東京・墨田区にある「すみだ北斎美術館」の基本情報を解説しつつ、常設展や企画展の内容や見どころについても説明します。葛飾北斎と墨田区の関係性も知ることができます。
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すみだ北斎美術館とは
「すみだ北斎美術館/The Sumida Hokusai Museum」は、東京都墨田区亀沢にある公立の美術館です。江戸時代後期の浮世絵師「葛飾北斎/かつしかほくさい」を専門にした美術館とも言えますが、葛飾北斎が生まれ育った墨田区にもフォーカスしています。
すみだ北斎美術館のテーマは、「地域へ、世界へと北斎に関する情報を発信し、成長し続ける美術館」。
すみだ北斎美術館は、B1〜4Fまであります。見どころは3つで、「常設展/4F」、「企画展/3F」、そして「ミュージアムショップ/1F」です。(詳細後述)
葛飾北斎について
葛飾北斎は江戸時代後期の浮世絵師であり、日本を代表するアーティストのひとりです。1760年10月31日に生まれ、1849年5月10日に88歳で生涯を閉じました。
代表作品は『冨嶽三十六景/ふがくさんじゅうろっけい』や『北斎漫画』。6歳から死ぬまで絵を描き続けたことでも知られており、作品の数は多く、認知度も高いです。
- 出典:zh.wikipedia.org『冨嶽三十六景』の全46図中の1図「神奈川沖浪裏」。
アーティストとしての名義変更や引っ越しの多さでも知られています(名義変更30回、引っ越し93回)。晩年は「画狂老人卍」と自ら名乗ることもありました。人生のほとんどを墨田区で過ごし、活動拠点が墨田区だったため、墨田区との関係は強いです。美術館では、そのあたりの関係も包括的に学べます。
すみだ北斎美術館の常設展/4F
常設展では、葛飾北斎の人生と作品を時代別に学べます。7つのセクションに分けられており、それぞれの時代の代表作(レプリカ)やエピソードが展示されています。
1.すみだと北斎
2.習作の時代
3.宗理様式の時代
4.読本挿絵の時代
5.絵手本の時代
6.錦絵の時代
7.肉筆画の時代
なかでも、「5.絵手本の時代」と「6.錦絵の時代」は、葛飾北斎の最も有名な部分を掘り下げているので、見どころといえます。
北斎のアトリエの再現模型
フロアの一角には、北斎のアトリエが再現されています。葛飾北斎が84歳の頃、墨田区内の榛馬場にて、娘の阿栄(おえい)と暮らしていた様子の模型で、自動で動きます。常設展で最も目立っている展示です。
この模型は、葛飾北斎の弟子の一人「露木為一」が描いた作品『北斎仮宅之図』をもとに作られています。余談ですが、阿栄も画家で、北斎が「美人画は応為に敵わない」と語ったともいわれています(応為(おうい)は阿栄の画号)。
- 出典:ja.wikipedia.org応為の『月下砧打美人図』。北斎が「美人画は応為に敵わない」と語ったといわれている。
すみだ北斎美術館の企画展/3F
企画展では、葛飾北斎の作品を掘り下げて理解することができます。内容は時期によって変わりますが、常設展を鑑賞して、体系的な理解を得てから臨むとより楽しめるでしょう。
すみだ北斎美術館のミュージアムショップ/1F
葛飾北斎に関するグッズや書籍の品揃えが豊富です。ただのお土産屋さんという感じではないので、専門店としても訪れる価値があるのではと思います。
企画展と連携している本も販売されています。『THE 北斎 冨嶽三十六景 ARTBOX』もその一つで、『富嶽三十六景』の全46作品を、6つの見どころで分類して紹介しています。『富嶽三十六景』がなぜ良いかを体系的に理解できます。
すみだ北斎美術館の料金・アクセスまとめ
・休館日:月曜、年末年始(12月29日~1月1日)
・入館料:一般/400円。学生・シニア/300円。
・年間パスポート:3,000円/常設展・特別展・企画展の無制限の入場が可能。
・最寄駅:都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口/徒歩5分。
- すみだ北斎美術館
- 錦糸町・両国・清澄白河 / 雨の日観光 / 美術館
- 住所:東京都墨田区亀沢2-7-2地図で見る
- 電話:03-6658-8936
- Web:http://hokusai-museum.jp/