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とっても健脚コース、尾瀬を歩きつくす
今回ご案内するコースはとっても健脚向け。この後順番にご紹介して行きますが、尾瀬のエリア名で言うと、沼山峠→大江湿原→尾瀬沼ビジターセンター→沼尻→見晴→竜宮→山の鼻→鳩待峠と歩いていきます。総距離は約20kmをこえます。ですが尾瀬は平たんな所が多いので、普段からウォーキングで体を動かしている人であれば、意外と歩けちゃうコースでもあります。
沼山峠
関連記事「尾瀬に行くなら!浅草発深夜特急「尾瀬夜行23:55」」でご紹介した行き方で、バスを下車するのが、ここ「沼山峠」です。
沼山峠には檜枝岐村営の沼山峠休憩所があります。ここでトイレなど済ませて(ここからトイレはチップ制が始まります!小銭のご用意を忘れずに)、登山口に向かいます。登山口は休憩所の目の前です。
- 檜枝岐村営 沼山峠休憩所
- 福島 / 休憩所
- 住所:福島県桧枝岐村燧ケ岳1地図で見る
- Web:http://www.ozejin-yamagoya.jp/rest.html
大江湿原
沼山峠の登山口に入ると、すぐにあらわれる木道階段を登っていきます。
たまに、こうして木道が傷んで崩れているところもあるので、注意しながら進みましょう。
ちょっと登ると、あとはひたすら下る道が続きます。30分ほど下ると景色が徐々に開けてきます。
ここからは、ほぼ平坦な道がほとんど!景色を堪能しながらノンビリ行きましょう。大江湿原に入ると、5月、6月は水芭蕉が、7月に入ると、ニッコウキスゲが楽しめます。
尾瀬沼ビジターセンター
花を眺めながらノンビリ進んでいくと、進行方向には尾瀬沼ビジターセンターが見えてきます。
入り口に休憩用のベンチが置かれているほか
通行禁止区域などの登山情報、登山口を発着するバスなどの情報掲示板もあります。
ビジターセンターの中は、尾瀬の動植物に関する展示などちょっとした資料館のようになっています。尾瀬に生息する野鳥の鳴き声など館内に流れていて、なかなか心地いい空間ですよ。
- 尾瀬沼ビジターセンター
- 福島 / 観光案内所・ビジターセンター / ハイキング
- 住所:福島県檜枝岐村 燧ケ岳1尾瀬沼畔地図で見る
- Web:https://www.oze-fnd.or.jp/ozb/b-vc/
沼尻
尾瀬沼ビジターセンターを出て、次の沼尻まで1時間ほど歩きます。「え~1時間も歩くの?」と思う方もいるかもしれませんが、尾瀬って広大な平原で距離の目安とする目印がないせいか、住宅街を歩くのとは距離感がぜんぜん違うんです。あっという間に次のポイントにつくような不思議な土地です。大げさに聞こえるかもしれませんが、街中を歩く1時間を基準の感覚とすると、尾瀬はたとえ1時間歩いても、10分くらいしか歩いていない気がするのです。これ、マジですよ。
尾瀬沼沿いに歩いていくと、あっという間に次の休憩ポイント「沼尻休憩所」に到着。
休憩用のベンチがわりと沢山あって、休むのにちょうどいい所です。
山小屋には珍しく、ここには自動販売機があります!500mlペットボトルが400円と山価格ではありますが、街中のような設備にちょっとびっくり。
さらに、ここには気さくなマスターもいて、いろいろと天候情報など教えてくれます。
見晴
次に目指すは「見晴」。沼尻休憩所から約1時間半ほど歩きますが、頑張って歩きましょう。ここは木道がなくなり、ちょっとゴツゴツしたエリアを通ります。
普段登山している人であれば、ようやく登山っぽい道だなと、楽しめるところです。ただし雨の日はかなり滑りますので気を付けて!ゴツゴツエリアを抜けると、また木道が登場。川の上に橋のようにかかっていたり、なかなかこれまでの木道と違い、バラエティがあります。
この木道をしばらく歩くと、お楽しみはすぐそば!何といっても見晴は尾瀬の中の大都会と言っても過言ではないほど、山小屋が密集しているエリア。ここでお昼休憩にしたり、ショッピングしたりするのがお勧め。
お昼のお勧めはこちら「ひげくま喫茶」。
カレーがオシャレだったり(900円)、焼肉定食がボリューミィだったり(1,200円)、まるで街中にあるようなクオリティ!
