宮城県・雄鹿半島の先端近くにある田代島。周囲は11.5キロメートル、面積は3.14平方キロメートルという小さな島です。古くから漁業で栄え、釣り人の間では高い人気を集めていました。また、近年では猫がたくさんいる島として全国から注目を集め、猫島ブームがまき起こるきっかけとなりました。今回はそんな田代島をご案内いたします。
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猫島と言えばこれ。巨大な謎の猫のオブジェ
仁斗田港近くにある謎の猫のオブジェ。雑誌などで田代島が紹介される時にはよく掲載されるため、ご存知の方も多いかもしれません。
これはただの飾りでもなければゴミ箱でもなく、猫の餌入れになっています。田代島では猫の健康のため観光客の勝手な餌やりを禁止しているため、知らずに持ってきてしまった人や、餌を寄付したいと思っている人はこの中に餌を入れましょう。餌不足になった時にはこの中の食料が使われるので、いざという時に猫を助けることにもつながります。
猫も集結。探索の拠点にしやすい阿部ツ商店
島内に食堂はなく、自販機もあまり数がありません。探索中にお腹が空いてしまった場合は仁斗田集落内の阿部ツ商店(宮城県石巻市田代浜仁斗田13-2)に寄ると良いでしょう。飲み物や菓子パンなどが手に入ります。ただ、大勢の観光客が押し寄せて商品を空にしてしまって島の方が買えないのも良くないため、基本的には島に渡る前に軽食を買っておくのがベストかもしれません。
この店の周囲には猫が集まるため、用事がなくてもぜひ訪れることをお勧めします。
田代島が猫を大切にする理由がここに。猫を祀る猫神社
この島には仁斗田と大泊という2つの集落があります。集落同士を結ぶ道を20分ほど歩き続けると、やがて小さな神社が姿を現します。この神社の名前は猫神社。その名の通り猫を祀っており、猫じゃらしなど普通の神社ではありえないものがそなえられています。
漁業で栄えていた田代島では、猫を大漁を招く縁起の良い生き物と見なしていました。それゆえに島の方は猫を大切にし、多くの猫が人の近くで暮らしていました。ですがある時、いかだを作るためにくだいていた岩が猫にあたって瀕死の重傷(文献によっては死亡とも)を負わせてしまいます。それがきっかけとなって、大漁と猫の安全を願って神社が建立されました。この神社の周りにも猫が集まるので、参拝したあとは神社の周囲を確認してみましょう。
もう1つの集落、大泊集落
2つの集落のうち、仁斗田集落の方が規模が大きい上に猫も多いですが、より多くの猫に出会うために時間が許せば大泊集落にも訪れましょう。
また、大泊集落には鹿嶋神社があるので、ここまで来たらぜひ立ち寄りましょう。すぐそばまで木々がせまる急な石段と赤い拝殿が特徴的な、良い具合に古びた神社です。