毎年梅雨明けと共に夏山開きとなり、本格的な登山シーズンが始まります!「今年こそは富士山に挑戦したい!でも、不安が・・」そんな方もいるのではないでしょうか?今回はそんな方々のために、富士登山の為になる知識を紹介いたします♩
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①日本最高峰 富士山の基本知識
- 場所:山梨県と静岡県の県境
- 標高:3,776m
- 種類: 成層火山(活火山)
- 登山口:富士スバルライン五合目、須走口五合目、御殿場口新五合目、富士宮口五合目
世界文化遺産の登録について
富士山は、2013年に世界遺産に登録されました。実際は、1992年から世界自然遺産への登録を目指して動いていたそうですが、登山者のし尿処理の不備やごみ投機問題など環境保全の状況が障害になり、自然遺産登録は叶いませんでした。
そこで、富士山は日本最高峰として古くから人々の信仰対象となっており、浮世絵など多くの芸術に影響を与えてきた存在であることを理油に、自然文化遺産ではなく世界文化遺産への登録を目指したところ見事、2013年に実現したそうです。
代々伝わる山岳信仰とは?
山に神が宿っているとして、崇拝の対象とする信仰のことを山岳信仰といいます。富士山は10万年以上前から度重なる噴火活動を行っており、人々は畏怖(いふ)の念を抱き、富士山には神が宿っていると考えられてきました。
山岳信仰の頂点に、富士山・白山・立山があります。この3つは、「日本三霊山」と呼ばれ、神聖な山、すぐれた立派な山として今でも人々を魅了しています。これらの山に何度も何度も登りたくなる所以は、どこか神聖な雰囲気を感じるからかもしれませんね♩
②4つの基本登山ルートと3つのオプションルート
富士山頂に行くための基本的な登山ルートは4つあります。登山を計画する際には、どのルートで山頂を目指すか、じっくり調べてから行きましょう♩
また基本的な4つのルート以外に、皇太子さまが歩いたといわれる「プリンスルート」、富士山一合目から登る「富士吉田口登山ルート」、山頂到着後に約1時間半かけて巡る「富士山山頂お鉢巡りルート」のオプションルートもあります!以下、それぞれのルートの特徴について紹介します。
- ⅰ.吉田ルート(黄色)登山口:富士スバルライン五合目
- ⅱ.須走ルート(赤色)登山口:須走口五合目
- ⅲ.御殿場ルート(緑色) 登山口:御殿場口新五合目
- ⅳ.富士宮ルート(青色)登山口:富士宮口五合目
- ⅴ.プリンスルート 登山口:富士宮口五合目
- ⅵ.富士吉田口登山ルート 登山口:北口本宮冨士浅間神社
- ⅶ.富士山山頂お鉢巡りルート
※吉田・須走・御殿場・富士宮の4つの基本登山ルートは、それぞれ()内の色で標識などが表記されています。
ⅰ.吉田ルート(黄色) 登山口:富士スバルライン五合目
- 登山口の標高:2,305m
- 標準登山時間:約10時間 (登り:約6時間 下り:約4時間)
この吉田ルートは、富士山に登る登山客の半数以上が利用しています。登りの登山道に山小屋が多く、下山道には山小屋がほとんどありません。登山道と下山道が別になっており、下山道には須走ルートとの分岐点があるので、標識の表記やデザイン、色などを覚えておくとよいでしょう。また、ご来光は五合目を過ぎるとどこからでも見ることができます。
ⅱ.須走ルート(赤色)登山口:須走口五合目
- 登山口の標高:1,970m
- 標準登山時間:約9時間 (登り:約6時間 下り:約3時間)
須走ルートは名前の通り、火山砂利の下山道を一直線に下る「砂走り」があるルートです。また、標高の高い位置まで樹林帯が広がっているため、登山中は日差しから身が守られます。
樹林帯を抜けると、どこからでもご来光や影富士を見ることができます。しかし、夜間や濃霧時は、樹林帯では見通しが効かないため、道に迷わないように気を付けましょう。吉田ルートと同様、登山道と下山道が別で、下山道に吉田ルートとの分岐点がありますので注意が必要です。
ⅲ.御殿場ルート(緑色)登山口:御殿場口新五合目
- 登山口の標高:1,440m
- 標準登山時間:約10時間 (登り:約7時間 下り:約3時間)
出発点の標高が低い、山頂までの標高差が大きい、他ルートに比べて山小屋が少ない、という点から健脚の方向きと言われるコースです。しかし、4ルート中、最も登山者が少ないため、静かな登山を楽しめます。また、火山砂利を下る大砂走りの下山がダイナミックです。また、ご来光をほぼどの場所からでも見ることができるのも特徴です。
ⅳ.富士宮ルート(青色)登山口:富士宮口五合目
- 登山口の標高:2,380m
- 標準登山時間:約8時間 (登り:約5時間 下り:約3時間)
登山口の標高が最も高く、山頂までの距離が一番短いのが特徴です。そのため、吉田ルートに次いで登山者が多いです。全体的に傾斜が急で、やや岩場が多くみられます。登山道と下山道が同じで、ルートを間違える心配はあまりありませんが、混雑時には譲り合って登山することが必要です。
ⅴ.プリンスルート 登山口:富士宮口五合目
- 登山口の標高:2,380m
- 標準登山時間:約8時間 (登り:約5時間 下り:約3時間)
プリンスルートとは、富士宮口5合目から御殿場6合目へ進み、そして山頂に至る登山ルートのことです。2008年8月に、皇太子殿下が初めて富士山に登頂された時にこのルートを登られたことから命名されました。
富士宮口5合目から登るためスタート地点の標高が高く、御殿場ルートを登るので、比較的混雑が少ないです。また、宝永火口、箱根連山、駿河湾などを見ることができるため、富士山の魅力をたっぷり味わうことができるでしょう。ただし、コース分岐が多くとまどうこともあるので、慎重に確認しながら進む必要があります。
ⅵ.富士吉田口登山ルート 登山口:北口本宮冨士浅間神社
- 登山口の標高:850m
- 標準登山時間:約19時間 (登り:約11時間 下り:約8時間)※馬返しまでバスで短縮することも可能
このルートは、富士山を麓から登りたい!という強者向けです。古来の富士講登山では、麓からの吉田口ルートを登っていたそうです。北口本宮冨士浅間神社からスタートし、馬返しを通り、吉田ルートの五合目へと合流します。
- 北口本宮冨士浅間神社
- 山梨 / パワースポット / 観光名所 / 神社 / 紅葉 / 縁結びスポット
- 住所:山梨県富士吉田市上吉田5558地図で見る
- 電話:0555-22-0221
- Web:http://sengenjinja.jp/
ⅶ.富士山山頂お鉢巡りルート
- 1周:2.6㎞
- 歩行時間計:約1時間30分
お鉢巡りとは、4つの登山口から山頂まで向かい、その後山頂をぐるりと一周するルートのことです。3,776mの三角点がある剣ヶ峰に行くためには、このお鉢巡りをする必要があります。また、山頂郵便局もあり、そこから手紙などを投函する方もいます。山頂に登った時点でだいぶ体力は奪われていますので、無理のない程度で巡ってみてください。