フランスの首都パリから電車で約1時間、世界遺産のシャルトル大聖堂で有名なシャルトルの街に着きます。今回は、パリから日帰りも可能なシャルトルの街の魅力をご紹介します。
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シャルトル(Chartres)とは?
パリの主要駅の一つ、モンパルナス駅(Gare Montparnasse)から南西へ電車で60〜70分のところにあり、距離的にも日帰り旅行にもぴったりの街です。
中でも、ノートルダム大聖堂(シャルトル大聖堂)は、パリ近郊を回るツアーにも組み込まれるなど、人気の観光スポットになっています。旧市街自体は小さいので、数時間で無理なく歩くことができますが、静寂のシャルトルの街やゆっくりと大聖堂を見学したい方は、1泊だけでも宿泊することをオススメします。
キリスト教化される前には、ガリア人(ケルト人の一派)たちの巡礼地であった、シャルトル。今回は、そんな歴史的にも重要な巡礼地であるシャルトル大聖堂を中心とした、シャルトルの街の魅力をご紹介します。
1. シャルトル大聖堂
シャルトルの一番の目玉は、やはりシャルトル大聖堂です。フランス国内で最も美しいゴシック建築の一つとされている大聖堂で、1979年にはユネスコの世界遺産にも登録されました。
大聖堂は、シャルトルの駅から徒歩10分程度のところにあり、大聖堂のある旧市街へ向けて坂を登る前からその巨大なシンボル的存在である大聖堂を眺めることができます。大聖堂にひとたび入ると、全長100m超える176のステンドグラスが作り出す、静謐な空間に圧倒されることでしょう。
建築、彫刻、ステンドグラスといった点でフランスのゴシック建築最高峰と名高いシャルトル大聖堂ですが、大聖堂内に入ったら主祭壇右外側の彫刻を見てみてください。キリストの誕生から受胎告知、そして磔に至るキリストの生涯が克明に表現されています。
「シャルトルブルー」のステンドグラス
シャルトル大聖堂のステンドグラスは、フランス広しといえどもその精巧な装飾と芸術性の高い鮮やかな色から高い評価を得ています。
「シャルトルブルー」と名付けられた鮮やかな青い色が特に有名となっています。聖書がテーマのステンドグラスの中でも聖母マリアとその子を描写したものや、アダムとイブの物語を描いた失楽園、ノアの箱舟がよく知られています。
これらのステンドグラスの起源は、13世紀初頭にまで遡り、16世紀の宗教戦争や第二次世界大戦といった戦火からの損失も免れ、時空を経て現代にまで存続しています。
地下礼拝所(クリプト)
シャルトル大聖堂の地下にある礼拝所(クリプト)は、ツアー(フランス語のみ・大人1名3ユーロ)によってのみ見学することができます。ツアーは、季節や曜日によって1日あたりの回数が異なりますが、おおよそ30分〜45分で案内してもらえます。
クリプトには、現在のシャルトル大聖堂の建物の中で最も古い部分が残されており、井戸「サン・フォールの井戸」や巡礼者が祈祷に身を捧げる際にこもった「地下聖母聖堂」、そして12世紀の壁画が残る「サン・クレメント聖堂」など、様々な祈祷空間に仕切られています。
いずれも地上階のシャルトル大聖堂内とは異なるより静謐な空間となっており、一見の価値があります。
- シャルトル大聖堂
- フランス / 社寺・教会 / 教会
- 住所:16 Cloitre Notre Dame, 28000 Chartres, France地図で見る
- 電話:(0)2 37 21 59 08
- Web:http://www.cathedrale-chartres.org/
2. 歴史保存地区
坂の上のシャルトル大聖堂から、旧市街に沿うようにユール(Eure)川が流れています。ぜひ、旧市街の商店街をそぞろ歩きしながら、川沿いに出てみてください。船着き場つきの家や小さな石橋、伝統的な家屋などが立ち並んでおり、旧市街内はタイムスリップしたかのような独特の趣ある雰囲気を味わうことができます。
北西フランスの名物のガレットやクレープ屋さんも点在しており、街歩きの合間にぜひカフェやレストランで一息つきたいですね。
3. 大聖堂全景を楽しむならココ!公共図書館?!
シャルトルの街は、大聖堂を中心として坂の街であり、景観保全の観点から旧市街には高層ビルもありません。そこで、シャルトル大聖堂の外観を無料で楽しめるスポットが、現地の人もオススメの公共図書館「Médiathèque L'Apostrophe」(メディアライブラリー アポストロフィ)です。
1923年から4年間にわたって建設され、ネオゴシック式の歴史的建造物として芸術品のような重厚な外観です。地下1階、地上6階建ての大きな建物は現代にも使いやすいように改修されており、地下はオーディトリウム、他の階はマルチメディアのコレクション、書籍、新聞、CDやDVDなどを閲覧・貸出することができます。
文学・アート関連の書籍の揃った最上階へ上がってみると、白を基調とした明るく開放的な空間となっており、歴史的な装飾が施された大きな窓からは大聖堂を眺めることができます。机と椅子もあるので、旅の記録をつけながら、うっとりとシャルトル大聖堂を鑑賞するのもツウな過ごし方ですね。
- メディアライブラリー アポストロフィ
- フランス / その他スポット
- 住所:1 Boulevard Maurice Viollette, 28000 Chartres地図で見る
- Web:https://mediatheque.chartres.fr/
まとめ
いかがでしたか?
パリから気軽に行ける、世界遺産・シャルトル大聖堂を擁するシャルトルの街。せっかくなら、ゆったりと時間をとって、地元の人たちにも愛されるシャルトル大聖堂のある風景を色々な角度から見て、楽しんでみたいですね。