美しい天空の街オルヴィエート。この街の地下にもう一つの都市といわれる場所があるのをご存知ですか?今回はこの地下都市の様子が見られるツアー「Orvieto underground Tour」をご紹介します。
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断崖絶壁の丘に造られた要塞都市、オルヴィエート
イタリア中部にある「オルヴィエート」は、火山灰が固まってできた凝灰岩の崖の上に広がる街。離れたところから眺めると、その姿がはっきりとわかります。
地下都市の発見
1970年後半、この断崖に亀裂が入り、街の地下に洞窟があることが発見されました。これをきっかけに、地下洞窟の発掘が始まり、近年までに1,200以上の洞窟があることがわかっています。
オルヴィエートの地図。赤くなっているところが地下洞窟です。これだけあると、「街の下にもう一つの街がある」と言われるのも納得がいきます。
地下洞窟ツアー「Orvieto underground Tour」
この洞窟が見学できるガイド付きツアーが、「Orvieto underground Tour」です。ツアーは1日4回の予約制。ガイドは英語かイタリア語で、予約時にどちらの言語のツアーに参加するか聞かれます。入場料は€7(¥850)、所要時間は約1時間です。
通常のツアー開催時間は11時、12時15分、16時、17時15分だそうですが、予告なく変更されることがあるので、予約時に確認してくださいとのことでした。
大聖堂の前にあるこのオフィスでツアーの予約をします。ツアーの始まる前に行けば、当日でも予約可能です。
洞窟内部
ガイドさんの説明を聞きながら、洞窟を進んで行きます。洞窟の壁面は凝灰岩でできており、爪で強くこするとボロボロと崩れるぐらい柔らかさ。こんなに脆い土壌だから穴を掘るのも簡単だったのだろうと想像できます。
洞窟に入って初めに現れるのが、中世の頃に使われたオリーブの搾油所です。
冬場はかなり寒くなるオルヴィエートですが、洞窟内は年間を通じて18度前後で、オリーブオイルを絞るのにも、保管するのにも最適な温度だそうです。
井戸
こちらは井戸。3000年以上前、この地方の先住民族エトルリア人がこの洞窟を掘りはじめました。この街の下は凝灰岩の水はけが良い地質のため、雨水は地上に残らず、凝灰岩のさらに下の地質にたまります。そのため地下水を得るためには深い井戸を掘る必要があったそうです。この時代に造られた井戸は全て長方形で、人間が入れる最小限の大きさだとか。
紀元前2世紀にローマ人に征服されてしまうこの街ですが、この井戸のおかげで水が確保でき、崖の上にとどまることができるようになったため、ローマ軍の侵略に2年以上も対抗することができたと考えられています。
鳩の巣
こちらは別の洞窟の光景。この穴はみんな鳩の巣なんです。こうやって巣を与えてやれば、鳩はここから外に出て自分で餌を採ってきますから、餌を与える必要はありません。そしてここで子供を産み、育ててくれます。そして、そのヒナが食べごろになったら、食用として売りに出していたそうです。
確かに崖の下に降りないで、動物性タンパク質を摂取できる素晴らしいアイデアです。ちなみに今でも鳩料理はオルヴィエートの名物です。
- オルヴィエート・アンダーグラウンド(チケット売り場)
- イタリア / その他スポット
- 住所:Piazza Duomo, 23 05018 Orvieto Italy地図で見る
- 電話:0763ー344891(347ー3831472)
- Web:http://www.orvietounderground.it/
この記事を書いたトラベルライターから一言
3000年前から人の手だけで掘り進められた空間が複雑に入り組む様子は、まさに地下都市!。細かいことがわからなくても(英語かイタリア語だけですが、ガイドさんの説明は上記で解説したような感じです)、感動すること間違いなしです。
凝灰岩は火山灰の固まった物なので、触れると白いホコリが洋服につきます。写真のように狭いところもたくさんあるので、歩きやすい靴、汚れてもいい服で行くといいかもしれません。(Booboo56)