巨匠・前川國男氏が設計した「東京都美術館」や、館内インテリアもオリジナルにこだわった「アーティゾン美術館」、地上約230mからの絶景も見どころの「森美術館」など、美術品の鑑賞以外も楽しめる、東京のおすすめ美術館をご紹介します。
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1.東京都美術館
- 出典:tripnote.jpphoto by トミさん
1926年(大正15年)に日本で最初の公立博物館として上野恩賜公園内に開館しました。“アートの入り口”をコンセプトに、国内外の名品を揃えた特別展や公募展、自主企画展など、幅広い層に楽しんでもらえる展覧会を開催しています。
館内にはミュージアムショップやレストラン、カフェを併設しており、入場チケットを持っていない人でも利用が可能です。また屋外に展示されている計12の野外彫刻作品もすべて無料で鑑賞できます。
【ここに注目】巨匠・前川國男氏が設計した建築空間
東京都美術館の建物は日本のモダニズム建築の巨匠・前川國男氏が設計したもので、見どころのひとつ。原則として奇数月(5月、7月、9月、11月、1月、3月)の第3土曜日には「建築ツアー」を行い、当日先着順でツアーに参加することができます。
- 東京都美術館
- 浅草・上野・谷根千 / 美術館
- 住所:東京都台東区上野公園8-36地図で見る
- 電話:03-3823-6921
- Web:http://www.tobikan.jp/
2.アーティゾン美術館
- 出典:tripnote.jp独自の照明技術で作品を照らす(アーティゾン美術館)
アーティゾン美術館は、公益財団法人石橋財団ブリヂストン美術館が前身となっている美術館で、23階建て高層ビル「ミュージアムタワー京橋」の4-6階の3フロアに展示室があります。
- 出典:tripnote.jp吹き抜けとなっていて開放的な雰囲気の美術館
「ARTIZON」(アーティゾン)は、「ART」(アート)と地平を意味する「HORIZON」(ホライゾン)を組み合わせた造語で、時代を切り拓くアートの地平を多くの人に感じ取ってほしいという願いを込めて名付けられました。入場は事前予約制で、日時指定のチケットをあらかじめ公式サイトより購入します。人数に制限があるため、比較的混まずにゆったりと鑑賞できる点も好評です。
【ここに注目】オリジナルデザインのインテリア
- 出典:tripnote.jpアーティゾン美術館のライブラリー
四方から座れる展示室のソファや、併設のミュージアムカフェに置かれた木製アームチェア、トイレのピクトグラムなど、インテリアや什器はすべて、既製品ではなく美術館のオリジナルデザインにこだわっています。
- アーティゾン美術館
- 東京駅・丸の内・日本橋 / 美術館
- 住所:東京都中央区京橋1丁目7−2地図で見る
- Web:https://www.artizon.museum/
3.東京国立近代美術館
- 出典:tripnote.jp
日本に5つある国立美術館のひとつで、1952年(昭和27年)に日本初の国立美術館として開館しました。横山大観、高村光太郎、菱田春草、岸田劉生らの重要文化財指定の作品を含む、国内最大級の13,000点あまりを所蔵し、これらのコレクションの中から約200点を常設展示しています。
また館内には、三國清三シェフがプロデュースした本格的なレストランもあり、窓の外の美しい景色を眺めながらゆっくりとお食事ができます。
【ここに注目】皇居を望める「眺めのよい部屋」
- 出典:tripnote.jp眺めのよい部屋
東京国立近代美術館は皇居のすぐ近くに位置しており、最上階の休憩室「眺めのよい部屋」からは皇居を展望することができます。窓に面して椅子も設置されており、アート鑑賞後に緑を眺めながらゆっくりくつろげる空間です。
- 東京国立近代美術館
- 秋葉原・神田・御茶ノ水 / 雨の日観光 / 美術館
- 住所:東京都千代田区北の丸公園3−1地図で見る
- 電話:03-5777-8600(ハローダイヤル)
- Web:http://www.momat.go.jp/
4.森美術館
- 出典:commons.wikimedia.orgphoto by Wei-Te Wong CC BY-SA 2.0 from Wikimedia Commons
六本木ヒルズ森タワーにある「森美術館」。現代アートを中心にテーマ性をもった独自の切り口で多彩な企画展を開催しています。
また美術館とは別に「森アーツセンターギャラリー」も1フロア下にあり、こちらでも随時企画展を開催しているほか、展望施設「東京シティビュー」でも定期的にアート展を開催しているので、森美術館を訪れる際にはぜひあわせてチェックしてみて。(※入館料はそれぞれに必要です)
