美しい石庭が魅力で世界遺産にも登録されている、龍安寺。英国のエリザベス女王が絶賛したことで、世界でも有名になりました。今回は、そんな龍安寺のみどころをご紹介します。
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龍安寺とは?
京都にある臨済宗妙心寺派の寺院です。室町時代の有力者、細川勝元によって1450年に創建されました。平安時代には、徳大寺家の別荘として使用されていました。別名「虎の子渡し」や「七五三の庭」とも呼ばれる「方丈庭園」を有していることで有名で、1975年、当時の英国女王エリザベス2世が訪問した際、その石庭を絶賛したことで世界的にも知名度の高い日本庭園となりました。1994年、古都の文化財として、世界文化遺産に登録されました。
龍安寺の見どころ
禅寺である龍安寺では、境内のいたるところで禅の教えを体感することができます。以下からは、そんな龍安寺の見どころをご紹介します。
見どころ1:謎多き日本屈指の枯山水の庭園「方丈庭園」
枯山水とは、水を使わず、石や砂の組み合わせで、山水の風景を表現した庭園のことをいいます。龍安寺には「方丈庭園」と呼ばれる枯山水の庭園があり、幅25m、奥行き10m、75坪の敷地に15個の石が置かれて構成されています。作庭の意図は諸説あり、謎の多い石庭としても知られています。
作者は?
「方丈庭園」の作者として、一般的には石庭の一部に刻印されている「小太郎・口二郎」という説が有力です。しかし、作者であるかどうかを特定することはできず、作者は未だ不明となっています。
15個の奇石の謎
「方丈庭園」は3方が油土塀(あぶらどべい)と呼ばれる土壁に囲まれ、白砂が撒かれた上に15個の奇石が配置されています。この配置の意味には諸説ありますが、真相は不明となっています。15個の奇石は、その工夫された配置によって、14個しか見えないように構成されています。このように、見る人に捉え方を委ねるのは、禅問答の考え方に起因しています。
見どころ2:銭形の蹲(つくばい)
蹲(つくばい)とは、茶室に入る前に手を清めるための手水鉢です。日本庭園では、主に茶庭に配置されています。手を清める際に、つくばう(しゃがむ)ことが、蹲という名前の由来です。
龍安寺の北東には、銭型をした蹲があります。中央の口を中心に「吾唯足知(われただたるをしる)」の形となっています。これは、釈迦がといた「知足」の心を図案化したもので、茶道の精神に通じる格言です。ちなみにこの銭形は、水戸黄門として知られる徳川光圀公から寄贈されたものと言われています。
見どころ3:圧巻の美しさ、鏡容池(きょうようち)
石庭が有名になるまでは、この鏡容池が寺のシンボル的な存在でした。オシドリが多く見られることから、別名「おしどり池」とも呼ばれていました。
鏡のような水面に映し出される周囲の風景は格別に美しいです。四季折々で異なる鏡容池の景色を楽しむことができます。
見どころ4:日本最古の椿、侘助椿(わびすけつばき)
境内にある侘助椿は、日本最古の椿として知られています。桃山時代に侘助という男が朝鮮から持ち帰ったことが名前の由来となっています。多くの茶人に愛され、豊臣秀吉も絶賛したと伝わっています。例年3月上旬〜4月上旬に開花します。
見どころ5:四季折々の美しい風景
周囲を木々や自然に囲まれた境内では、四季折々の美しい風景を眺めることができます。
春の龍安寺
しだれ桜が咲き誇る石庭は、春のいぶきを感じることができます。
夏の龍安寺
青々とした緑が寺全体に生いしげり、とても美しいです。
秋の龍安寺
紅葉で色鮮やかな木々が美しい石庭はもちろん、境内全体が色づきます。
冬の龍安寺
冬の龍安寺もまた味わいがあります。雪で白に染まった境内は、静寂さが増し美しいです。
アクセスと参拝時間・拝観料
アクセス
- 電車:京福電車 龍安寺駅下車 徒歩約8分
- バス:竜安寺下車 徒歩1分
参拝時間・拝観料
- 参拝時間:8:00〜17:00 (12月〜2月 8:30〜16:30)
- 無休
- 拝観料:大人・高校生:500円 / 小・中学生:300円
おわりに
今回は、京都にある禅寺、「龍安寺」をご紹介しました。ご紹介した見所意外にも、普段は非公開の貴重な茶室「茶室蔵六庵」や、重要文化財の「方丈広間の襖絵」など、貴重な文化財を多く有しています。禅の教えを表現し、心眼を開き、自問自答ができる龍安寺。京都を訪れた際は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
- 龍安寺
- 嵐山・嵯峨野・太秦・桂 / 寺 / 一人旅 / 観光名所 / 紅葉 / 世界遺産 / 庭園の名所
- 住所:京都府京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13地図で見る
- 電話:075-463-2216
- Web:http://www.ryoanji.jp/smph/