伊豆諸島の有人島の中で、一番小さな島である利島。平坦な道ではありませんが、半日もあればトレイル感覚で島を一周することができます。利島に祀られている神様たちを参拝するコースをご紹介します。
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近くて遠い利島はここにある!
伊豆諸島の有人島の中で一番小さな島である利島(としま)は、竹芝桟橋からジェット船で2時間半で行くことができ、東京湾からは大島の次に近い島です。しかしながら、円錐形の宮塚山(標高507.7m)が一つあるだけという可愛らしい島の形ゆえ、湾もなく波の影響を受けやすいため、着岸率が伊豆諸島一低い島でもあります。
常時70%の着岸率で、冬場は50%まで下がることもあり、一週間船がつかないことも珍しくないそうです。予定通りに利島へ着岸し、旅を終え利島を離れることができたらラッキーと言えるかもしれません。
小さな島に祀られる三神社を参ろう!!
周囲約8kmの島は、北側にだけ集落があります。島を一周できる利島一周道路という道路があり、集落に近いところから「三番神様」、「二番神様」、「一番神様」と島民から呼ばれ親しまれている神社があります。島の人たちは正月の三が日に「山廻り」という行事にて、この神社を一番神様から順に廻り感謝と祈りを捧げます。筆者は三番神様から順に参拝をしました。
港から東に廻り、集落から一番近い三番神様である「下上神社」は、阿豆佐和気命(あずさわけのみこと)の妃である下上命(おりのぼりのみこと)が祀られており、こちらは宮塚山を安全無事に下山した際にお礼参りする場所でもあります。
二番神様は島の南側にある「大山小山神社」で、山と海を支配する「大山祇命(おおやまつのみこと)」が祀られています。山肌にあるので、茂みの中を入っていくようなかたちになりますが、入口に看板が立てられているので見落とすことはありません。山の中にあり、木々の合間から海を臨む位置にある神社となっていますが、まさに山と海を支配する神様にふさわしい場所にあると言えるでしょう。
さらに西側に歩くと、道沿いに一番神様である阿豆佐和気命(あずさわけのみこと)が祀られている「阿豆佐和気命本宮」があります。この島の象徴である宮塚山全体がご神体となっており、宮塚山に登る際は、こちらに参拝してから登っていたようです。道沿いにあるのですぐに見つけることができます。三神社のなかで一番堂々とした佇まいです。
上記4枚の写真のように、これら3つの神社には大人がやっとくぐれるほどの小さな鳥居があり、その向こう側に丸い石段が長く続いていますが、この石段は人が上るものではありません。鳥居の手前で参拝しましょう。
島の南側には南ヶ山園地という広場があります。晴れた日には新島など伊豆諸島の南側の島々を見ることができます。二番神様から一番神様に行く途中にあるので、一休みするには最適な場所です。
旅行者にも参拝しやすい集落内にある「阿豆佐和気命神社」
集落にある比較的大きな「阿豆佐和気命神社」は、一番神様である阿豆佐和気命本宮を、島民たちの参拝をしやすくするために遷座されたものです。島を廻る時間的余裕がなかった場合は、こちらだけでも参拝したいものです。
まだある利島の魅力!!
利島は島全体が椿林で覆われており、1月から2月には島が椿の花で紅く染まります。椿油の生産も盛んで、島内の二つの商店と農協で購入することができます。また、利島にはイルカが住み着いており、春先から秋までドルフィンスイムをすることができます。
着岸率がほかの島と比べて高くない利島は、日程に余裕を持って訪れることをおススメします。民宿や商店の営業日などは事前に必ず確認しましょう。半日もあれば島を歩いてぐるりと一周できてしまう小さな島は、とても穏やかな時間が流れています。喧騒から離れて一息つくには最適な島ですよ。
- 利島
- 伊豆諸島 / 島・離島
- 住所:東京都利島村地図で見る
- Web:http://www.toshimamura.org/