伊豆諸島
伊豆諸島観光
海と山の絶景、そして自然を満喫するアクティビティー!

八丈島の神秘「唐滝」と「硫黄沼」を訪れるトレッキングルート完全ガイド

取材・写真・文:

神奈川在住
訪問エリア:47都道府県

2018年9月5日更新

15,818view

お気に入り

写真:えいぶゆう/TossyPhoto

羽田から小1時間のフライトで行くことのできる離島、八丈島。火山によって作られた八丈島には、豊かな自然を眺めながら気軽にトレッキングを楽しめるスポットがいくつかあります。本記事では、八丈島のトレッキングスポットとして代表的な「唐滝」と「硫黄沼」をご紹介。水の中に硫黄が溶け込み、その時々の天気によって様々な色合いが楽しめる「硫黄沼」と、島の奥で豊かな緑を育む「唐滝」。この2つのスポットへの行き方と装備についてご紹介します。

この記事の目次表示

八丈島ってどんなところ?

八丈島は、東京都に属する伊豆諸島の島です。東京都に属するといっても、東京駅のある「東京」からはかなり南にあり、四国の南側や、九州の北側と同じくらいの緯度に位置しています。さらに、暖流の影響を受けて平均気温が18度と年間を通して暖かく、「常春の島」と言われています。

八丈島は、上空から見みると真ん中がくびれた形をしています。2つの火山がくっついてできたため、ひょうたん型の島なのです。

写真の右側が「八丈富士」、左側が「三原山」です。そして右上にぽつんと小島があり、「八丈小島」と呼ばれていますが、残念ながらこちらは上陸できません。

今回めざす「唐滝」と「硫黄沼」は三原山の南側中腹にあります。それでは、さっそく八丈島に向かってみましょう。

八丈島へ向かうフライト

八丈島には、船か飛行機かの2つの方法で行くことができます。船の場合は、東京竹芝桟橋から、大型客船で所要時間は一晩ほど。23時頃に出発して、翌日の10時頃に到着します。

飛行機であれば、羽田からわずか1時間で行くことができます。本当にあっという間に着いてしまうので、時間を有効に使える飛行機がお勧めです。

飛行機が滑走路から離陸して、15分くらい機首を斜め上に向けて上昇。水平飛行に入ったら、即座にキャビンアテンダントさんが機内サービスで飴を配ってくれます。その飴を口の中でコロコロと転がして、舐め終わるころには「え?もう!?」という感じで着陸姿勢に入ってしまうほど、あっという間に着いてしまうので、より八丈島の近さを実感するでしょう。

マップの入手とエリア情報を確認しましょう

空港に飛行機が到着して、荷物をピックアップしたら、さっそく空港内に設置されている観光案内所に向かいましょう。

ここで「唐滝」と「硫黄沼」へのルートマップをもらい、エリア情報を確認するためです。マップは八丈島のHPからもダウンロードすることができますが、ここでマップを入手しつつ、窓口にて現地情報を確認するのがお勧め。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto八丈島空港内の観光案内所

筆者が訪れた時は、「唐滝」と「硫黄沼」に向かうルートの途中で工事をしていたため、マップ記載のルートから、変更になった個所がありました。やっぱり地元の人に最新情報を確認すると、確実です。また、ルートで間違いやすいところや、適した装備についても詳しく教えてもらえますよ。

「唐滝」と「硫黄沼」への足

空港からの足は、バス、レンタカー、レンタルバイクといくつかありますが、可能であればレンタカーで自走して行ったほうがいいでしょう。

トレッキングは、日々の喧騒をわすれてノンビリと自然を楽しみたいもの。時間を気にせず自分のペース歩きたいのであれば、レンタカーを借りるのが賢い選択です。

レンタルバイクという手もありますが、天候の面でもレンタカーがお勧めです。実は八丈島は、天気予報が当たらないらしいのです。「不思議なもので、八丈島の天気予報は当たらないんですよ。かえって降水確率が低い方がザーザー振りになるんですよ。」とレンタカーショップのスタッフの方が教えてくださいました。

トレッキングの装備

八丈島は予報からは天気が読めないうえに、年間の降水量がとっても多いのです。理由としては、島の周囲は暖流が流れており、雨を降らせる雲がモクモクとできやすい環境だからです。

また、ルートには小さい川をこえる箇所があります。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto滝に向かう途中にある川

雨が多く、足元も濡れるので上下レインウエアに、防水のトレッキングシューズが必須となります。登山経験のある方は既にお持ちの基本装備かもしれませんね。お持ちでない方も、この機会に揃えておくと、天候や足元を気にせず旅を楽しめますよ。

いざトレッキング開始!

