佐賀、福岡、長崎、熊本の4県に挟まれた有明海には、全国的に見ても貴重な干潟が広がっています。豊かな環境には多くの生き物が生息しており、地域の食も豊かになります。本記事では、有明海観光でおすすめのグルメと珍味をご紹介します!
この記事の目次表示
有明海とは?
有明海は、佐賀、福岡、長崎、熊本の4県で囲まれた、面積約1,700平方キロメートルの内海です。大小100を超える河川が流入しているとされます。
最大約6メートルにも達する日本一の干満差を有しています。干潮時には干潟が5~7キロ沖まで広がるそうで、平均水深は20メートルと遠浅な(遠方まで水が浅い)海です。
多くの河川から運ばれる栄養塩が流れ込み、日本一の海苔生産を誇っています。有明海を旅すると、海苔の養殖が盛んに行われている様子を見ることができます。
さらに多種多様な魚介類が生息し、水産資源も豊富なため、素晴らしい伝統食が受け継がれています。
それでは以下より、有明海観光でおすすめしたいグルメ&珍味をお伝えしていきます!
【1】ワラスボ
日本では有明海にのみ生息する珍しい魚です。(スズキ目ハゼ科。)成長すると全長約40センチにもなり、ウナギのような細長いかたちになります。目とウロコは退化し、むき出しの鋭い歯も特徴です。
地元の方はお刺身としても食すそうです。白身でクセがないお味なのだとか。ちなみにワラスボは、有明海のお魚屋さんではごく普通に販売されています。
筆者は「干しワラスボ」を頂きました。味は、あじの干物を硬くしたようなイメージで、違和感なく食べることができました。ただ、見た目が衝撃的ですので、口に入れるのは勇気がいります。
外見がエイリアンに似ているため、地元に漁場がある佐賀県は、ワラスボとエイリアンをかけて、観光プロモーションなども行っています。以下の映像が面白いので、ぜひご覧ください。
【2】海苔
有明海といえば、海苔が名産です。日本の生産量のうち約4割を占めるとされています。実際、有明海を望むと、海苔養殖のための柱や網がたくさん張り巡らされているのが分かります。
味は甘くて、口のなかでとろけるような食感です。ぱりっとしていて、手で切り分けもしやすく、何人かで分けて食べるときも便利です。
筆者が現地で見つけた変わりダネの海苔をご紹介します。一つは、「塩のり」と呼ばれるもので、海苔に塩が振りかけてあるため、おむすびなどに最適です。
もう一つは、「粉のり」と呼ばれるもので、海苔がふわんふわんの粉になっています。卵焼きなどに混ぜて頂くと美味です。
【3】ムツゴロウ
潮が引いた干潟のうえで生活する魚の一種です。(スズキ目ハゼ科。)日本では、有明海と八代海に生息しています。植物性で、干潟の泥に付着した藻類などを食べながら暮らしています。
成魚は15~20センチの大きさになります。体は褐色色をしていて、白か青の斑点があります。目はくりくりしており、瞳がハート形をしているなど、とても愛らしい風貌です。
有明海では古くからムツゴロウを食用として利用してきました。旬は晩春から初夏にかけてです。よくある調理法は、いったん炭火で焼いたものを、砂糖醤油で煮つける方法です。料理の見た目が黒いのはこのためです。
身は少なめですが、しっとりしたお肉で、頭から尾まで骨まで丸ごと頂けます。全くクセがなく、大変食べやすいお魚です。
【4】クツゾコ
別名クッゾコ、クチゾコなどとも呼ばれます。正式名称はコウライアカシタビラメです。瀬戸内海や有明海でたくさん揚がるヒラメです。
地元では、甘辛く煮つけ頂くのが一般的です。旬は冬から春にかけてだそうで、皮に厚みがあるため、煮崩れしにくく、食べやすいのが特徴です。ほどよい歯ごたえがあり、臭みも感じられず、大変美味なお魚です。
お店のメニューでよく見かけるほか、道の駅などでは生でも販売されています。体長は60センチ程度です。似たようなヒラメも多いですが、味が違うそうなので、生で買う方は名前にご注意ください!
【5】アカメ
正式名称はメナダです。(ボラ科。)ボラによく似ていますが、全長1メートルにまで達する点が異なり、大型の魚です。九州では有明海にしかいないとされるそうです。
出世魚のため名前が順次変わっていきます。エビナゴ→エビナ→アカメ→ヤスミ→ナヨシになるのだとか。旬は梅雨から夏にかけてです。
筆者はお刺身で頂きましたが、白身魚で歯ごたえはしこしこしています。淡泊なお味で、クセがありません。地元の道の駅などでは、サクでも購入可能です。