日本各地と、世界の凧が、壁から天井まで隙間なく揚げられている博物館。日本橋の老舗洋食屋、「たいめいけん」が入るビルの5階にある「凧の博物館」は、入場料たったの200円!日本橋散策にピッタリの「凧の博物館」と、「たいめいけん」名物、「タンポポオムライス」を、たっぷりとご紹介します。
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「凧の博物館」と「たいめいけん」は、創業者が同一人物!同じビル内!
昭和6年創業の老舗洋食屋「たいめいけん」。知る人ぞ知る日本橋の超有名店です。創業者である茂出木心護氏は、凧好きが嵩じて、昭和52年に「凧の博物館」を設立しました。
月日と共にコレクションは充実していき、日本だけでなく、世界の凧、凧絵など多岐にわたり展示しています。「たいめいけん」と同じビルの5階にあり、ふらっと気軽に入れる博物館です。
それでは早速、凧のコレクションを見ていきましょう。
「凧の博物館」は、江戸凧を中心に、全国・世界各地の凧がい~っぱい!
江戸凧とは、シンプルに、江戸時代から伝わる伝統的な関東近辺の凧のことを指します。特徴として、形は正方形や長方形、絵柄は歌舞伎や文字が多く、海外でも人気があります。
館内は、江戸以外の地域の凧も展示されています。興味深いことに、地方によって材料や形・呼び方が異なります。例えば、凧の骨組みには竹を使用しますが、北海道と一部の青森では竹が少ない為、ヒバという木材で骨組みをしています。また、東海地方は風が強く、骨組みを二重に工夫した奴凧が多く見られます。
関東地方とは対照的に、関西地方では「いか」と呼ばれていました。形は六角形や鳥型など多岐に渡ります。海外では、日本のように「凧」と固有名詞があることが少なく、空に関連する単語を、そのまま凧と表現しています。英語の「Kite(カイト)」はとんび、ドイツ語の「Drach(ドラッヘ)」は竜、などです。
このように、江戸凧だけでなく、日本各地、世界中の凧を興味深く学ぶことが出来ます。
平安から江戸、そして現代へと受け継がれる凧の歴史・文化
凧の発祥は、紀元前300年の中国とされています。主に戦争で、敵陣を攻める為の測量に利用されていたとされ、一般に遊びとして広まったのは1000年頃と言われています。同時期に、世界中に広まりました。
日本に伝わったのは、平安時代です。当初は貴族の遊びでしたが、江戸時代に、一年を通して遊べるものとして庶民にも広まりました。参勤交代や商人により、江戸から全国に広まり、各地の特徴を持った凧が生まれていきました。
凧は現代の日本では、正月に揚げる遊びとして一般的ですが、一部地域では他の季節に揚げる風習があります。端午の節句(5~6月)に、鯉のぼりと同時期に揚げ、子供の成長を祈る祭り行事が行われています。代表的な祭りに、写真の、静岡県浜松市「凧揚げ合戦」があります。
また館内では、凧や凧のパーツを販売しています。凧の歴史や文化を思いながら、正月や端午の節句は、凧で遊んでみてはいかがでしょうか。
- 凧の博物館
- 東京駅・丸の内・日本橋 / 博物館
- 住所:東京都中央区日本橋1-12-10 たいめいけん5階地図で見る
- 電話:03-3275-2704
- Web:https://www.taimeiken.co.jp/museum.html
「タンポポオムライス」をいただこう!老舗洋食屋「たいめいけん」
凧の博物館見学前後は、「たいめいけん」で食事をしましょう(後述しますが、先にたいめいけんで食事をするのがオススメ)。凧の博物館が入るビルの1階、2階にあります。1階は洋食屋、2階はレストランで、2階は小皿料理が多くいただけ、お値段が少し上がります。
筆者は1階の洋食屋で、名物「タンポポオムライス」(1,950円)を頂きました。
ここたいめいけんは、チキンライスの上に卵をのせ、ナイフで切ると「ふわっ」と広がるオムライスの発祥とされ、見た目から、「タンポポオムライス」と名前がついたと言われています。
「ふわっ」となった卵の上に、ケチャップをかけて頂きます。「ふわっ」の一言で、お味が伝わると思います!チキンライスも程よい甘さで、柔らかく喉に通っていきます。写真の、筆者のケチャップのかけ方のセンスは、お許しください。
ボリューミーですが、「おかわり!」と言いたくなってしまうオムライスです。
「ボルシチ」と「コールスロー」は、50円!
創業当初のお値段から変わないという「ボルシチ」と「コールスロー」は、なんと50円!付け合わせとしてぜひ注文したいお料理です。
ボルシチは具だくさんでボリューミー、コールスローは柔らかく、甘めで箸休めにぴったりです。
行列必至!「たいめいけん」の後に、「凧の博物館」見学がおすすめ
「たいめいけん」は超有名店だけあり、行列必至です。開店時間は11時、11時10分に到着した筆者ですが、既に第一陣が着席し、かつ行列ができていました(ちなみに第二陣で着席できた為、待ち時間は30分ほどでした)。
15時位になると落ち着くようですが、いつ行列が長引くかわかりませんので、まずは並んで、タンポポオムライスを頂きましょう。その後、エレベーターで5階へ行き、「凧の博物館」をゆっくり見学することをおすすめします。