【ここに注目】地上約230mから望む東京絶景
- 出典:commons.wikimedia.orgIgbofur, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
森美術館があるのは、森タワーの53階。建物内の展示空間としては日本で最も高い場所(地上約230m)に位置しており、一部の展示空間からは東京の街並みを眼下に一望できます。夜22時までオープンしているので、夜景と共にアート鑑賞を楽しむのもおすすめです。
- 森美術館
- 六本木・麻布・赤坂 / 雨の日観光 / 美術館
- 住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F地図で見る
- 電話:03-5777-8600(ハローダイヤル)
- Web:http://www.mori.art.museum/jp/index.html
5.国立新美術館
- 出典:tripnote.jpphoto by puku2さん
日本最大級の展示スペースを誇る美術館。曲線を描くガラス張りの外観が印象的な建物は黒川紀章氏による設計で、日本で5館目の国立美術館として平成19年(2007年)に開館しました。常設コレクションを持たない国立新美術館では、常に多様な企画展を開催しています。
【ここに注目】“逆円錐形”の上にあるおしゃれなカフェ
- 出典:tripnote.jpphoto by じぇるんさん
アート鑑賞はもちろんのこと、注目はセンスのいいミュージアムショップやレストラン、そしてカフェです。館内にある3つのカフェのうち「サロン・ド・テ ロンド」は、逆円錐形の形をした建物の上にあり、まさに”天空カフェ”。ケーキとドリンクのセットをゆっくり味わえば、至福のひとときとなることでしょう。
- 国立新美術館
- 六本木・麻布・赤坂 / 美術館
- 住所:東京都港区六本木7丁目22−2地図で見る
- 電話:03-5777-8600(ハローダイアル)
- Web:http://www.nact.jp/
6.国立西洋美術館
- 出典:tripnote.jpオーギュスト・ロダン《地獄の門》photo by コチドリさん
1959年(昭和34年)に完成した、緑豊かな上野恩賜公園にある美術館。西洋美術館のコレクションは、主に中世末期から20世紀初頭にかけての西洋絵画と、フランス近代彫刻作品が中心です。所蔵作品のなかには、モネの『睡蓮』、ロダンの『考える人』など、世界的に知られた作品も含まれています。
【ここに注目】世界遺産に認定された建築
- 出典:tripnote.jpphoto by puku2さん
国立西洋美術館は日本で唯一のル・コルビュジエの建築で、2016年7月、東京”都心”でははじめてとなる世界遺産に登録されました。
単独での登録ではなく世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の一部としての登録で、ドイツ、フランス、アルゼンチン、ベルギー、インド、スイス、そして日本の7カ国に造られた建築作品がまとめて世界遺産リストに登録されています。このように大陸をまたいでの世界遺産登録ははじめてのことです。
- 出典:tripnote.jp
館内に入ってみると、一階部分を柱だけが支える「ピロティ」や、自然光がホールに取り込まれる構造となっている天井に配した三角窓など、現代建築に大きな影響を与えた構造を見ることができます。
- 国立西洋美術館
- 浅草・上野・谷根千 / 一人旅 / 観光名所 / 美術館 / 世界遺産
- 住所:東京都台東区上野公園7-7地図で見る
- 電話:03-5777-8600
- Web:http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
7.根津美術館
実業家である根津嘉一郎の古美術コレクションを保存・展示するために1941年(昭和16年)に開館しました。2009年(平成21年)には隈研吾氏の設計によりリニューアルオープン。
絵画、彫刻、陶磁、漆工、金工など多岐にわたる所蔵品は、国宝7点をふくむ約7,400点にも及び、とくに尾形光琳作の国宝『燕子花図屏風』が有名で、こちらは毎年カキツバタが咲く頃に展示されます。
【ここに注目】手入れの行き届いた癒しの日本庭園
根津美術館が建つ場所は根津嘉一郎の邸宅があった場所であり、敷地内には私邸時代の面影を残す17,000㎡もの広さの日本庭園が広がっています。手入れの行き届いた庭園を散策し、一休みするなら緑を眺めながら静かな時を過ごせる「NEZUCAFE (ネヅカフェ)」の利用がおすすめです。
- 根津美術館
- 原宿・表参道・青山 / 一人旅 / 美術館
- 住所:東京都港区南青山6-5-1地図で見る