「唐滝」と「硫黄沼」に向かうルートの入り口には駐車場があります。ここでレンタカーをとめて、いよいよトレッキングスタート!

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto駐車場

駐車場のそばには、注意喚起の看板がありました。「唐滝への登山道は大雨の影響により落石・滑落など事故につながるおそれがあります。通行にはご注意ください。」とのこと。雨が多く、地面が緩んでいることが常なので、十分注意して進みましょう。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto注意喚起の札

八丈島に着いた時から曇天でしたが、雲はますます濃くなり、雨がしっかりと降るようになってきました。レインウエアに身を包み、万全の構えで向かいます。

ここに来るまでに地元の方々に情報をいろいろと確認してきましたが、道沿いにはどうやら道を惑わすものが多く、唐滝までたどり着けないで引き返す人も多いそう。そのため、道しるべとなるものを中心に、詳細にご説明していきますね。

硫黄沼までの道のり

駐車場をでてからは、しばらく舗装路が続きます。温暖で雨の多い気候なので、ところどころにシダや蔦性の植物が茂っています。既に八丈島ならではの景色に囲まれています。

登山道の数十メートルはアスファルトで舗装されていますが、その先から急に土が剥き出しになります。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto舗装路との境目

駐車場からしばらくは、大きくカーブを曲がるところもありますが、基本的には分岐のない一本道なので安心して歩くことができます。

歩くこと10分ほど、最初の分岐点があらわれました。硫黄沼までのルートは、左側に曲がるのですが、右側の草木が茂って道がないようなところも、どこかへ続く道があるようです。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto最初の道しるべ。大きく左にカーブする所にたっている。

画面の奥のほうにポツンと写っている道しるべに近づいて、念のために行き先をしっかり確認します。「←唐滝・硫黄沼」「樫立→」と書かれています。方向を確認して安心して進みます。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto最初の道しるべ(アップ)

この時、ウグイスの鳴き声が聞こえてきました。しばらく聞きいっていると、「ホーホケキョ、ケキョケキョ、ケキョッ、ケキョ?ケケケケキョ…」と最初はよかったものの、なんだかつっかえつっかえ、語尾も尻上がり調で、とっても特徴的な鳴き声です。

実はウグイスは、小さい時に大人の鳴き声を聞いて、練習しながら学んでいくらしいのです。ですから、地域や個体によって鳴き声が異なるらしく、ここで特徴的な声を聞かせてくれた鳥は、練習中の若い鳥かそれとも八丈島特有の鳴き方なのかもしれませんね。

しばらくすると、2つ目の道しるべがあらわれました。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto2つ目の道しるべ

さきほどとは違って、こちらははっきりと分岐だとわかるところに立っています。こちらも進むべきは左側ですが、右側も歩きやすそうな道があるので、ぼうっとしていると誤った道を進んでしまいそう。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto2つ目の道しるべ(アップ)

先ほどと同じく、「←唐滝・硫黄沼」を確認して左側に進みます。

途中、道端にとても大きな岩がゴロンと転がっていました。岩の高さは150センチ、幅は180センチほどで、相当大きなものです。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto道端に転がる岩

駐車場を出るときに見た、「落石に注意」の文字が脳内によぎります。これは落ちてきたらひとたまりも無いサイズなのでヒヤヒヤしますが、この岩の後方の斜面を見てみると、その後ろにしっかり植物が立って育っていたので、最近の落石では無いとわかりホッとします。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto後方の植物

この岩をこえてしばらく歩くと、3つ目の道しるべがあらわれます。写真を見てもわかるように、この3つめの道しるべをこえると、道は土の上に小石を置いて固めたものになりました。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto3つ目の道しるべ

ここでも、「←唐滝・硫黄沼」をしっかり確認して左側に進みます。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto3つ目の道しるべ(アップ)

すこし歩くと、急に左側の視界が開け、霞んだ山の頂を拝むことができました。ここまで着たら硫黄沼までは、まもなくです!

