ペルー
ペルー観光
行きたい世界遺産1位の空中都市マチュピチュ

【ペルー・バジェスタス島】ボートツアーで野生動物の楽園を見に行こう!

取材・写真・文:

兵庫在住
訪問エリア:18ヶ国

2018年8月30日更新

1,872view

お気に入り

写真:まき子

【Islas Ballestas(バジェスタス島)】は、人間が足を踏み入れることは禁止されている、複数の島からなる海獣と海鳥の楽園。自然のまま野生の動物たちが生きているので「リトル・ガラパゴス」とも言われています。そんな島に近くまで寄れるボートツアーや、ボート発着所の【パラカス】での過ごし方をご紹介します。

この記事の目次表示

「リトル・ガラパゴス」と呼ばれる【Islas Ballestas バジェスタス島】ってどんなとこ?

  • 写真:まき子

日本の携帯電話「ガラケー」という言葉でお馴染みの「ガラパゴス」、本来は外環に影響されず独自進化を遂げてきた生物が住むエクアドルの「ガラパゴス諸島」のことですが、「リトル・ガラパゴス」と言われる諸島もペルーにあるのです。それが【Islas Ballestas バジェスタス島】

ペルーの首都「リマ」から車で3時間ほどで行けるビーチリゾート【Paracas パラカス】近くにあるのですが、自然保護区域で一般人が降り立つことは禁じられているため、ボートでしか近寄れません。

でもボートからでも、この島の “特異” な光景を見ることができます!岩の上を埋め尽くすペリカンやペンギン、海岸沿いを埋め尽くすオタリオ。ここに生存する動物の中には絶滅危惧種も。そんな【バジェスタス島】を巡るボートツアーをご紹介します!

ボートは【パラカス】にある【エル・チャコ港】から出港

【バジェスタス島】を巡るボートは【El Chaco エル・チャコ港】から発着しています。乗り場の近くは港町らしくお店が連なっていますが、ボートの出港時間は 8時 or 10時 。筆者が8時のツアーに参加した時は、まだほとんどのお店が閉まっていました。(時間や料金の詳細は後述します)

また日中は暑いペルーですが、ここは寒くてびっくり!!これがペルーの気候の特徴なのでしょうか、朝晩はぐっと冷え込みます。さらにこの近辺の海は 寒流 。ボートで海に出ると、もっと冷えるので 防寒具は必須です!

なお、ペルーにおいては時間に対してルーズなのはご愛嬌(笑)。ボートツアーのHP には、ツアーは8時、10時と明記されていますが、30分くらい遅れることは当たり前。時間が過ぎてもシーンとしていると不安になるかもしれませんが、気長に待ちましょう。

エル・チャコ港
ペルー / 駅・空港・ターミナル
住所:El Chaco, Peru地図で見る

いざ!「El Chaco エル・チャコ港」から出発!

  • 写真:まき子

全員ライフジャケットを着て乗り込みます。1つのボートに対してガイドさんは一人。かなり高速でぶっ飛ばして行きます。バジェスタス島までは約30分。

  • 写真:まき子

残念ながら、ガイドさんが喋られるのはスペイン語と英語だけで日本語はありません。しかも、スペイン語で解説してから同じ内容の話を英語で解説するので、ものすごい早口!ボートのエンジン音もあって、しっかり聞くのは難しいですが、そこに何があるか分かるくらい、わかりやすい島です。またボートに座ったお隣さん同士、「今ガイドさんなんて言ったの?」とお互い聞き合ったりするのも楽しいですヨ。

岩の彫刻!【Candelabro(カンデラブロ)= キャンドルツリー】へ

  • 写真:まき子

ボートは、エル・チャコ港を出港すると、パラカス半島に沿って北にあるバジェスタス島に向かいますが、その途中、パラカス半島の北端にある【Candelabro カンデラブロ】と呼ばれる、まるでナスカの地上絵のような大きなラインが見られるポイントを通ります。

  • 写真:まき子

遠目で見ると “砂漠に描かれた絵” に見えますが、実際は岩に1mくらいの深さ で刻まれたラインで、なんと 全長は189m!

「Paracas パラカス」はケチュア語で「砂の雨」を意味するという、その名の通り、この辺りは強い海風が吹いているため、その風が砂を運んでくるんだそう。岩に刻まれたラインの上に砂がかぶさって、砂漠に描かれているように見えるのですね。

現代人が名付けた「カンデラブロ」とは日本語でいうなら「キャンドルツリー」という意味ですが、実際にこれが何を意味しているのか…何のために描かれたのかはミステリーです。

空にも陸にもたくさんの鳥!鳥!鳥!

  • 写真:まき子

いよいよ バジェスタス島 が近づいてくると、まず「クァー!クァー!」とけたたましい音が聞こえてきて、空を覆うかのようなたくさんの鳥を目にします。そして バジェスタス島 に目をやると、陸の上が黒い…?!

  • 写真:まき子

でもこれ、陸が黒いのではなく、岩場に多くの鳥が居るんです。これらの鳥たちは、ペルーペリカン(Pelecanus thagus)、ペルーカツオドリ(Sula variegata)、グアナイ鵜(Phalacrocorax bougainvillii)、インカアジサシ(Larosterna inca)などの海鳥たち。

  • 写真:まき子
  • 写真:まき子

ペルーペリカン はとても大きいので、目視でも十分に見られると思います。

  • 写真:まき子

グアナイ鵜も大きい!こんなに大量の鳥たちを見ることは、そうそうありません。

化石化された鳥の排泄物【グアノ】こそがこの島には必要!

