最近日本でもよく聞くようになった「ラクサ」という麺料理。日本にいろいろなご当地ラーメンがあるのと同じで、このラクサにもいろいろな種類があります。今回はマレーシアのボルネオ島サラワク州にある美食の街・クチンの名物「サラワクラクサ」を中心にご紹介します。
この記事の目次表示
ラクサって? ちょっとウンチク話
ラクサはマレーシアをはじめ、シンガポールやインドネシアを中心とした東南アジアでよく食べられているスープ麺です。
ラーメンに「味噌、醤油、塩」などのタレや「豚骨、鶏ガラ、魚介」などのスープ、「縮れ麺、太麺」、「チャーシュー、ネギ」などの麺やトッピングの種類の違いでいろいろな分類があるように、ラクサの種類もさまざま。
地域によって独特の食材の組み合わせや調理法があり、一口に「ラクサ」と言っても、日本のご当地ラーメンのようにいろいろな名前で呼ばれています。
スープの味で大別すると、ココナッツミルクが入っているのが「カレーラクサ」、入っていないのが「アサムラクサ」と言われているようです。シンガポールや、クアラルンプールではカレーラクサ系のラクサでエビベースが多いですが、同じマレーシアでもペナンやイポーなどではカレー味でなく、魚ベースで酸味が強いアサムラクサがよく食べられています。
- 出典:www.flickr.comシンガポールのフェイマス・スンゲイ・ロード・トライショー・ラクサ カレーラクサ系
- 出典:www.flickr.comペナンラクサ 酸味の効いた魚ダシが特徴
今回ご紹介するサラワクラクサは、マレーシアの中でもボルネオ島にあるサラワク州でよく食べられているご当地ラクサです。カレーラクサとアサムラクサを足して2で割って、それにサラワク特産コショウ味を加えたようなお味とでもいいましょうか。
酸味、辛味、甘味と旨味が複雑に混じり合い絶品!サラワク州にあるクチンでは屋台や、街の食堂だけでなく、高級レストランのメニューにもみられるほどの人気です。
サラワクラクサには必ずリマウと呼ばれる柑橘類と、辛味があるサンバルソースがついていますので、まずは何も入れずに、次にリマウを絞って、最後にサンバルで辛味を調節、というように自分の好みの味にして食べます。
クチンでサラワクラクサが食べられるおすすめレストラン
ジェームス・ブルック ビストロ&カフェ (James Brook Bistro & Cafe)
サラワク王国の初代白人王のジェームス・ブルックの名を冠したレストラン。クチンウォーターフロントにあり、サラワク川を眺めながら食事ができます。彼をイメージした半露天の店内は、いかにも西洋人が好みそうなアジアテイストのアンティークのインテリアで、とても雰囲気がよく、いつも多くの人(特に西洋人)で賑わっています。
このレストランの特徴はラクサの種類が多いこと、サラワクラクサだけでなく、ワイルドボルネオラクサやクチンカレーラクサ、オリジナルのSir Charlesラクサなど5種類のラクサがあります。
ラクサ以外のメニューは、マレー料理を中心としたアジア料理と西洋料理が半々ずつ、またアルコール類やケーキなどのカフェメニューもあるので、いろいろなシーンで使えるレストランです。
ラクサのお味は?
右がサラワクラクサ、左がワイルドボルネオラクサです。どちらも12RM(327円)。サラワクラクサの味は、ここでご紹介する4つのラクサの中で一番カレー味が強く、ココナッツの風味も甘みも感じられました。
- ジェームス・ブルック ビストロ&カフェ
- マレーシア / アジア料理
- 住所:Jalan Tunku Abdul Rahman, 93100 Kuching, Sarawak, Malaysia地図で見る
- 電話:82412210
- Web:https://www.facebook.com/jamesbrookebistrocafe/
ウインド・ミールカフェ(Wind meal cafe)
華人街にあるカフェ。「ブレックファースト&ブランチレストラン」というだけあって、厚切りトーストやサンドイッチなどの朝食メニュー、飲み物が豊富です。マレーシアでは麺類も朝食の定番メニューということで、ラクサやコロミーなども食べられます。若いスタッフが多く、メニューもイマドキのカフェ風、お客さんも地元の若者が多い店です。
ラクサのお味は?
ここのサラワクラクサはSが6RM(164円)、Mが8RM(217円)です。若い子が好みそうなカフェだと侮っていましたが、味は老舗のラクサに負けていません。どの味も出しゃばることなく、複雑で深みがある味、新鮮な具材。こんなに安いのにモヤシのヒゲがちゃんと取ってあるのも驚きです。
- ウインド・ミールカフェ
- マレーシア / カフェ・喫茶店 / アジア料理
- 住所:No.79, Ewe Hai Street 93000 Kuching, Malaysia地図で見る
- 電話:16-857 2055
- Web:https://www.facebook.com/windmealcafe/
泉春茶室(Chong Choon Cafe)
前の2つはメニューを見て注文するタイプのお店ですが、こちらはマレーシアで「コピティアム 」と呼ばれる小さな専門店(屋台?)が集合してできたカフェです。サラワクラクサが注文できるのは泉春茶室の中の「寶蘭叻沙」というお店。
注文のしかたはマレーシア、シンガポールなどのホーカーセンターと同じです。まず席を確保して、そのテーブルの番号を覚えます。次に注文したいものの店に行き、自分のテーブルの番号を言って注文します。席に戻って待っていると、注文したものを持ってきてくれるので、そこでお金を払います。飲み物などはお店の人が注文をとりに来てくれるのが普通なので、必要なら注文しましょう。
ラクサのお味は?
ここのラクサははSが6RM(164円)、Mが7RM(191円)。驚くのはトッピングのエビの甘さ。トッピングの追加ができないかと思うほどのおいしさです。スープはやっぱり深みがあって複雑な味。魚介類を中心にしたダシなのはわかるのですが、香辛料の使い方がいいのか、全く生臭みも感じず、ほのかな甘みがあって思わず飲み干してしまいます。