首都圏の方には身近な存在の「江戸川」。でも遊びやリフレッシュのために訪れることは少ないのではないでしょうか?本記事ではあまり知られていない、ちょっと意外な江戸川の楽しみかたをご紹介します。
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江戸川ってどんな川?
首都圏の東京・千葉・埼玉・茨城の境を流れる江戸川は、千葉県野田市で利根川から分かれ、東京湾へと注ぐおよそ60㎞の長さの一級河川です。江戸時代より舟運に利用され、主要な水上交通ルートとして重要な役割を果たしてきました。
まさに首都圏を流れる「都市の川」というイメージですが、じつは意外と知られていない江戸川ならではの楽しみ方があるんです。
1.「矢切の渡し」で小さな舟旅
「矢切の渡し」という名前は、皆さん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?以前、同名の歌謡曲が大ヒットしたことでも有名になりました。
「矢切の渡し」は、東京都の柴又と千葉県の松戸の間を結ぶ渡し舟。その歴史はなんと江戸時代初期まで遡ります。当時は江戸への出入りの規制が厳しく、関所やぶりは厳しい刑に処されました。そんな中、江戸川周辺に田畑を持つ農民が、農地の耕作や日用品購入、寺社参拝などのために自由に行き来できるようにと始まったのが矢切の渡しです。徳川幕府の直轄で、なんと舟には馬も乗ることができたんだとか!
幕府が設けた渡し舟は利根川水系に全部で15か所ありましたが、時代の流れとともに廃止され、今では「矢切の渡し」が唯一の渡船となっています。
時間にしておよそ10分ほどの乗船時間ですが、川沿いには東京近郊とは思えないほどのどかな風景が広がり、ちょっとした旅気分を味わせてくれます。(写真は2018年のもの。2021年はじめに行われた護岸工事終了後は、風景が以前とは少し変わったそうです。)
東京都側なら柴又から江戸川まで歩いて5分ほど。参道を歩いて帝釈天をお参りをしたあとに、小さな舟旅を楽しんでみてはいかがでしょう?
また千葉県側には20台ほどの駐車場があるので、車の場合はそちらを利用するといいでしょう。バスの場合は交通の便があまりよくないため、事前にチェックしておくといいかもしれません。
舟で県境を越えるなんてなかなかレアな体験です。ぜひいつもとはちょっと違った旅を楽しんでみてください。
<運行日>
・3月中旬~11月:毎日
・12月~3月上旬:土・日・祝日のみ(1/1~7、帝釈天縁日は運航)
※天候や水位の状況により運休の場合があるので、事前に電話で確認することをおすすめします。
<運行時間>
10:00ー16:00
<料金>
中学生以上200円、小人(4歳~小学生)100円
- 矢切の渡し
- 柴又・亀有・北千住 / 乗り物
- 住所:東京都葛飾区柴又7-18先地図で見る
- 電話:047-363-9357(矢切渡船)
- Web:http://www.katsushika-kanko.com/guide/scene/spot_1...