お腹が満たされたらお買い物。まだまだ歩くので、あまりかさ張るものは買えませんが、尾瀬のTシャツなんていかがでしょうか?この見晴エリアにある「尾瀬小屋」は、アウトドアメーカーのmont-bell(モンベル)提携店。モンベルフレンドショップのため、モンベルグッズが充実しています。
モンベルの高機能素材で作られたTシャツに、尾瀬小屋のオリジナルロゴが入った商品など、ここまで歩いてきたから手に入れられる商品がズラリ。立ち寄ることを強くお勧めします。
- ひげくま喫茶
- 福島 / カフェ・喫茶店
- 住所:福島県南会津郡桧枝岐村燧ケ岳1 桧枝岐小屋地図で見る
- 電話:090-3405-6460
- Web:https://www.oze-hinoematagoya.jp/index.html
- 尾瀬小屋
- 福島 / ファッション
- 住所:福島県南会津郡桧枝岐村燧ケ岳1地図で見る
- 電話:090-6254-2002
- Web:http://www.ozegoya.co.jp/index.html
竜宮
見晴で食欲と物欲を満たした後は、竜宮へ。次のポイントまでは30分ほどの距離です。ただ、ここは歩いても歩いても果てしない感じがする独特な景色。というのも…
目の前の山に向かって歩いていくのですが、平原と山のサイズがどちらも大きすぎて、ずっと景色が変わらず、いまどの辺を歩いているのかわからなくなる、尾瀬マジックゾーンです。そんな時こそ、周囲の自然に目を向けて、尾瀬をしっかり楽しみましょう。
例えばこの辺りから、水芭蕉がやたら大きくなったことに気づいたり
この先から群馬県で関東に突入したり、しっかり見てると、いろいろ気づくことがあります。
そしてこんな風に木々に囲まれるエリアに入ったら、もう竜宮です。
竜宮にも山小屋があります。ちょうどこの日は歩荷さんがここで休憩中でした。
山の鼻
竜宮から次のポイント「山の鼻」までは、1時間ちょっとの道のりです。ここからは、途中このような休憩ポイントが頻出します。
尾瀬には小さな水たまりは沢山あって、これを「池塘(ちとう)」と呼びます。
このあたりに、ちょっと不思議なスポットがあります。それは「竜宮現象」と呼ばれていて、距離が離れた池塘同士が地下でつながり、水が流れているところがあるのです。
池塘を観察できるように、尾瀬の木道は、まっすぐなものだけではなく、クランクがあったり、カーブを描いていたりと、尾瀬の自然を観察できる工夫がされています。
そして木道には「水が吸い込まれるところ」「水が出てくるところ」といった案内板があります。
ほぅ~~この池塘から水が出入りしているのですねー。
さて、竜宮現象をすぎると、尾瀬一の絶景ともいえる、尾瀬のシンボル至仏山を正面にした美しい景色があらわれます。晴れていて風のない絶好のコンディションであれば、こんな池塘の水面に至仏山を反射させた、絶景を収めることが出来ます。
ま、天気悪いと、こうです…。
筆者が訪れたこの日は、都内は道路が冠水するほどの荒れた天気でした。尾瀬も雨模様となり、常にレインウエアを着ての行動となりました。うーん。写真を撮るにはちょっと残念。でも、雨に濡れた緑は深みがでて、艶が出るので、雨の自然を好んで撮影するフォトグラファーもいるんですよ。
山の鼻エリアに到着です。いくつか山小屋、売店があり、モンベル商品を販売しています。
鳩待峠
さあ、いよいよ尾瀬登山、総距離約20kmのフィナーレが近づいてまいりました。山の鼻エリアから鳩待峠まで約1時間20分。20km近く歩いてきた体にはきつい、最後は上り坂でのフィニッシュです。
登り切った先にある「鳩待峠休憩所」です。
つかれたー。中は食堂と売店があって、ここでコーヒーなど頂くことが出来ます。
いや~最初は、計画しておきながら20km歩けるのかなーと心配でしたが、意外や意外、無理せず歩きとおすことができました。これも平らで整備された木道のおかげかなと思います。
- 鳩待峠休憩所
- 片品村(利根郡) / 休憩所
- 住所:群馬県利根郡片品村戸倉字中原山898-25地図で見る
- Web:https://www.tokyo-pt.co.jp/oze/mountain-villa/hato...
最後に~意外なトリビア~
尾瀬に興味のある方には周知の事実かもしれませんが、意外と知られていないのが、尾瀬の大部分が東京電力の土地って知ってました?
明治から大正にかけて、電気が生活インフラとして使われるようになると、増加する需要に対応するため、尾瀬の豊富な水を生かして、水力発電の設備を建設することになりました。これが尾瀬が東京電力の土地となったきっかけです。一方で自然を保護するため全長65kmにわたる木道を設置しました。
だから見て見て!木道には「TEPCO」と設置した年度が刻印されているんです。ぜひ、尾瀬に行ったらそんなところにも注目してみてくださいね。