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【北イタリア】ピエモンテ・ブラのスローフードな1日

取材・写真・文:

トラベルライター

2018年10月4日更新

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写真:トラベルライター

北イタリア・ピエモンテ州の小さな街ブラは、地産地消で美味しいものをゆっくり味わう”スローフード”運動の発祥地。歩いて回れる範囲に、スローフードを知り、味わい、買えるスポットが点在しています。

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スローフードとは?

"スローフード"や"スローライフ"という言葉、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。スローフード運動はイタリアに初のマクドナルドがオープンすることになった1986年に、グローバルなファストフードチェーンによって、地元の食の伝統や文化が衰退するのではと危機感を抱いた人々の手により始まりました。

  • 写真:トラベルライタースローフード本部の建物

地元の、季節の旬の食材を使った料理を、家族や友人とゆっくり囲むことを提唱し、それにより在来種植物の保全や食文化の多様性の継承をはかるという、美味しくて楽しい社会運動です。今では150カ国以上10万人以上の会員を持つ、この国際的なムーブメントの本部がイタリア・ピエモンテ州の小さな街・ブラにあるのです。

ブラで1日過ごすなら

ブラの街には、スローフードを知り、味わい、買えるスポットがいくつもあります。ブラに1日立ち寄るなら、こんなプランはいかがでしょう?

朝のコーヒーならここ - Bottega Delle Delizie

1日のはじめは、朝8時から営業の Bottega Delle Delizie (ボッテガ・デッレ・デリツィエ)で。レトロな雰囲気の店内で、一箇所のコーヒー豆農園から買い付け、ブレンドを行わない”シングル・オリジン”の豆を丁寧にハンドドリップで淹れてくれます。

  • 写真:トラベルライター

ドリッパーはハリオ、ケメックス、エアロプレスの3種類から選ぶことができ、同じ豆を2種類のドリッパーで淹れ、味比べをすることのできるテイスティング・セットもあります。ドリッパーが違うと随分味わいも変わるもの!

  • 写真:トラベルライター

イタリアでコーヒーといえば、エスプレッソマシンで淹れたものが主流ですが、ドリップコーヒーが恋しくなった時にもおすすめです。また、店主のこだわりで選んだ地元産のスイーツやリキュールも売っているので、おみやげ探しにもいいかもしれません。

ボッテガ・デッレ・デリツィエ
イタリア / カフェ・喫茶店
住所:Via Pollenzo 6 Bra, Italy地図で見る
電話:+39 0172 44178
Web:https://www.facebook.com/Bottega-delle-Delizie-266...

地元の季節の食材を味わいつくす - Osteria del Boccondivino

ランチあるいはディナーには、スローフード本部ビルの1階にあるOsteria del Boccondivino(オステリア・デル・ボッコンディヴィーノ)がおすすめです。メニューには、地元の生産者さんから届けられた食材をつかった料理や地元のワインが並び、昼でもボトルを開けてゆっくりと食事を楽しむお客様でいっぱい。

  • 写真:トラベルライター地元の農家から直送の旬の野菜のグリルと、水牛のモッツアレラチーズ

仔牛の生産が盛んなこの地域の名産である生ソーセージや仔牛のタルタル、水牛のチーズや、卵黄をたっぷり使った風味豊かな手打ちパスタのタヤリンなど、ピエモンテにきたら食べておきたいものは、ここに来ればすべて食べることができるといっても過言ではありません。

  • 写真:トラベルライター手打ちパスタのタヤリン

ゲートを出た横にはスローフード本部が運営する本屋さんがあり、スローフード運動についての本、スローフードに加盟するイタリア全土のレストランガイドや、レシピブックを買うこともできます。

  • 写真:トラベルライター
オステリア・デル・ボッコンヴィーノ
イタリア / 洋食・西洋料理
住所:Osteria del Boccondivino Via Mendicità Istruita, 14 12042 Bra CN地図で見る
電話:0172 425674
Web:http://www.osteriadellarco.it/boccodivino/ita/oste...

おやつには老舗で絶品ジェラートを - Converso

ブラ近郊は、ヘーゼルナッツの産地。おやつにはヘーゼルナッツを使った素朴な味のトルタ(ケーキ)やジェラートがおすすめです。

  • 写真:トラベルライター

1838年創業のConverso(コンヴェルソ)のジェラートはスローフード本部のスタッフもおすすめする地元の名店。

  • 写真:トラベルライター

顔を近づけるとふわっと漂うヘーゼルナッツの香りと、なめらかな舌触り。大人も子供もみんな大好きなジェラートは、スモールサイズでもたっぷりの盛りで1.5ユーロ(約196円)。もちろんお腹に余裕のある人は2種盛りもできますよ!

バル・パスティチェリア・コンヴェルソ
イタリア / スイーツ
住所:Via Vittorio Emanuele II, 199 - 12042 - Bra (CN)地図で見る
電話:0172413626
Web:http://www.converso.it/

おみやげ探しにぴったり、ブラの”道の駅” !? - LOCAL

Conversoから駅の方へ向かっていくこと2分、駅からは徒歩3分のところに、ブラを発つ前に寄り道したいお店があります。

  • 写真:トラベルライター

LOCALという名の通り、お野菜、ハムやサラミ、野菜、お米やパスタ、小麦粉、ワインなど、いろいろな地元の生産者さんの商品を集めたお店は、地元の人も日常の買い物に訪れる落ち着いた雰囲気。肉製品や要冷蔵の商品はお土産には難しいですが日持ちのするパスタや、ヘーゼルナッツのクリームなどは日本へのお土産にもぴったりです。

  • 写真:トラベルライター地元のオーガニック農家で育てている古代種の麦をひいて作った小麦粉

どうしてもチーズやハムを食べたい時には、お店で焼いたパンやフォッカチャに、ケースのなかの好きなチーズやハムを挟んでサンドイッチをオーダーすることができます。美味しい街の思い出を、帰りの電車の車内で再度噛み締めるのもいいかもしれません。

  • 写真:トラベルライター
ローカル・ブラ
イタリア / スーパーマーケット
住所:Via Cavour, 45 12042 Bra (CN)地図で見る
電話:0172 054012
Web:http://www.bottegalocal.org/

ブラへのアクセス

時間帯により、ルートは様々ありますが、トリノを経由してだいたい2時間半くらいの道のりです。

  • ミラノ中央駅(Milano Centrale) 〜トリノ・ポルタ・スサ(Torino Porta Susa)まで1時間半、乗り換えてブラ(Bra)まで約40分。いずれも2nd class で14.40ユーロ(約1,888円)。
  • ミラノ中央駅(Milano Centrale) 〜トリノ・ポルタ・ヌオヴァ(Torino Porta Nuova)まで約2時間、トリノ・ポルタ・ヌオヴァ(Torino Porta Nuova)からは時間帯によりブラ(Bra)直行電車と、カヴァレルマッジョーレ(Cavallermaggiore)経由の電車があり、いずれも2nd class で14.40ユーロ(約1,888円)。

※ミラノ中央駅(Milano Centrale) からトリノ・ポルタ・スサ(Torino Porta Susa)まで特急列車を使うと、ミラノ〜トリノ間は約1時間、運賃34ユーロ(約4,457円)。しかし乗り換えで待つので、目的地のブラまでいく所要時間はあまり変わらないでしょう。

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