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【京都太秦】珍風景・三つ鳥居は”世界の中心”京都で一番パワーが満ちる木嶋神社

取材・写真・文:

愛知在住

2021年6月7日更新

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写真:Takako

太秦といえば映画村テーマパークが、江戸時代の日本の忍者やお姫様など体験できると外国人にも人気の地域です。太秦の意味は、世界の中心地という意味があるそうですが、それを意図したような神社があることはあまり知られていません。それが木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)通称木嶋神社です。神社にあるパワースポット「三つ鳥居」や境内についてお伝えします。

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日本のハリウッド、映画村でおなじみの太秦はなぜ「うずまさ」?

京都の太秦にある東映太秦映画村では、時代劇の撮影が行われるほか忍者体験やお姫様、新選組の衣装をつけるなどの体験テーマパークとして人気ですが、太秦という漢字で、なぜ「うずまさ」というのでしょうか。

当地で養蚕や織物を生産していた氏族は、シルクロードから中国・朝鮮をへて渡ってきた民族でした。その氏族が反物をうずたかく積み上げていたので「兔豆母利麻佐(うつもりまさ)」という名を天皇に与えられたから「うづまさ」になったという説や、「うづまさ」はヘブライ語で「処刑された救世主」を意味しているといって、彼らの神であったキリストを暗示したともいわれています。

そのようになぞ多き”太秦”に、木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)はあります。

「蚕の社」で親しまれる神社

  • 写真:Takako

古墳時代、当地に渡来した絹織物などの先進技術者集団は、通称・木嶋神社(このしまじんじゃ)の本殿の東側に織物の祖神である蚕養神社(こかいじんじゃ)を祀ったので、「蚕(かいこ)の社」とも呼ばるようになりました。

木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)という社名に込められたもの

  • 写真:Takako

御祭神は、天御中主命(あめのみなかぬしのみこと)という天津神と、大国魂神(おおにくたまのかみ)という国津神、そして穂々出見命(ほほでみのみこと)鵜茅葺不合命(うがやふきあえずのみこと)という日向(宮崎県)に拠点をもっていた天孫族が、あわせて祀られている珍しい神社です。

天津神、国津神、天孫族の三族が力を合わせてよい国にして行こうという表れが、木嶋神社にある全国でも10基程度しか見られない、鳥居が三本の柱で正三角形組み合わされた「三つ鳥居(みつとりい)」だということです。

また、社名の「あまてるみたま」の神とは、鎮守の森の奥に鎮座する三つ鳥居そのものを指しているものと考えられています。

日本に10基程度しかない三つ鳥居

鳥居とは、多くの神社の「玄関口」にあり、神様が鎮座する神域と俗社会の境目に設置されているのがほとんどで、木嶋神社にも通常の鳥居があります。しかし、木嶋神社の特徴的な三つ鳥居は、森の奥深い、元糺(もとただす)の池といわれる水場にあります。

今は枯れて普段は水がありませんが、元糺の池からは泉がコンコンと湧き出し、川が流れだすようになっていたようです。泉が湧き出たという場所にはこんもりと石が積まれていて、ここが最大のパワースポット。中心部に手をかざすと温かく感じられたそうです。※現在は三つ鳥居に近づくことができないようになっていて神域が守られています。

  • 写真:Takako

縄文時代は戦いの無い時代だったと言われていますが、時代が下ると天津神(あまつかみ、天から現れた高天原の神)と国津神(くにつかみ、地上の政をおこなう神)と天孫族(てんそんぞく、渡来人と融合した神)と分類されるようになるにつれ反目して戦いが起こるようになりました。

木嶋神社では、この「天・地・諸外国」を象徴する三つの種族が力を合わせて、世界の中心としてよい国を作って行こうという強い意志を、この三つ鳥居に込められたということです。

もともとは下鴨神社だったなごりの「元糺の池」とは

当社の由緒版に、嵯峨天皇の時代(786年‐842年)に下鴨神社が現在地に遷座したとあります。その名残として「元糺の池」がのこっています。「糺す」と名付けられた由来については諸説ありますが、意味は「いつわりを直す」ことです。この池は、罪穢れを祓い清める身禊ぎ(みそぎ)場で、夏季にはいった最初の土用丑の日に、この神池に手足を浸せば諸病にかからないという俗説があったということです。

元糺の池が下流に流れる先に、質素なお稲荷さんが鎮座します。

お稲荷さんを祀る白清社

古文書によれば、お稲荷さんの神様「ウカノミタマノカミ」の眷族(けんぞく)である三狐は、もともと天皇に反逆した罪で死刑になるところを、ウカノミタマノカミによる命乞いで命を助けられました。その代わりに、眷族としてウカノミタマノカミにお仕えすることになったそうです。

このことから察するに、三狐の罪を糺した池が当地だったのではないでしょうか。この白清社は、三狐の住処と思えるような、洞窟のような石室となっています。

京都で最も古い由緒をもつ元糺のお社

元下鴨神社であり、伏見稲荷大社の創始にも深く関係しているとの見方もある木嶋神社。さらにほかにも、キリスト教の一派ネストル教との深いかかわりがあるとされるなど、まだまだ”なぞ”多き当社には興味が尽きませんね!

木嶋坐天照御魂神社
嵐山・嵯峨野・太秦・桂 / 神社 / パワースポット
住所:京都府京都市右京区太秦森ヶ東町50地図で見る
電話:075-861-2074
Web:https://kanko.city.kyoto.lg.jp/detail.php?InforKin...

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