2.東京スカイツリーを眺めながら「江戸川カヌー体験」
じつは江戸川に「カヌー」の拠点があることをご存知ですか?千葉県松戸市には「NPO法人松戸市カヌー協会」というカヌークラブがあり、江戸川を本拠地としています。近隣には松戸市のほかにも、関宿・柏・流山・浦安(千葉県)、そして葛飾区(東京都)など多くのカヌークラブがあり、お互いに連携してカヌースポーツを地域に広める活動をしているんです。
カヌーというと地方の清流を下っていくイメージの方も多いでしょう。江戸川でカヌーなんてちょっと意外ですよね。さすがに「清流」とまではいきませんが、近年では水質もよくなり「千葉県知事杯争奪クラブ対抗カヌー競技大会」など大きな大会も開かれています。
カヌーは「生涯スポーツ」ともいわれ、子どもから年配の方まで楽しめるスポーツ。「松戸市カヌー協会」の会員さんの年齢層も幅広く、中には親子で入会している人もいます。風がなく天気のいい週末には、江戸川でカヌーライフを楽しむ人も多いのだとか。また技術を磨くために松戸市のプールを使って練習をしたり、近隣県の川まで足を延ばす会員さんもいるそうですよ。
カヌー体験に参加してみよう
そうはいっても、私たちにとってカヌーがそんなに身近なスポーツでないことはたしか。「ちょっと興味があるな。」と思っても、いきなり始めるのはなかなかハードルが高いですよね。そんな人はぜひ体験会に参加してみては?松戸市カヌー協会では、毎年初夏になると「カヌー体験会」を開催しています。
筆者も以前参加したのですが、実際に乗ってみると優雅にすいすいとカヌーを操るのは思った以上に難しい!一生懸命漕いでいるつもりなのに同じところをぐるぐる回ってしまったりと、思い通りに進まず悪戦苦闘の連続でした。
でもカヌーに乗り込むと思った以上に水面が近くなるので、川との一体感をすごく感じることができます。普段とまったく違った視点から眺める江戸川は、とても新鮮に感じるでしょう。東京スカイツリーを眺めながらカヌーを漕ぐなんて、まさに江戸川ならではの体験。漕ぎ終わった後は、きっとすがすがしい充実感に包まれるはずです。
「松戸市カヌー協会」ではとくに大々的な発信はしていませんが、興味のある方はぜひホームページをチェックしてみてくださいね。
3.「江戸川サイクリング」で目指すは東京湾?‼
最近の健康志向の影響もあり、江戸川の土手に行くと、意外にもたくさんの人とすれ違います。ウォーキングやジョギングはもちろんですが、かなり多いのがサイクリングを楽しむ人たち。じつは江戸川の土手はサイクリングロードにもなっており、本格的な装備で走る人も少なくありません。休日ともなれば多くの自転車とすれ違います。
江戸川の景色の変化を楽しもう
利根川との分流点から東京湾へと注ぐ河口までは64キロ。どこから走り始めるかにもよりますが、川上に向かうのと川下に向かうのでは、まったく違った景色を楽しむことができます。
筆者は千葉県の松戸市を起点として左岸(千葉県側)を走りました。川上へと走ると牧歌的な風景が広がり、首都圏とは思えないようなのんびりとした雰囲気。逆に川下の東京湾へと向かっていくとどんどん街の風景へと変わっていき、河口付近には釣り船のお店の看板もちらほら。潮の匂いがして、海が近いことを感じさせてくれます。
東京湾からは250mおきに「海から○○㎞」という看板が立っているので、自分が今いる場所を知る目安にもなるでしょう。ちなみに河口付近には「江戸川放水路0㎞」という、こんな看板(写真右側)が立っていました。
近くには「健康市川温泉 クリーンスパ市川」という天然温泉施設があり、露天風呂や五右衛門風呂も楽しめます。汗をかいた後のリフレッシュにおすすめですよ。
- 健康市川温泉 クリーンスパ市川
- 市川市 / 日帰り温泉
- 住所:千葉県市川市上妙典1554番地地図で見る
- 電話:047-329-6711
- Web:https://www.cleanspa.jp/
江戸川サイクリングを楽しむために気をつけたいこと
土手沿いは街中とちがってほとんど信号がないため、すいすいと気持ちよくサイクリングを楽しめるのが魅力。ただし基本的にお店や自動販売機などはないため、飲み物などはある程度持参した方がいいかもしれません。また陽を遮るものがなく直射日光となるため、熱中症や日焼け対策は万全にした方がいいでしょう。
サイクリングロードといっても正確には「自転車歩行者専用道路」なので歩行者も多く行き交います。歩行者優先であることを忘れずにサイクリングを楽しみたいですね。
途中、川べりでのんびりと釣り糸を垂れる人がいたり、河原にあるバスケットコートでゴールの練習に励む人がいたりと、きっと今までのイメージとは違った江戸川の表情がみられるはずですよ。
まとめ
本記事では首都圏で身近な「江戸川」の意外な楽しみかたをまとめました。これまで知らなかった江戸川を、ぜひ発見しにいってみてくださいね。