日本で新幹線に乗りながら、アート鑑賞が楽しめるのはご存知ですか?そのような貴重な体験を楽しめるのが、上越新幹線で運行されている「現美新幹線(げんびしんかんせん)」。今回は新潟観光で楽しめる“走る美術館”の見どころについてご紹介!新幹線で移動しながら、現代アートを楽しみましょう♪
この記事の目次表示
「現美新幹線」ってどんな新幹線?
“走る美術館”とも呼ばれる「現美新幹線」。上越新幹線の越後湯沢駅から新潟駅までを結び、毎年4月から9月の土日祝日(※一部曜日を除く)に運行しています。運行本数は1日3往復。乗車区間で通常の指定席特急券または自由席特急券、乗車券を購入すれば、乗ることができます。
またJR東日本では、自由席を利用したびゅう旅行商品を販売。越後湯沢~新潟までの現地発着の日帰りプランをはじめ、東京、上野、大宮、高崎駅発着の日帰りプラン「自由気ままなフリー」、さらに「SLぐんま みなかみ」を利用した日帰り旅行プランを購入すると、オリジナルグッズがもらえます。
グッズの中身は、現美新幹線のロゴが入った新潟県産のお米「新之助(しんのすけ)」2合と、長岡市内にある味噌屋「星野本店」がおすすめする越後味噌「越の天恵(こしのてんけい)」を使ったフリーズドライの味噌汁2ヶ。13号車にあるカフェスペースでバウチャー券を渡せばもらえるので、ぜひ手に入れましょう!
【見どころ1】長岡の花火を描いたエクステリア(外装)に注目しよう!
まずは新幹線に乗る前に、エクステリア(外装)を鑑賞しましょう!描かれているのは、新潟の夏の風物詩で秋田・大曲(おおまがり)、茨城・土浦(つちうら)と並ぶ日本三大花火大会のひとつ「長岡の花火」。6両編成の車体全部に描かれており、スターマインやナイアガラなどを見ることができます。
エクステリアをデザインしたのは、日本を代表する写真家で映画監督も務める蜷川実花(にながわみか)さん。彼女自身が2014年から長岡の花火を撮影しており、赤や青、緑といったカラフルな花火の写真が彩られています。
【見どころ2】各車両で見られるアート作品をご紹介!
ここからは各車両の見どころについてご紹介します。11号車は現美新幹線で唯一の指定席の車両。“五穀豊穣”や“祝祭”、“光”をコンセプトに、新幹線という特別な空間で光と速さから生まれた作品を見ることができます。デザインしたのは、アーティストの松本 尚(まつもと なお)氏。カーテンを下ろして、トンネルに入ると、作品が現れますよ♪
続く12号車では、岡山・犬島の「家プロジェクト」で新作を発表したアーティスト・小牟田雄介(こむた ゆうすけ)氏の作品を見ることができます。右側には、鏡面ステンレスが埋められており、窓を背にソファーに座ると、緑の山々や窓一面の青空、黄金色の稲穂など、新潟らしい田園風景を楽しめます。
13号車は、子どもたちも楽しめる「キッズスペース」。東京都現代美術館をはじめとした国内外の美術館で作品を展示しているアートユニット「paramodel(パラモデル)」がプロデュースした作品が展示されています。プラレールの線路の色・青色をモチーフに地図のようにパターンが描かれており、山を模したオブジェもあります。
また子どもが遊べるように、「プラレール」も用意されています。上越新幹線「Maxとき」をはじめ、東北新幹線や秋田新幹線、北陸新幹線など、JR東日本管内で運転する新幹線を使って遊べるので、子ども連れの方はぜひ利用してみてみましょう。
14号車では、2度のエベレスト登頂に成功した写真家・石川直樹(いしかわなおき)氏が撮影した写真が展示されています。2015年、世界第2位の高さを誇る「K2(ケーツー)」の頂へ向かう際に撮影されたK2の景色や近くに住む人々の写真など、流動する新幹線の車内から、岩と雪の世界を鑑賞できます。
写真映えしそうな作品を見ることができるのが、15号車。新潟で開催された「越後妻有(えちごつまり)アートトリエンナーレ」などのアートイベントで作品を出品したアーティスト・荒神明香(こうじんはるか)氏の作品が展示されています。荒神氏が川を散歩した時に見た風景をイメージしており、カラフルな花びらを使って表現しています。
最後にご紹介するのは、16号車。3Dプリンターで出力したプラスチック製の「やど」をヤドカリに渡す作品など、国内外で活躍するアーティスト・AKI INOMATA(アキ イノマタ)氏の映像作品を見ることができます。ヤドカリはもちろん、新潟の里山を舞台に茅葺きの民家をモチーフにした「やど」など、自然との共生のあり方について発信しています。