アメリカ料理としてのファストフード・フライドチキンを、アジアの要素で表現したフク/Fuku。モモフク創業者/アメリカで最も注目されるアジア系シェフの1人「David Chang」プロデュースの、話題のお店の紹介です。
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ファストフード店「フク」の概要
「フク(Fuku)」はアメリカの有名シェフ「デビッド・チャン(David Chang)」がプロデュースするフライドチキンサンドイッチ専門のレストランです。アメリカの東海岸地域(NY1店、ボストン2店)で3店舗展開しています。
商品の内容としてはケンタッキー(KFC)に似ていますが、アジア料理(特に韓国料理)にインスパイアされた内容のフライドチキンが特徴的なお店です。
デビッド・チャン(David Chang)
デビッド・チャンは韓国系アメリカ人のシェフで、現在アメリカで最も有名なアジア人&シェフのうちの1人と言える人物です。アメリカを中心に世界展開するレストラン「モモフク(Momofuku)※」の創業者でもあります。
Esquire誌の「21世紀もっとも影響力のある75人」では、政治家のヒラリー・クリントン、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグらとともに選出されています。
デビット・チャン本人がアジア人であるためか、作る料理もアジア系と思われがちですが、あくまでもアジアをルーツにした「アメリカ料理」がコンセプトなのが彼の料理の面白いところだと言えます。
メディアの出演も多く、最近では2018年のネットフリックスのオリジナルシリーズ『アグリーデリシャス(Ugly Delicious)』が話題を呼んでいます。(動画の1:42では、デビット・チャンが日本語を話しています)
※モモフク(Momofuku)
「フク」 の母体とも言えるレストランの「モモフク(Momofuku)」は、日清食品の創業者でチキンラーメンやカップヌードルの開発者である日本人「安藤百福(あんどうももふく)」にちなんでつけられています。「motherfucker(=クソが)」に音が似ていることも偶然ではないと言われています。
ちなみにモモフクはボストンでも高めのレストランといった印象だそうです。それを踏まえて「フク」をあえてを日本で例えるなら、「あの叙々苑が韓国仕込みのポップなハンバーガーショップを始めた」といった感覚とでもいいましょうか。
すでにケンタッキー(KFC)で知られているように、フライドチキンというアメリカのフォーマットにアジアのスタイルを落とし込んだ店、という見方をしても面白いファストフード店が「フク」なのではと思います。
ファストフード店「フク」の様子
外観
今回紹介する「フク」はボストンの「シーポート(Seaport)」という洗練されたお店が集うエリアにあります。「フク」も負けず劣らずスタイリッシュな外観で、おしゃれなファッションブランドのお店のような外観です。
内装
内装はオレンジと白で統一されていて清潔感があるポップな空間で、ワクワクするような雰囲気があります。
レジ前
ケンタッキーやマクドナルドと同じように、レジで注文し、商品を受け取るスタイルです。ガードレール格納式ベルトや看板にも「フク」のデザインが施されています。
ドリンクコーナー
ドリンクを注文してから自分で入れるのもアメリカ式です。 烏龍茶、ゆずのレモネード、ピーチティーがあります。(ちなみにモモフクのロゴは桃です)
デビッド・チャンは日本に住んでいたこともあり、日本の食文化に対して造詣が深い人物で、「ウーロン茶」「ゆず」など日本の定番メニューを採用しているのも特徴的です。
ロゴは日本語
店員は皆「フク」と日本語のロゴがデザインされたユニフォームを着ています。お持ち帰りのバッグにはローマ字で「Fuku」とデザインされています。
ファストフード店「フク」のメニュー
メニューはレジのスクリーン2画面にまとめられています。 チキンサンドイッチ類、フライドチキン類、サラダ類、サイドメニューとあります。
スパイシーフライドチキンサンドイッチ
「スパイシーフライドチキンサンドイッチ(Spicy Fried Chicken Sandwich)」は、辛めに味付けされたフライドチキンが挟まれたシンプルなサンドイッチです。マクドナルドのチキンタツタをグレードアップさせたような味です。
- 8ドル/880円
鉄板焼きチキンのサンドイッチ
「フラットトップ(Flat Top)」という名前のメニューで、鳥のもも肉の鉄板焼きに人参のコールスローがトッピングされています。
- 9ドル/990円
スパイシーフライドチキンの特製サンドイッチ
「BOS」と書かれたメニューで、スパイシーフライドチキンにかぼちゃのフライ(squash rings)や特製の辛いソースがトッピングされたボリュームのあるメニューです。
- 10ドル/1,100円
ファストフード店「フク」のおすすめポイント
誤解を恐れず単純化すれば「韓国風味のケンタッキー」といった内容です。辛いジャンクフードが好きな人には強くおすすめしたいです。しかし味はKFCと比較するのが申し訳ないほど美味しいです。
ただし「フク」の魅力はそれだけではありません。地元のアメリカ人に「アメリカ料理のファストフード」として消費されている様子自体も興味深いです。
「アジア系アメリカ人がアメリカ料理を作ったらこうなる」という、多様なアメリカ料理の振れ幅の一端を垣間見ることができます。
たかがフライドチキンといえどハッとする気づきがあるようなお店なので、アジア人(特に日本人)にとっては一見の価値があると思います。
以下の人に特におすすめ
- 現代のアメリカ料理に興味がある人
- 唐揚げや辛いジャンクフードが好きな人
- ケンタッキーと韓国料理を知っている日本人
※記事内のアメリカドルから日本円への換算は、1ドル=110円で計算しています。
- フク
- アメリカ / ファストフード / ハンバーガー
- 住所:43 Northern Ave Boston, MA 02210地図で見る
- Web:https://eatfuku.com/