  • 写真:まき子

バジェスタス島 に近寄ると、島を覆っている 白い雪のようなもの にすぐに気がつくと思います。これは野生動物たちの排泄物が、長い間にわたって堆積し化石化した「guano グアノ」と呼ばれるもの。「グアノ」は、野生の鳥たちが卵を産み育てるのにとても大切な環境なんだそう。

乱獲されたグアノ、だから立ち入り禁止になった!

  • 写真:まき子

実はこの「グアノ」は高級肥料として希少価値がとても高く、近年まで人によって削り取られていたんだそう。「グアノ」の乱獲がこの島の環境破壊につながっていることが判明して以来、一般人の上陸が禁止されています。先にも書きましたが、ボートツアーでも上陸はできません。

絶滅危惧種【フンボルトペンギン】もいっぱい!

  • 写真:まき子

「グアノ」乱獲で、出産数が少なくなってしまったのが【Spheniscus humboldti フンボルトペンギン】。絶滅危惧種に指定されています。

  • 写真:まき子

なんで南国のペルーにペンギンが?!と思うかもしれませんが、先ほどもご紹介した通り、ここは 寒流の海。南極からの冷たい フンボルト海流 が流れ込むので、ペンギンでも生息できるのですね。

次のページを読む

ペルーの旅行予約はこちら


ペルーのパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

ペルーのホテルを探す

ペルーの航空券を探す

ペルーの現地アクティビティを探す

ペルーのWi-Fiレンタルを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


絶叫サンドバギーや夕日鑑賞も!砂漠のオアシス、ペルー・ワカチナ

砂漠にオアシスなんて、アニメや映画の中だけの世界だと考えている人がほとんどだと思います。灼熱の砂漠の中に、ポツンと存在するオアシス。これが本当に実在するんです。...


気分はまるで映画のワンシーン!マチュピチュをより楽しむための行き方

天空の城とも呼ばれているマチュピチュ。その絶景を楽しむことはもちろんですが、せっかくなら、そこに向かう道中も楽しみたいですよね?行き方の1つとして、有名な映画『...

【ペルー】クスコから日帰りで行ける話題の絶景!レインボーマウンテン

ペルーといえばマチュピチュやナスカの地上絵が有名ですが、近年徐々に人気を博している絶景ポイント、レインボーマウンテンをご存知でしょうか。標高は約5,100mとマ...

ペルー・リマを訪れるなら必見!幻想的な夜のレセルバ公園噴水ショー

ペルーの首都リマを訪れたら、ぜひ夜に行ってみてほしいのが、レセルバ公園(Parque de la Reserva)。噴水に映し出される圧巻・幻想的なプロジェクシ...

コーヒーじゃないよ!標高5,200mの絶景!ペルー・レインボーマウンテン

「レインボーマウンテン」。その言葉で多くの人が缶コーヒーを思い浮かべるのではないでしょうか。これから紹介するのは、もちろんコーヒーではありません。「虹の山」。そ...

この記事を書いたトラベルライター

じっとしているのは耐えられない旅行好き&飲兵衛です
日本在住ですがアメリカで生活したこともあり、その時にすっかりアメリカ大陸の自然に魅了されました。それ以来、帰国しても日本の自然の素晴らしい場所をあちこち旅行するのが好きです。1児の母でもありますので、“子連れで行くとどんな旅になる?!”という視点も織り交ぜていろんな場所をご紹介できればと思っています。
http://blog.goo.ne.jp/makiko0213ha

【大丸神戸店】デパ地下で楽しくお買い物!神戸土産にもぴったりな名物13選

神戸観光の人気エリア、旧外国人居留地にある【大丸神戸店】は、神戸元町を象徴する建物として鎮座しており、地元人も観光客もショッピングや飲食に訪れる人気スポット。そ...


【岡山県・西粟倉村】ただの田舎じゃないその魅力とは?!

かつて市町村合併が進んだ中、あえて「村」として生きる道を選んだ岡山県の「西粟倉村」。今、ここには若く発想力も豊かでエネルギッシュな人たち、ローカルベンチャーを目...


シカゴに行ったらコレを食べよう!歴史と共にある4つの個性派グルメ

アメリカ本場でステーキといったらニューヨーク?いえいえ実は、アメリカ人の間では「肉といったらシカゴ!」と言われているそうです。その他にもシカゴには、シカゴピザや...

日本ではできない体験!アメリカでガン・シューティング【GILBERT INDOOR RANGE】

日本では一般人が実弾の入った銃を撃てる機会はほとんどありませんが、アメリカでは初めての人でも実弾でガン・シューティングができる射撃場がたくさん!屋内の射撃施設「...

車で行こう!子連れで楽しもう!【ユニバーサル・スタジオ・ジャパン】

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下 USJ)に子連れで車で楽しく行きませんか?!子供用のたくさんの荷物も車ならラクラク♪ 駐車場情報や入場時の混雑具合、また...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります