化を築いてきました。
蕎麦のおすすめ店:並木藪蕎麦
- 出典:tripnote.jp天ぷらそば(税込1,900円)
1913年(大正2年)創業した老舗の蕎麦店。人気マンガ『美味しんぼ』にも登場した名店です。また『鬼平犯科帳(おにへいはんかちょう)』や『剣客商売(けんきゃくしょうばい)』といった時代小説で有名な作家・池波正太郎(いけなみしょうたろう)が足繫く通った蕎麦店としても知られています。
なんと言っても特徴は、蕎麦つゆです。日本一辛い!とも言われる濃い目に味付けされたつゆに、蕎麦の先端だけをつけて食べるのがツウ。人気メニューは定番のざるそば、天ざる蕎麦、そして季節限定で提供される鴨南蛮蕎麦などとなっています。