東京都港区にある白金台・高輪エリアは、閑静な高級住宅街や洗練されたカフェやお店が点在するエリアとして人気の場所です。また明治初期からの歴史も深く、建設当時の最新の建築を取り入れた建物が多く残っています。今回は、街歩きにぴったりの白金台・高輪地区の建築を巡るおすすめスポットを厳選して3選ご紹介します。
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白金台〜高輪エリアはどこ?
東京屈指の繁華街や名所が多く点在する港区は、お台場から東京タワー、六本木ヒルズまで様々なスポットを擁しています。中でも、白金台や高輪は緑も多く、歴史ある建物も多く残されています。2020年に開通した高輪ゲートウェイ駅にもほど近く、これからもさらに注目度が増すエリアです。
今回は、白金台・高輪地区で、歴史を感じる華麗な近代建築を巡る街歩きにおすすめしたいスポットを厳選して3か所、ご紹介します。
1. 東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)
1933年(昭和8年)に朝香宮邸として建設されて以来、吉田外相の首相公邸として使用されたり、国賓・公賓の迎賓館(白金迎賓館)などとして使用されてきました。東京都庭園美術館として一般公開されて以降は、改修を重ねながらレストラン、西洋庭園などもつくられ、2015年には本館・茶室・正門等が国の重要文化財に指定されました。
展覧会が開催されている会期中には、本館内も一般公開され、フランス人の室内装飾家、ガラス工芸作家、彫刻家、鉄工芸家といった数々の職人が手がけた、美しい装飾や大理石の壁など、まるで外国の迎賓館にいるかのような凛とした空間を堪能することができます。
とりわけ本館は20以上も部屋があり、大広間や居室、書斎、ダイニングルームのほか、自然光がたっぷりと入る上階にあるウィンターガーデンなど、部屋ごとに違う雰囲気や装飾を見て楽しむことができます。
また館内のレストランにはテラス席もあり、白金台という都会の中心にいながらにして広大な庭を眺めながら食事をすることもできますよ。
- 東京都庭園美術館
- 品川・目黒・大井町 / 庭園 / 美術館
- 住所:東京都港区白金台5丁目21−9地図で見る
- 電話:03-3443-0201(代表)
- Web:http://www.teien-art-museum.ne.jp/
2. 港区立郷土歴史館(旧公衆衛生院)
東京都庭園美術館からもほど近く、目黒通り沿いにあるのがゴシック調の建物が港区立郷土歴史館です。もともと日本の公衆衛生の向上を目的とした調査研究機関である「旧公衆衛生院」として1938年(昭和13年)に建てられました。
現在では、耐震補強やバリアフリー化等の改修工事を行い、常設・企画展が行われているほか、無料での館内自由見学ができたり、図書館や講義室などが入り、区民をはじめ様々な人が訪れる場所となっています。
東京大学の安田講堂にも似た旧公衆衛生院の建物は、東京大学の安田講堂を始め様々な建物を設計した東京大学建築学科教授の内田祥三によって設計され、「内田ゴシック」と呼ばれる特徴的なデザインとなっています。
建物の内部は地上4階建てのコの字型となっており、壁のレリーフが特徴の階段状になった旧講堂や当時は高級だったベニヤ材を貼った旧院長室・旧次長室、石材を使った吹き抜けの開放的な空間が印象的な中央ホールなど、見どころもたくさんあります。
- 港区立郷土歴史館(旧公衆衛生院)
- 品川・目黒・大井町 / 博物館 / 歴史博物館
- 住所:東京都港区白金台4丁目6−2 ゆかしの杜内地図で見る
- Web:https://www.minato-rekishi.com/
3. 高輪消防署二本榎出張所(旧高輪消防署)
東京都選定歴史的建造物の一つとして登録され、1875年(明治8年)に建てられたレトロな消防署が高輪地区にあります。それが高輪消防署二本榎出張所(旧高輪消防署)です。東京都消防庁の中でも、現役で活躍する最古の消防署出張所となっています。
一般の見学も可能で、土日含め9時〜16時30分まで無料で入館することができます。ただし、館内は署員の案内がつきますので、出動がある時には人員確保のため、見学ができないこともあります。
外観は角が丸みを帯びており、灯台のような展望台がついた白い建物が印象的です。第一次世界大戦後に流行したドイツ表現主義となっており、地域のシンボル的な存在となっています。
地上3階建てのフロアのうち3階の円形講堂は、8本の天井の梁がヨーロッパを思わせ、曲線を用いながら躍動感あふれる設計となっています。講堂内には、昔の写真や刺子で作られた布製の活動服とヘルメットのほか、丸太を割って作ったはしご、実際に使用していた火事を知らせる鐘などが展示されています。壁に設置された停電用のアールヌーボー風のガス燈も見物です。
講堂から下の階に降りるときにぜひ注目していただきたいのが曲線の美しい階段です。階段の床と壁は、大理石とセメントを練って固めたものと言い、年月をたっても色褪せることのない美しさを放っています。
館内見学ツアーの目玉は、1941年(昭和16年)から約20年間、活躍していた消防ポンプ自動車です。本格的な国産消防ポンプ自動車の第一号と言われ、保存状態が良く残るものは唯一とも言われています。現代の消防車の原型とも言え、箇所によっては現代のものと変わらないほどの高スペックとなっているようです。
消防の歴史とともに、二本榎出張所の歴史を通じて、どのように地域の防災を守っていたのかがわかる見学となることでしょう。
- 高輪消防署二本榎出張所(旧高輪消防署)
- 品川・目黒・大井町 / 建造物 / 歴史的建造物
- 住所:東京都港区高輪2丁目6−17地図で見る
- Web:https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-takanawa/prof...
まとめ
いかがでしたか?
白金台〜高輪地区にある建築を通して街の歴史を知りつつ、当時のヨーロッパとの関わりまでも垣間見ることができます。ぜひ、古き良き日本と異国情緒溢れる雰囲気をお楽しみください。