関西地方では最も大きい面不動鍾乳洞、景勝地「三段壁」の地下に広がる、海の荒波が押し寄せる三段壁洞窟、探検気分を味わえる河内風穴など、関西のおすすめ鍾乳洞・洞窟をご紹介します。
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1.面不動鍾乳洞(奈良)
- 出典:tripnote.jpphoto by ほいめいさん
関西地方では最も大きい鍾乳洞とされている「面不動(めんふどう)鍾乳洞」。約85年前の昭和8年9月、井口さんと橋本さんに発見され、それから観覧できるように井口さんが約15年かけて開発しました。鍾乳洞の入口へは、徒歩か、あるいは少々心もとないトロッコで向かうこともできます。
- 出典:tripnote.jpphoto by speime1さん
面不動鍾乳洞には、全国的にも珍しい今にも折れそうな細い鍾乳石もあります。またところどころで行われている幻想的なライトアップも見どころです。
- 面不動鍾乳洞
- 奈良 / 鍾乳洞 / 雨の日観光 / 穴場観光スポット / ツーリング
- 住所:奈良県吉野郡天川村洞川673−89地図で見る
- Web:https://www.vill.tenkawa.nara.jp/tourism/spot/5163...
2.三段壁洞窟(和歌山)
- 出典:tripnote.jp
白浜町にある「三段壁(さんだんべき)」は、海岸線沿いの長さ約2km、高さ最大50mの大岸壁で、広く続く海の雄大な景色を眺めることができる人気の景勝地です。その「三段壁」の地下36mには、波浪による侵食で海食崖に形成された「三段壁洞窟」が広がっており、入場料を払うと、エレベーターで降りて洞窟内を200m周回することができます。
灯籠などの間接照明の明かりを頼りに、200mの順路をぐるっと周回。洞窟の内部に荒波が押し寄せる大迫力の光景は、圧巻の一言です。また洞窟内のたくさんの灯籠の明かりに照らされた祠には、日本最大の水の神「牟婁大辯才天(むろだいべんざいてん)」が祀られており、パワースポットとしても人気です。
- 三段壁洞窟
- 白浜町(西牟婁郡) / 自然・景勝地 / パワースポット / 洞窟
- 住所:和歌山県 西牟婁郡白浜町2927-52地図で見る
- Web:http://sandanbeki.com/
3.河内風穴(滋賀)
全国第3位の大きさを誇り、総延長が10,000mを超える鍾乳洞が「河内風穴(かわうちふうけつ)」です。入口は高さ1mと、腰をかがめてくぐるほどの小ささ。そんな洞内は3層構造になっており、総面積は何と1,544平方メートル!関西でも有数の鍾乳洞です。
観光用に見学できるのは、入口から200mの1階と2階の部分で、手すりをたよりに進んで行くのが探検気分を味わえると評判。途中せまい部分や急な梯子もあり、なかなかスリリングです。必ずスニーカーなどの歩きやすい靴で、そして動きやすく、汚れても大丈夫な服装でおでかけください。
- 河内風穴
- 滋賀 / 鍾乳洞 / パワースポット
- 住所:滋賀県犬上郡多賀町河内146地図で見る
- 電話:0749-48-0552
- Web:http://www.biwako-visitors.jp/spot/detail/1667
4.質志鐘乳洞(京都)
- 出典:commons.wikimedia.orgphoto By Saigen Jiro [CC0] from Wikimedia Commons
「質志鐘(しずし)乳洞」は京都府に唯一ある鍾乳洞で、総延長52.5m、高低差25.1mの竪穴洞窟です。コキクガラシコウモリをはじめとした洞窟コウモリ類の重要な生息拠点でもあり、府の天然記念物にも指定されています。
洞内は年中12℃から15℃程度に保たれており、こぢんまりとした鍾乳洞ながら、夏の暑い時期には天然の涼を求めて多くの人が足を運ぶ人気の観光スポットです。なお、1月、2月の冬期期間中は、積雪やコウモリの冬眠保護のため入場禁止となっています。
- 質志鐘乳洞
- 綾部・福知山 / 夏のおすすめ観光スポット / 鍾乳洞 / ツーリング
- 住所:〒622-0315 京都府船井郡京丹波町質志大崩12−1地図で見る
- Web:https://www.town.kyotamba.kyoto.jp/0000000297.html
5.五代松鍾乳洞(奈良)
昭和4年、赤井五代松翁によって発見された「五代松(ごよまつ)鍾乳洞」。発見から十余年の歳月と私財を全て注いで完成させたと言われており、その功績を称えるべく、発見者の名前が鍾乳洞に付けられました。
延長80m、2層構造の鍾乳洞で、洞内では鍾乳石や石柱、石筍など多くの自然の神秘を鑑賞することができます。特に高さ8mにも達する「大黄金柱」は見応え抜群。また、鍾乳石は20〜30cmのから大きいものでは3〜4mになるものもあります。洞内はライトアップされており、光に照らされたその姿は、まるで神秘的な地底宮殿を思わせます。
- 五代松鍾乳洞
- 奈良 / 鍾乳洞 / インスタ映え
- 住所:〒638-0431 奈良県吉野郡天川村洞川地図で見る
- Web:https://www.vill.tenkawa.nara.jp/tourism/spot/5164...