- 電話:03-3400-2536
- Web:http://www.nezu-muse.or.jp/
8.東京都庭園美術館
- 出典:tripnote.jp
自然豊かな国立自然教育園の隣に佇む「東京都庭園美術館」。皇族であった朝香宮鳩彦王の旧住居を利用した本館と、2014年11月に開設された新館からなります。コレクションの内容は朝香宮邸時代に由来する家具や美術品を発端とし、装飾美術品を中心に多彩な作品を収集しています。
敷地内には「芝庭」「日本庭園」「西洋庭園」の3つの庭園があり、東京都心にありながら四季の移ろいを体感できるスポットです。
【ここに注目】アール・デコ様式のクラシックな洋館
- 出典:tripnote.jp東京都庭園美術館本館内部
アール・デコ様式のクラシックな本館は、建物自体が芸術品と言える美しさ。2015(平成27)年には国の重要文化財に指定されました。
原則として館内の撮影は禁止ですが、年に一度開催される「建物公開展」ではアール・デコに纏わる所蔵のコレクションを紹介するとともに、館内の一部で写真撮影が解禁され、多くの人が押し寄せます。
- 東京都庭園美術館
- 品川・目黒・大井町 / 庭園 / 美術館
- 住所:東京都港区白金台5丁目21−9地図で見る
- 電話:03-3443-0201(代表)
- Web:http://www.teien-art-museum.ne.jp/
9.21_21 DESIGN SIGHT
- 出典:tripnote.jp
六本木にある東京ミッドタウンの一角にあるミュージアム。身近なテーマに焦点を当てた、日々の暮らしの視点が変わるような企画展が見どころです。過去には「チョコレート」、「カラーハンティング」、「単位」など、様々なテーマで企画展が行われてきました。
【ここに注目】安藤忠雄氏によるエッジのきいた建築
21_21 DESIGN SIGHTの建物は建築家の安藤忠雄氏が設計しています。ギャラリーの大半が地下にあるというエッジのきいた建築は、建物そのものがこの辺りの名所のひとつになっています。
- 21_21 DESIGN SIGHT
- 六本木・麻布・赤坂 / 美術館
- 住所:東京都港区赤坂9−7−6 東京ミッドタウン・ガーデン内地図で見る
- 電話:03-3475-2121
- Web:http://www.2121designsight.jp/
10.東京ステーションギャラリー
1988年(昭和63年)に東京駅に開館し、東京駅の復原工事に伴い2012年(平成24年)10月にリニューアルオープンしました。近代美術を中心とした幅広い時代とジャンルの展覧会を開催しています。館内には「ミュージアムショップ TRAINIAR」があり、東京みやげにもおすすめしたい、センスのいい鉄道デザイングッズを販売しています。
【ここに注目】丸の内駅舎の赤レンガ壁を活かした展示室
東京駅の丸の内駅舎内に位置する東京ステーションギャラリーは、駅舎の赤レンガ壁を活かした展示室自体も見どころ。そして螺旋階段に設置された、旧館から移設されたステンドグラスとシャンデリアにもぜひ注目してみてください。
- 東京ステーションギャラリー
- 東京駅・丸の内・日本橋 / ギャラリー / 美術館
- 住所:東京都千代田区丸の内1−9−1地図で見る
- 電話:03-3212-2485
- Web:http://www.ejrcf.or.jp/gallery/
11.すみだ北斎美術館
- 出典:tripnote.jp常設展のセクション1「すみだと北斎」の展示。墨田区と北斎の関係について学べる。
江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎が生涯のほとんどを過ごした墨田区に、2016年11月に開館しました。
- 出典:tripnote.jp
7つのエリアで構成されている常設展示室では、各時代の代表作を紹介するほか、蝋人形を配しリアルに再現された「北斎のアトリエ」や、作品の制作過程を高精密モニターの動画で見ることができるコーナーなど、さまざまに浮世絵の世界を堪能することができます。
【ここに注目】妹島和世設計のスタイリッシュな建物
- 出典:tripnote.jpすみだ北斎美術館
すみだ北斎美術館の建物は世界的に有名な建築家である妹島和世氏が設計しており、シルバーのスタイリッシュなデザインが目を惹きます。外観にはアルミパネルを使用しており、周りの風景をやわらかく映し込むことで、斬新なデザインながら下町の風景に溶け込むことを目指したんだそう。
- すみだ北斎美術館
- 錦糸町・両国・清澄白河 / 雨の日観光 / 美術館
- 住所:東京都墨田区亀沢2-7-2地図で見る
- 電話:03-6658-8936
- Web:http://hokusai-museum.jp/