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博物館「ワールド・オブ・ジェイムズ・ヘリオット」の見どころ15選!
博物館には、ヘリオット先生シリーズのファンや、ヨークシャー地方で休暇を過ごす方など、国内外から多くの観光客が訪れます。40年代の生活様式を再現した内装は、当時を知る人も知らない人も楽しめるタイムカプセルのような空間です。
そして、獣医学に特化した展示スペースは国内唯一の場所で、専門家やそうでない方も興味深く拝観することができる資料がたくさん展示されています。
それでは、そんな博物館「ワールド・オブ・ジェイムズ・ヘリオット」の見どころを15選にして、ご紹介します!
1. Entrance Hall (エントランス・ホール)
建物の玄関広間にあたるエントランス・ホールが、ミュージアムの入口になります。素敵なタイル床の模様に導かれながら扉を開けると、ホールの突き当りにある背の高い振り子の大時計(グランドファーザークロック)に気が付きます。
高い天井から吊り下がるライトの緩い明かりが壁のクリーム色を照らして、とても暖かい気持ちになる空間です。支払いに来た農場主がドアを叩く様子や、往診から帰ってきたヘリオット先生が壁にコートを掛ける姿が目に浮かぶ空間です。
2. Dining Room (ダイニング・ルーム)
彫刻が素敵なダイニングテーブルや、手入れの行き届いたオーク材のサイドボードやカウンターテーブルなどが並べられたダイニングルームは、家族が食卓を囲んだ部屋でもあり、診療所の待合室でもありました。
上の写真は、物語に登場するパンフリー夫人と、飼い犬のトリッキー・ウーがダイニング・ルームに座っている様子です。トリッキーはペキニーズで、パンフリー夫人に溺愛されていました。
またカウンターテーブルには請求書を作成したタイプライターが置かれており、かつてはこれを使って支払いなどを処理していました。ちなみにこの部屋の家具のほとんどはワイト氏の家族の所有物で、手作りのサイドボードは所有して100年以上たつそうです。
3. Sitting Room (居間)
廊下を挟んでダイニング・ルームの向かいにあるのは、家族が団欒の時を過ごした広い居間です。壁一面に広がる大きな窓の外には、お庭が広がっています。写真左の炉棚の上にあるのは、ビアグラスに蓋が付いたような形の金属製のタンカード(ビアマグ)。その日の売上を詰め込むヘリオット先生の共同経営者・シーグフリードの姿が目に浮かびます!
居間には暖炉を囲むように置かれた大きなソファーや、床に広げられた子供のおもちゃ、テレビやラジオ、本棚と読書ランプなどが身を寄せ合うように置かれ、家族がみな思い思いの事をしながらも、同じ空間で一緒に時を過ごした憩いの場所であることがうかがえます。
4. Air Raid Shelter (地下の防空壕)
第二次世界大戦中は、ドイツ空軍の攻撃から身を守るために地下室をシェルターや石炭庫として使用していました。
地下室には、戦時中に掲示されていたポスターやチラシ、ベッドなどが剥きだしの石壁に囲まれた室内に展示されています。ヒヤリと涼しい空気を感じながら、戦時中の情景を思い浮かべる空間でもあります。
5. Dispensary(医務室、薬棚)
台の上には顕微鏡や天秤はかりがあり、壁の棚にはワイト氏が活躍していた時代に使用されていた薬の瓶や箱がビッシリと並んでいます。
超音波やレントゲンを使った検査方法が無かった時代では、実践で培った経験と知識が診断や治療、投薬などを決める大きな手掛かりでした。
6. Consulting room (診療室)
犬や猫、ウサギなどの小型の動物の診察を行っていた部屋です。ガラスのフラスコ瓶や試験管、ステンレスやガラス製の注射器などは、現在の動物診療所ではほとんど見かけない古い医療器具が整然と置かれています。
7. Breakfast Room (朝食用の部屋)
セントラルヒーティングがなかった時代、寒い朝には家の中で一番暖かかったこの小さな部屋で、暖を取りながら一家が朝食をとったそうです。また、ワイト氏の妻ジョアンが裁縫をしたり、時にはワイト氏がダイニングテーブルの上で手術を行った事もあるそうです。