6.戸津井鍾乳洞(和歌山)
その誕生は2億5千万年以上前とされている「戸津井(とつい)鍾乳洞」。白崎海洋公園から衣奈方面に向かったところの高台にあります。全長約100mほどと小規模ながら、間近で鍾乳石を鑑賞できる点が最大の魅力。気軽に地底散策を楽しむことができます。
洞内には、床面から伸びる石筍よりも天井面や壁面から伸びる鍾乳石が多くあることも特徴の一つ。特に「針天井の間」では、低い天井から伸びた数cmの鍾乳石がその先端に丸いボールのような水滴をまとっており、まるで満天に輝く星空を眺めているような気分にさせてくれます。
- 戸津井鍾乳洞
- 由良町(日高郡) / 鍾乳洞 / 雨の日観光 / 穴場観光スポット
- 住所:〒649-1134 和歌山県日高郡由良町大字戸津井646地図で見る
- Web:https://www.wakayama-kanko.or.jp/spot/detail.php?i...
7.玄武洞(兵庫)
昭和6年(1931)2月20日に、国の天然記念物に指定された「玄武洞」。およそ160万年前の火山活動によって流れたマグマが冷えかたまって、六角柱の形に割れ目(柱状節理といいます)ができ、それが河川の侵食で姿を現した結果、このような不思議な光景ができあがりました。洞窟自体は、江戸時代からの採掘によってできた人工のものです。
玄武洞の名は、江戸時代の儒学者である柴野栗山により、中国の四神である玄武にちなんでつけられました。さらに明治時代には、学者の小藤文次郎が玄武洞にちなんで岩に玄武岩と名をつけました。また、明治~昭和時代の地球物理学者である松山基範が調査を行い、地磁気(地球が帯びる磁気)の逆転に気づくきっかけとなった場所としても知られています。
8.青龍洞(兵庫)
- 出典:tripnote.jp
先に紹介した「玄武洞」から約130mの距離にあるのが「青龍洞」です。これらは「玄武洞公園」内にある洞窟で、青龍洞は玄武洞に次いで園内で2番目に大きい洞窟となります。そのほか、玄武洞公園では白虎洞・南朱雀洞・北朱雀洞も見学することができます(後述)。
青龍洞の節理は園内にある洞窟の中で最も美しいとされています。また学術的にも重要な青龍洞は、玄武洞とならんで国の天然記念物にも制定されています。青龍洞の前には水がたまっており、より神秘的な雰囲気が漂っています。
ちなみに「節理」とは、岩石に発生する規則性のある割れ目のことです。主に火成岩に見られる現象で、熱いマグマが冷えていく過程で少し収縮することによって発生します。
- 青龍洞
- 豊岡市 / 自然・景勝地 / パワースポット / ハイキング / 洞窟
- 住所:兵庫県豊岡市赤石地図で見る
- Web:http://www.kinosaki-spa.gr.jp/information/info/gen...
9.白虎洞(兵庫)
- 出典:tripnote.jp
「白虎洞」も「玄武洞公園」内にあり、玄武洞から青龍洞と反対の方向へと進んだ先に見つけることができます。洞の大きさは小さいものの、水平方向に伸びた柱状の節理を間近で見ることができます。玄武洞の垂直方向に伸びた節理と比べると、白虎洞の節理はとても細かいのが特徴です。
一般に柱状の節理はゆっくりと冷えたところほど太くなるので、この付近では溶岩が速く冷えたことが伺え、溶岩の周縁部に近いことが判ります。
- 白虎洞
- 豊岡市 / 自然・景勝地 / パワースポット / ハイキング
- 住所:兵庫県豊岡市赤石地図で見る
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10.北朱雀洞(兵庫)
- 出典:tripnote.jp
先に紹介した「白虎洞」から更に奥へと進み、玄武洞公園の一番の奥までいくと、こちらの「北朱雀(きたすざく)洞」があります。洞窟の名前は、朱雀(中国の神話に登場する怪鳥)が羽を広げた姿のように見えることに由来しているそうです。
そんな北朱雀洞では、人の手では到底造りだせない、自然がつくり出した彫刻模様の美しさを楽しむことができます。
- 北朱雀洞
- 豊岡市 / 自然・景勝地 / ハイキング
- 住所:兵庫県豊岡市赤石地図で見る
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11.南朱雀洞(兵庫)
- 出典:tripnote.jp
北朱雀洞のすぐ近くにある、やや小さめの洞が「南朱雀洞」です。南朱雀洞脇の岩石には節理が見られず、ごつごつとしていることから、ここが溶岩流の先端に当たる部分ということが判ります。
溶岩の表面が急に冷えて固まっても内部はまだ熱く、後から溶けた溶岩が押し出してきてその表面を破壊し、このような塊状の岩石の集まりとなるそうです。近くで岩をよく見てみると、ガスの抜けた穴も見つけることができます。
- 南朱雀洞
- 豊岡市 / 自然・景勝地 / ハイキング
- 住所:兵庫県豊岡市赤石地図で見る
- Web:http://www.kinosaki-spa.gr.jp/information/info/gen...