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月波楼:全ての茶室が見える建物
この月波楼は、全ての茶室を一度に見ることができる位置にあるそうです。
ここで分かる!藍と白のチェック模様の意味
こちらの茶室の窓から見えるのが、先ほど紹介した松琴亭。
全体の庭の中で、松琴亭の内部にあるあのチェック模様がアクセントになっているのです。笑意軒もそうですが、全ては、メインとなる場所からの景色の為に造られたもの。良く考え付くものだなと驚かされます。
天井が何かに似ている?
月波楼の建物の天井は、実は舟をイメージしているそうです。確かに天井だけひっくり返せば、舟の形になるような。
この木の意味とは
その天井を支えている一本の木。支柱かと思いきや、全く支えになっていないとのこと。では、なぜ、あえて木をそこに設置したのか。それは、支柱に見せかけた細い木があることで、「軽さ」を表現しているそうです。芸が細かい、驚きです。
紅葉を楽しむためにあえて池を隠してる!?
月波楼のある部屋にある窓から見える景色は、小山。障子が額縁のようで、ちょうど真ん中に見える小山が一枚の絵のようです。紅葉シーズンになると、紅葉が綺麗だそうです。さて、ここで皆さんお気づきでしょうか。ここからの景色には、池が見えません。
池ではなく、山の景色を楽しんでもらう為に、上記写真のように建物の周りに茂みを作り、窓から見える池を茂みで隠したそうです。こだわりが凄いですね。
様々な石の技法にも注目
桂離宮の見学で筆者が感動したものの一つが「石」です。石の色も変わっていましたが、とても綺麗でした。そして、石の置き方にもそれぞれ工夫が凝らされていたのです。
行の延段、草の延段
「行の延段」は、切り石と自然の石を混ぜて敷いたたものです。外腰掛あたりで見ることができます。「草の延段」は、自然石のみを使用した様式です。まあるい石が敷かれているため、素朴で自然な印象です。
真の延段、あられこぼし
「真の延段」は、角状の切り石のみが使用されており、これまでに紹介した様式の中では一番格調が高いようです。桂離宮では、見学ツアーの最後あたりに見ることができます。
また、見学ツアーゴール地点の地面を見ると、小さな小さな石が敷き詰められています。ガイドの方に質問すると、こちらは「あられこぼし」という技法だそうです。このように、桂離宮では様々な石の技法を見ることができます。
桂離宮を訪れる前の注意点
時間厳守
見学ツアーは、時間厳守です。14時スタートの回であれば、14時ピッタリに始まります。5分くらい遅れても大丈夫でしょう、と思われている方、完全にアウトです。時間ピッタリに、参観者待合室からガイドに連れられて移動し、見学がスタートします。余裕をもって桂離宮に行きましょう。
事前予約以外は各回20名限定
見学に関して、ネットからの事前予約もできますが、各回20名に対して枠が空いていれば当日訪問して窓口でチケットの購入をすることも可能です。ただ、わざわざ桂離宮まで足を運んで、窓口でチケット購入をしなければなりません。
事前の電話予約が不可の為、当日窓口に電話をし、その段階では空いていても、桂離宮到着時には完売なんていう悲惨な事態も起こりえます。絶対に中を見て回りたい、という方は、ネットで事前に予約をしておきましょう。
待つ場所なし
集合時間よりも早めに到着しても、館内の待合室が開くのは、予約している回の20分前からです。筆者は15時の回で予約し、館内へは14時40分から入ることが可能でした。
桂離宮は住宅街に囲まれており、すぐ近くにカフェ等のお店はありません。雨が降っていても雨宿りできる場所や、寒くても体を温めることができる場所はありません。もしも早めに行かれるのであれば、20分前到着を目安に行きましょう。
意外にかかる見学所要時間
広々とした庭園だけあり、スタートからゴールするまでに約1時間半かかりました。筆者は15時の回に参加したのですが、最初の場所まで戻ってきたのは16時半。ガイドの話や見て回るスピードはグループによって異なる可能性はありますが、おおよそ1時間半はかかると思っていた方が良いと思います。
通った道は二度と戻れない…
先頭にはガイド、後ろには監視する人がおり、「写真を撮り忘れた!」等と言って通った道を戻ることは許されません。前進する前に、写真の撮り忘れが無いようにしておきましょう。
トイレは館内で、見学ツアー前に済ませる!
桂離宮の庭園内にも設置されたトイレはありますが、館内(参観者の待合室)にもトイレがあります。1時間半かけて庭園を回りますので、見学が始まる前に、館内で事前にトイレを済ませておいたほうが良いでしょう。
アクセス方法
- 阪急京都線 桂駅から徒歩20分
- 市バス・京阪京都交通 桂離宮前から徒歩8分

- 桂離宮
- 嵐山・嵯峨野・太秦・桂 / 建造物 / 庭園 / 穴場観光スポット / 庭園の名所 / 歴史的建造物
- 住所:京都府京都市西京区桂御園地図で見る
- 電話:075-211-1215
- Web:http://sankan.kunaicho.go.jp/guide/katsura.html