アメリカバイソンといえば、広大な自然で生息する、体のいかつい、野生の動物というイメージですよね。そんなバイソンは実はとっても美味しいんです!その上、牛肉に比べるとヘルシー。今回は、そんなバイソン料理が食べられるレストラン、アメリカ全土に展開している【Ted’s Montana Grill テッズ モンタナ グリル】をご紹介します。
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【アメリカバイソン】とは
【アメリカバイソン】(以下、バイソン)は、お尻はキュッとしているけど、肩はいかつくて、顔がでかい、その顔の周りは毛がモジャモジャ。
でも、こう見えても「牛」の一種で、見た目で特記するなら とにかくデカイ! どれくらいデカイのか、筆者調べではありますが平均値比較を参考までにご紹介しますと・・・
- 日本が誇る黒毛和牛は 肩高 140cm 、体重 700kg
- 乳牛のヨーロッパのホルスタインは 肩高 160cm 、体重 1,100kg
- そしてバイソン! 肩高 200cm 、体重 1,300kg
個体差はあると思いますが、バイソンは「牛」の中では一番デカイ といっても過言ではないと思います。
バイソン肉は赤身肉で低カロリーなのに旨〜い!
見た目に慣れていない日本では「バイソンって美味しいの?!」と思うかもしれませんが、最初に言っておきます。旨いです。激旨です。でも、霜降り和牛のような脂身が好きな方には向かないかもしれません。
と言うのも、バイソンは、そんな大きな姿が「点」に見えるくらい広大な自然の中で、思いっきり自由に、完全ストレスフリーで育っていますし、普通の牛は穀物を食べるのに対し、バイソンは草しか食べません。だから 脂肪分がほとんどなく、高タンパクな赤身肉で低カロリー 。調理方法はステーキがベスト、と言われています。
慣れ親しんでいる通常の牛肉にはない素朴な味がしますが、むしろそれがイイ!クセがあるわけではありません。弾力がありつつも柔らかく、噛めば噛むほど、口の中にじわ〜っとに肉の旨味が広がります。
さらに 鉄分 を、と〜っても多く含んでおり、牛肉の3倍! 鶏や豚その他の動物と比べても、鉄分の多さはダントツなんだとか。
そんな、ヘルシーかつ栄養価の高いバイソン、今のご時世なら誰もが食いつきそうなのですが、なぜ、あまり見かけないのでしょうか?
人間の酷い仕打ちで一度は絶滅の危機に・・・
バイソンは、かつてはネイティブ・アメリカンの重要な食料源でした。他にも、毛皮は服やテントに、骨は武器に使用されていましたが、バイソンとは共存していました。この頃は、6,000万頭ほどは生息していたそうです。
ところが、17世紀に植民地を求めてやってきた 白人たちの猟銃による乱獲 が始まります。毛皮を商用に使うための乱獲、娯楽の狩猟のための乱獲・・・
さらに酷いのは、侵略者白人に抵抗していたネイティブ・アメリカンに打撃を与えるために、彼らの生活に必須であったバイソンを ただ射殺するだけ射殺して放置する 、という残虐なこともしていたそう。
バイソンが減った結果、ネイティブ・アメリカンは飢餓状態になり、白人社会に従わざるを得なくなった…とも言われています。
国立公園・保護区の設置で個体数も回復
そうして乱獲を続けて、気がついたら、6,000万頭もいたバイソンは、たったの数100頭にまで減ってしまったんだそう。ケタの違いにショックです。
19世紀に入り、ようやく「バイソンを保護しなければ」という活動が始まりました。
アメリカには、“自然をあるがまま守るために国が管理する”という趣旨で「National Park アメリカ国立公園」がありますが、バイソンの保護は、1872年にできた世界初の国立公園「イエローストーン国立公園」が筆頭。アメリカ国立公園のマークにも、バイソンが描かれています。
イエローストーン国立公園と一言で言っても、その敷地はとてつもなく広く、ほぼ人の手を介入せず自然の中で個体数を増やしています。イエローストーン国立公園では、悠々と道路を歩くバイソンもたくさん見られますヨ。
その他にもバイソン保護区が設置されるようになり、いまでは 野生のバイソンは30,000頭 くらいまで復活しているそうです。
ですが!もちろんそのような保護区のバイソンは食べてはいけません!食用のバイソンは、それ専用の牧場があり、今回ご紹介する【Ted’s Montana Grill テッズ モンタナ グリル】も、食用のバイソンを提供しています。
全米に展開している【Ted’s Montana Grill テッズ モンタナ グリル】とは?!
【Ted’s Montana Grill】は、トレードマークが「バイソン」である通り、バイソンの料理が楽しめるレストランで、今や全米に45店舗以上展開しています。
19世紀のクラシックな雰囲気を意識した内装ですが、あまりにも汚い格好でなければ、特にドレスコードはありません。 キッズメニューもあるのでファミリーも気軽に利用できる雰囲気です。
CNNの創始者だから自社でバイソン牧場が持てる!
さて、店名にもある【Ted】って誰?と思いますよね。実はこの方は、今や全世界のニュースを発信する【CNN】の創始者【Ted Turner テッド・ターナー】さんのことなんです。
CNNを創設しただけではなく、アトランタのスポーツチームを買収したり、メディア業界人としてたくさん活躍されてきています。
そして全米でも有数の資産家!モンタナ州をメインに合計 2,000,000エーカー以上(ざっくりですが、埼玉県+栃木県 または 四国の半分くらい)の牧場を持っており、そこでは 45,000頭以上 のバイソンを飼育しているんだそう。
また、【Ted’s Montana Grill】が2002年に開業できたのは、もう一人の功労者がいます。【Ted’s Montana Grill】のCEOである【George W. McKerrow ジョージ・W・マッケロー】さんです。
アメリカのフードサービス業界紙『Nation’s Restaurant News』では “dinner-house legend ディナーハウス・レジェンド” と呼ばれており、数多くの有名レストランを立ち上げてきた実績のある、まさにレジェンド!
店内のバイソンのトロフィーは必見!
どの店舗にも必ずあるのが、バイソンのトロフィ(頭部の剥製)。是非近寄って見てください。初めて見る方は、あまりにもの大きさに、びっくりするに違いありません!ほんっとうにバイソンって大きいです!
我々のために命をくれたバイソンなので、美味しく食べましょう!
…とは言っても、日本人の胃袋では完食は厳しいかもしれません。そんな時は、無理して食べずにぜひ「お持ち帰り」しましょう。「Doggy bag , please(ドギーバッグ、プリーズ)」と言えば、持ち帰り用の容器を提供してくれます。