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto山の頂

これまで登り一方の道でしたが、斜面と階段を組み合わせて作られたくだりの道があらわれました。道しるべも、これまでは道の右側にたっていましたが、ここだけ左側にたっています。ロープを張った簡易な手すりもあるので、道がハッキリわかります。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto4つ目の道しるべと、硫黄沼に続く道

道しるべを確認すると、今まで「←唐滝・硫黄沼」だったのが、ついに「硫黄沼→」になりました。駐車場からここまでゆっくり歩いて30分くらいと短いものです。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto硫黄沼への道しるべ

次のページを読む

伊豆諸島の旅行予約はこちら


伊豆諸島のパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

伊豆諸島のホテルを探す

(神津島・新島・式根島)

(三宅島)

伊豆諸島の航空券を探す

(八丈島空港)

伊豆諸島の現地アクティビティを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


【東京】人気の離島・無人島TOP13!旅行者が行っている島ランキング

八丈島や小笠原諸島の父島、伊豆諸島の大島などをはじめとする東京の離島・無人島を、トリップノートの8万9千人のトラベラー会員(2023年7月現在)が実際に行ってい...


【関東】春のおすすめ花畑22選!3月・4月・5月に見頃を迎える花の名所ガイド

あちらこちらで花の便りが聞かれる”春”。芝桜、ポピー、チューリップなど、春の花が一面に咲く花畑を見にお出かけしませんか?3月・4月・5月に見頃を迎える、関東の花...

【国内】まるで南国リゾート!南の島気分を味わえるおすすめ離島11選

ハートロックで一躍有名になった古宇利島や、宿泊も可能な無人島・ナガンヌ島、「癒しの島」と呼ばれる与論島など、まるで南の島に来たような気分を味わえる、国内のおすす...

アートに癒しも!女子旅で訪れたい日本の離島15選

フォトジェニックなスポットが集まる「小豆島」や、可愛いうさぎと遊べる「大久野島」、草間弥生のかぼちゃで有名なアートな島「直島」など、芸術や癒しを求めて女子旅で行...

近くて遠い伊豆諸島【利島】の神社巡り!!

伊豆諸島の有人島の中で、一番小さな島である利島。平坦な道ではありませんが、半日もあればトレイル感覚で島を一周することができます。利島に祀られている神様たちを参拝...

この記事を書いたトラベルライター

旅はいつも心のまんなかに
知らない土地、知らない文化、知らない人。知らない何かがいつも自分の心を広げてくれます。広がったその先を見てみたい。その探求心や好奇心はそのまま「旅」として、いつも心のまんなかにあります。

えいぶゆう(文)とTossyPhoto(写真)の2人で、心のまんなかにある「旅」を切り取っていきます。

あなたの心にも旅の灯がともりますように。

本当は教えたくない!鎌倉の隠れ寺「寿福寺」

沢山の寺院が並ぶ鎌倉の中で、鎌倉幕府が定めた鎌倉五山に名を連ねる「寿福寺」。鎌倉幕府の中核を担った北条政子のお墓があるなど、鎌倉を興した人々に多くのゆかりがある...


絶対後悔させない!湘南【江の島】の超詳しい観光&時間ガイド

湘南を代表する観光スポット「江の島」。どメジャーな観光スポットですが、意外にもガイドブックでは紙面の都合からか、江の島の見どころを収めきれていないんです。実際に...


【神奈川県・三浦半島】侮れない!プチ本格登山を楽しむ三浦アルプス

神奈川県の三浦半島にある三浦アルプスは、逗子、葉山、横須賀の境界にある山稜地帯です。三浦アルプスの一番の魅力は、200m程度の低い山々にもかかわらず、まるで原生...

超超超初心者におすすめ!本当に楽な神奈川のハイキング5選

神奈川県には気軽に登山・ハイキングできる自然がたくさんあります。でも、「初心者におすすめ」の情報を見て、行ってみたらキツかった。なんてことはありませんか。超がつ...

【ベトナム】半日で巡る!お土産天国ダナン市街の見どころ

ベトナム中部の都市ダナンは、お土産天国と言っても差支えないほど、様々な名品が低価格で購入できるんです。中には女子ウケするカワイイ小物もいっぱい。そんなダナン市街...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります