華やかでオシャレなカフェもいいですが、たまには居心地が良いレトロな空間の中でほっこり癒されてみませんか。そんな時は古い木造建築をリノベーションした、大田区池上にある「古民家カフェ 蓮月」を訪れてみましょう。
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「古民家カフェ 蓮月」とは
「蓮月(れんげつ)」は東京都大田区の日蓮宗の大本山「池上本門寺」の麓にある、木造の古民家をリノベーションしたカフェです。昭和2年に建てられたこの建物は、元々は本門寺を訪れる参拝客の旅籠、その後1階はお蕎麦屋さん、2階は集会所として使用されていました。
残念ながら、お蕎麦屋さんはご主人の高齢に伴い惜しまれつつ2014年に閉店。建物の老朽化もあり存続が危ぶまれたこともありましたが、2015年秋に現在のオーナーが大規模なリノベーションを行い、元の形を残したまま「古民家カフェ 蓮月」として蘇りました。2016年には「第1回大田区景観まちづくり賞」の「街並み景観部門」も受賞しています。
鮮やかな青い暖簾に、「蓮月」の名の通り「蓮子(はす)の花」と「月」のロゴが描かれ、細く繊細な格子戸の建具や、店先にあるお蕎麦屋さんの名残の自転車にも趣があります。初めて訪れたのに不思議な懐かしさも感じるレトロな外観、居心地のいい空間と美味しいお食事で、地元民はもちろん、日本全国だけでなく外国からもお客さんが訪れる人気店です。
レトロ感漂うインテリア
店内に入ると昔ながらの三和土の土間が広がり、築90年以上の古民家独特の高さのある上がり框(かまち)があり、まるでタイムスリップしたような不思議な感覚になります。とてもフォトジェニックな空間で、映画のロケ地として使用されたことがあるというのも納得です。
お蕎麦屋さんの名残を感じる「おそば」と書かれたガラス戸、2階に上がる急な階段、設えられた家具、無骨な石油ストーブ、無造作に重ねられたボストンバッグや裸電球に至るまで、建物本来の良さを継承しつつ、魅力を最大限に生かし、ちょうど良いレトロ感に昇華しています。
お店の奥には縁側、その奥にはお庭もあり、まるでおばあちゃんの家に遊びに来ているような、アニメ『サザエさん』のようなどこか懐かしい世界観が広がっています。古き良き昭和の時代に訪れたようです。
ボリューム満点の絶品ランチメニュー
蓮月の魅力は、しっかり食べられるボリューム満点のランチにもあります。「厚切り照り豚丼」には、スープとお新香が付きます。厚切りの豚の三枚肉が甘辛いタレに絡んだ、かなりボリュームのある一品です。ジューシーな豚肉と濃厚なタレ、その下に敷かれたシャキシャキの小松菜とのバランスが絶妙で、白いご飯が進みます。
プラス100円でご飯大盛りも可能です。ちょっとだけ食べたいという方には「小さめサイズ(1,200円)」もあります。その他にも温玉そぼろ丼(1,200円)、唐揚げプレート(1,300円)や豆カレー(1,000円)など空腹を刺激するメニューも充実。お子様メニューもあるので、お子様連れでも安心です。
ランチタイムにはプラス100円で、セットドリンクを付けることができます。ハンドドリップで淹れた、蓮月こだわりのオリジナルブレンドコーヒーは、雑味のないスッキリとした味わいです。この他にもカフェラテやココア、紅茶やジュースなどから選ぶことができます。
ランチドリンクとしてアルコールメニューからも選ぶことが可能です。生ビールだけではなく、川越のクラフトビール「COEDO」から大田区唯一のクラフトビール工場で作られた「池上ビール」、ワインまで用意しています。蕎麦猪口でいただくのが楽しい「そばちょこ赤ワイン」はオーストラリア産のShirazです。
古き良き時代を感じる居心地の良い空間
1階にはソファーやテーブル、カウンター席が、2階には畳敷の和室が3部屋あり、カフェの客席としてだけではなく、レンタルスペースとしても貸し出しもしています。
毎日午後になると地元の学生達の自習室として解放されていて、その際には蓮月のドリンクが半額で利用できるとあって大盛況なのだそう。地元の人に愛され、皆の努力で新しいカフェという形で復活した「古民家カフェ 蓮月」は、今でも地元の人の憩いの場所なんですね。
「蓮月」は東急池上線の池上駅から徒歩10分ほど、池上本門寺の総門の側にあります。お庭から差し込む柔らかい日差しに包まれ、美味しいご飯とコーヒーをいただきながら、和みの空間に癒されてみてはいかがでしょうか。